イベントカレンダー

【開催済】世界の中のケベック州:全力で取り組み行動し発展する

カナダ・ケベック州の新たな外交戦略とは何か

Château Frontenac ケベック州政府在日事務所提供

Château Frontenac ケベック州政府在日事務所提供

カナダ発祥の地、かつてのヌーベル・フランス、ケベック州はオンタリオ州とともにカナダ政治経済文化を牽引する。圧倒的な英語圏北米大陸という条件のなかでフランス語を公用語とするケベック州がこのほど新たな世界戦略を策定、注目されている。

ケベック州政府は、50余年前に「静かな革命」を経て国際舞台において積極的に役割を担うことを選択。以来、世界18ヵ国に31の海外事務所を開設することによってさらにこの政策を強化するため、2017年、州政府は今後の外交の方向性を首尾一貫した形で推進する新たな外交政策を採択した。グローバリゼーションが加速する現在において、ケベック州政府の優先事項とは何か? ケベック州政府在日事務所ルーシー・トランブレ代表が、この国際政策を紹介し、ケベック州がどのようにしてその考えを発信しようとしているのかをご説明いただきます。

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【レポート】パリクラブ輝く会21回 才村シェフのアペリティフとショコラ、そしてシャンパーニュを味わう会

さる、2019年2月8日、バレンタインの迫る冬の夜にパリクラブ恒例の才村由美子シェフのセミナーを開催いたしました。

これまでのセミナーでは、才村シェフがテーマに沿ったショコラを目の前で作り、その創作について才村シェフからお話を伺うという講演形式でした。今回は、そのシェフに腕をふるっていただき、アペリティフを用意していただくという趣向。星付きレストランで料理人だった才村シェフの創り出すお料理が楽しめるということだけあって、多くの方に集まっていただきました。

才村シェフによるアペリティフの数々。こちらをシャンパーニュ テタンジェで楽しめるというスペシャルな夕べ。

才村シェフによるアペリティフの数々。こちらをシャンパーニュ テタンジェで楽しめるというスペシャルな夕べ。

会場に入ると大きなテーブルには、すでに何種類ものアペリティフが用意されており、華やいだ雰囲気。このお料理達に合わせるのは、サッポロビール様よりご提供いただいたシャンパーニュ テタンジェ。ピエモンテにあるシェフのピッコラ パスティッチェリアの10周年を祝うに相応しいシャンパーニュです。

こちらがシャンパーニュ テタンジェ。

こちらがシャンパーニュ テタンジェ。

乾杯とともに、今宵限りの素敵な料理の祭典が始まります

どれからいただかこうか、迷ってしまう品数です。

どれからいただかこうか、迷ってしまう品数です。

会場の中央テーブルには、すでに才村シェフが仕込んだ色とりどりのアペリティフがずらり。今回のメニューは、全10品を作っていただきました。

しかも、会場はオープンキッチンになっていて眼の前で才村シェフが調理する姿を見ることができます。美しい、そしてこだわりぬいた新鮮な食材が、素晴らしい料理に仕上がっていく様子を参加者の皆さんは楽しんで見ていらっしゃいました。

乾杯の後は、各々が才村シェフの料理の味を楽しむフリータイム。スクリーンには、イタリアで撮影されたピッコラ パスティッチェリアのお店の様子などが投影されて会場を盛り上げました。

当日のメニュー

・フルディテ
・チャルダ ディ ポレンタ
・ゴルゴンゾーラ ノーチェ
・フラン ディ パルミジャーノ
・ウォーヴォ トンナート コン カビアーレ
・パスタ ブリセ サルサ タルタル ガンベリ
・ポネ
・パンナコッタ エ フラーゴラ
・パルミジャーノ レッジャーノ
・タラーリ オリーヴェ

お料理の中に使われているクルミや赤ピーマンはピエモンテから持ってきたというもの。才村シェフと一緒にお店をやっているアンジェリーナさんの手作りも加わったここだけの料理が並びました。

華やいだ雰囲気の中で食事を楽しんでいると、ポネとパンナコッタ エ フラーゴラの二品のドルチェが用意されていました。眼の前で才村シェフが仕上げたものをいただけるのは、会場にいらっしゃった人だけの楽しみでしょう。

さて、会場にいらっしゃった皆さんから今回のイベントのお話をうかがいます。最初は、サッポロビール北河様。お料理に合わせてシャンパーニュ テタンジェを用意していただきました。このシャンパーニュを合わせた理由などをうかがいます。

「今回ご用意させていただいたシャンパーニュは、テタンジェの中でもベーシックなものを用意しました。シャルドネを使っていいて、繊細でエレガントな雰囲気の味わいは、女性から人気を集めています。また、おめでたい時、華やいだ時に飲んでいただきたいこともあり、今回の才村シェフのイベントにぴったりではないかと思いました」

サッポロビール北河様

サッポロビール北河様

では、次にご夫婦でいらっしゃっていた加山様。奥様が才村シェフのInstagramを見て今回のイベントを知ったそうです。

「ショコラは大好きで今年はサロン・デュ・ショコラで才村シェフのショコラを買うことができました。毎年バレンタインの時期になると20種類くらいは買ってしまうので、今も冷蔵庫はショコラがたくさん入っています」と奥様。「シャンパーニュに合う料理がたくさんあって、クルミを使ったものが気に入りました。ドルチェも甘さがナチュラルな甘さで、素材の味わいが楽しめて美味しかったです」

加山ご夫婦

加山ご夫婦

そして、神戸からいらっしゃった西山様。神戸にはたくさんの美味しいスィーツがありますが、今回のお味には感動もひとしおだったそう。

「前回の輝く会の『孫だから語れる渋沢栄一の秘話』に参加させていただき、そこに来ている方も素敵でコンテンツも充実していて、次回もぜひ参加したいと思って来ました。神戸には美味しいスィーツがありますが、才村シェフのお料理とショコラを食べて感動いたしました。輝く会のコンテンツは毎回最上級のものだと思います」

西山様

西山様

そして、香取様はなんとこのためにフランスからいらしていただいたそう。

「フランスでガストロノミー関連の仕事をしているのですが、ワールドチャンピオンショコラティエールのお料理を食べられると聞き楽しみにうかがいました。まさか目の前で実演していただけるとは思わなかったので、びっくりです。さすが、金賞のショコラです」

香取さま

香取さま

そして、今回のイベントの会場などを手配していただいた国村様。ご自身も料理好きで、料理の腕をふるっているそうです。

「料理が趣味なのですが、料理の味わいはもちろん感動ものですが、このオープンキッチンで20人分の料理を作って同時にサーブするというのはプロフェッショナルとしての計算と腕があってこそだと感じました。今回のイベントでは、直前までどんな食材がイタリアから来るかわからなかったらしく、それでも料理を創っていくアイデアと引き出しの多さを目の当たりにしました」

最後は、才村シェフに今回のイベントの感想をインタビューしました。特に今回はアペリティフをご用意していただきましたが、どんなコンセプトがあったのでしょう?

「シャンパーニュを準備していただけるとのことだったので、それならアペリティフが良いだろうと思い準備したのですが、食材が決まらずメニューを考えたのは前々日でした。でも、目の前の近い距離で喜んでいただく姿を見ることができてうれしかったです」
と才村シェフ。来年のバレンタインシーズンに、またきっとお会いできることでしょう。その時には、どんな新しい味が才村シェフの手から創られているのか本当に楽しみです。

才村シェフを囲んでスタッフ一同で記念写真。本当においしいアペリティフとスィーツをありがとうございました。

才村シェフを囲んでスタッフ一同で記念写真。本当においしいアペリティフとスィーツをありがとうございました。

【開催済】第21回パリクラブ輝く会 才村由美子シェフ ピッコラ パスティッチェリア10周年をアペリティフ、ショコラ、シャンパーニュで祝う会

パリクラブ輝く会では、第4回目となるヴァレンタインシーズン恒例の才村由美子シェフの実演セミナーを開催致します。ヨーロッパで活躍されるパリクラブ海外会員 才村シェフはインターナショナル チョコレート アワード世界大会2014・2015・2016・2017年四年連続GOLD金賞を獲得しワールドチャンピオンショコラティエールとして益々実力を発揮されています。今回はピエモンテにあるシェフのピッコラ パスティッチェリアの10周年をシャンパーニュ テタンジェで祝います。

アペリティフまた初の試みで、元々は星付きレストランで料理人だったシェフにアペリティフをご用意頂きます。そして例年大好評のショコラ、ドルチェはオープンキッチンでの実演も注目です。才能豊かなシェフの繊細かつアーティスティックな実演をお楽しみにください。世界トップの彼女が作り出すドルチェは、お店のあるイタリア以外では通常販売しておりませんので非常に貴重な機会です。ショコラも日本では限られた期間でしか購入出来ませんので、どうぞお見逃しなく奮ってご参加くださいませ!募集人数は少なめとなっておりますのでお早めにお申込ください。

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【レポート】第20回パリクラブ輝く会特別講演会 小篠ゆま「世界で活躍し続けるためのマインド~三世代に渡って受け継がれていること~」

素顔のコシノファミリーは?

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輝く会の20回目のイベントは、今年からスタートした「パリで輝く日本女性シリーズ」の第1回イベントとして、東京日比谷ビル17階で開催されました。講師にお招きしたのは、パリのみならず世界で知られる「コシノブランド」の精神を受け継ぐデザイナーの小篠ゆまさん。NHKの朝ドラ「カーネーション」のモデルにもなったお婆様(小篠綾子さん)やお母様(コシノヒロコさん)との知られざるエピソード、ファッションに対する熱い思いなどを、パリクラブの児玉常任理事が司会進行役を務める形で伺いました。

最初の話題は「カーネーション」について。「パリでも放送され、『おしん』に続く視聴率を誇り、日本では数多くの賞を受賞するなど国民的ドラマとなりました。なぜか私は赤いジャージ姿のヤンキーになっていましたが、実際は四角四面なマジメ人間ではなかったものの、不良少女ではありません」と話され、笑いを誘っていました。これはドラマのような少女が多かった時代背景を意識しての演出で、実際のゆまさんは、お母様の洋服を次々とクローゼットから出し、一日中遊んでいたというファッションに夢中な少女。綾子さん、ヒロコさん、ジュンコさん、ミチコさん三姉妹の遺伝子を受け継ぎ、この業界を志向されたのは、必然の運命だったのかもしれません。

綾子さんの実像については、出身が「だんじり」で有名な大阪の岸和田ということもあり、仕事においても遊びにおいても大変にエネルギッシュな方で、93歳の誕生日の目前で亡くなる数日前まで「クルマを買うで~」などと話されていたそうです。生前にゆまさんと一緒にディスコへ行ったり、パリやロンドンで飲みに行ったりと、多くの時間を共有できたことが、ゆまさんにとって大きな財産となりました。デザイナーとなったゆまさんに、綾子さんは細かく指示することもなく、「あなたはコシノの精神を受け継ぎなさい」との思いを託され、ゆまさんは「それが一番ありがたかった言葉です」と偉大な祖母からの叱咤激励に感謝されていました。元気なのはコシノファミリーの血筋で、もちろん、ゆまさんも例外ではありません。

バラ色ではなかった若き日のパリ時代

大学生の頃からモデル、アートディレクター、スタイリストなど、ファッションに関わるさまざまなジャンルで精力的に活躍されていたゆまさん。卒業後は、お母様の会社のスタッフとしてパリで働くことになったのですが、日々の多忙な業務に追われるなか、これでいいのかとの思いが強くなり、ファッションデザイナー高田賢三氏の事務所で“武者修行”することとなりました。しかし、当時のパリはまだ若いゆまさんにとって「大人でないと楽しめない街」であり、フランス語もそれなりに話せたものの、コミュニケーションもままならず、次第に居心地の悪さを感じるように。そこで、1年半後、心機一転、叔母のミチコさんが拠点にしていたロンドンへ移ったのです。「思い立ったらすぐ行動という家系」と当時を振り返っていましたが、イギリスは学生時代からサマースクールで来ていたなじみの土地。新天地のイギリスでゆまさんは、クラブ文化が根付き、音楽があって芸術があってそのあとにファッションがある、ファッションありきのフランスとは異なる文化などを、クラブファッションの第一人者であるミチコさんのもとで学びました。ちなみに、後年に訪れたときのパリの印象は変わり、今はその魅力を十分に理解し、楽しまれているそうです。現在ファッションの主要なマーケットはアジア。しかし、パリは「世界のショールーム」であり、そこから発信することに意味がある。やはりパリは最先端のファッションの街といえるのでしょう。

3年間のロンドン生活を経て帰国。海外を経験すると、日本のマーケットは特殊であるとの印象を受けました。「日本にいると分かりませんが、アキバ文化みたいなムーブメントは海外ではみられないもの。島国ならではの文化で、外国人目線に立つと面白いと思いました」

救いの手を差し伸べてくれた母

有名デザイナーの仕事というと、ファッションモデルが着る華やかな衣装や、ブランドショップに並んでいるおしゃれな洋服のイメージがあるのですが、ゆまさんは多彩なジャンルを手掛け、高い評価を得ています。そのひとつがフィギュアスケーター無良崇人選手の衣装。「スケート界は衣装デザイナーが不在の特殊な世界で、みなさん自分で用意されているのです。あの荒川静香さんでさえ、お母様が縫っていたほど。ボランティア精神でお引き受けしたのですが、決まりきった衣装のルールを崩したいとの思いもあったので、楽しいお仕事でした」

また、小田急の新型ロマンスカー運行(2016年12月)にあわせ、乗務員やアテンダントの新ユニフォームを手掛けられました。この日は小田急のスタッフの方が参加されており、後段の質疑応答の際、「スタッフの動きをしっかり観察され、デザインだけではなく機能性も重視してくださり、素晴らしいユニフォームでアテンダントのモチベーションがアップしました。お客様からも好評です」と、スタッフの喜びの声を代弁されていました。

小田急の仕事を振り返るゆまさん

小田急の仕事を振り返るゆまさん

このほか、宮本亜門さんの舞台衣装も担当されました。片岡愛之助さん主演のコメディーで、通常、色や構成が決まってから衣装デザインという流れになるのですが、この作品では、ゆまさんが先に色を提案するという逆の形で進んでいったそうです。

このように現在は多方面で活躍されているゆまさんですが、かつてはコシノ家のプレッシャーを背負い、どう評価されるか、どう数字を作っていけばいいのか、スランプに苦しんだ時期もあったそうです。そんなとき、救いの手を差し伸べてくれたのがお母様でした。「まさにぐっと掴んで救い上げてくれたという感じでしたね。同じ苦労をしてきたデザイナーとして、私の気持ちを分かってくれたのではないでしょうか。きっと母も祖母に対して同じ思いを抱いていたのだと思います。母に救ってもらってからは、突っ走って進んでいくことができました」

「コシノの精神」と理想のデザイナー像

「スプリングサマーコレクション」のDVDも上映され、みなさん華麗なステージにうっとり

「スプリングサマーコレクション」のDVDも上映され、みなさん華麗なステージにうっとり

綾子さんから受け継がれる「コシノの精神」とはどういったものでしょうか。ゆまさんは「根底にあるのは岸和田の『いてまえ精神』。エネルギー、スピード、腰のすわり方。常にポジティブであり、自ら道を切り拓いていかなければ前へは進めません」と話されていました。

時代の変化に伴い、デザイナーのあるべき姿も変わっているようです。「ファッションは世の中の流れと共に変化します。どんなところでも対応できるのがブランディング。いまの時代は洋服だけのデザインではダメで、(お客様の)ライフスタイルまでも想定し、提案していくというプロデュース能力も必要。『モノ』を売るには、『コト』がないと浸透しないのです」

ゆまさんのブランドは、40~50代のキャリア層が中心ですが、なかには3世代で来店される方も。「女性のデザイナーズブランドにありがちなのは、デザイナーと共にお客様の年代も上がってしまうこと」というジレンマがあるため、「常に40~50代をキープできる普遍性が必要で、年齢層を広げるよう意識しています」とのこと。また、ヨーロッパとの社会背景の違いにも触れ、「本来、ファッションとは年齢ではなく属性で区別するもの。ヨーロッパのように階級がない日本では、年齢が階級になってしまうでしょう」と分析されていました。

講演あとは、「2018スプリングサマーコレクション」の様子をDVDで紹介。テーマは「変幻自在」で、プロジェクションマッピングを多用した絢爛なステージに、参加者の視線が釘付けになっていました。後半にはコシノヒロコさんも元気に登場されたのですが、82歳という年齢を聞いて,会場のみなさんはその若々しさにビックリ! さすがトレンドに敏感なお仕事をされている方は、気持ちも見た目も若いと感心させられました。

颯爽と登場されたコシノヒロコさん

颯爽と登場されたコシノヒロコさん

ところで、みなさんはモデルが着ているような洋服など自分には無理、と諦めてはいませんか? 決してそんなことはありません。モデル並みの体型でなくても、「中身が細く」「足が長く」「顔が小さく」みえるよう、誰もが着こなせるようにデザインされているのです。ゆまさんは「洋服は着てみなければ分かりません。とにかくお袖を通してみてください。洋服は一番近い住空間。素敵な洋服を着ればモチベーションが上がり、どんどん綺麗になっていきます。そして、見る人にも影響を与え、心を動かすのも洋服の魅力で、相手に褒められれば、ますます気持ちが高揚しますし、(気に入った洋服を着ることは)自分を向上させるチャンスでもあるのです。それは男性も同じです」と、おしゃれの楽しさを力説されていました。

DVD上映後は、ゆまさんから嬉しいプレゼントが。抽選の結果、玉木さんと小池さんに3月22日に恵比寿ガーデンホールで開催されるコレクションの招待券が贈られました。

玉木さん

玉木さん

小池さん

小池さん

最後は質疑応答タイム。さまざまな質問が寄せられたなかで特に印象的だったのが、「どのように感性を磨き続けているのか」ということ。「アスリートと同じで一日でもトレーニングを休むとダメ。常にファッションに関連することに触れることが大事なのです。たとえば、産休や育休で長期間休んでいたスタッフが会社に戻ってきたとき、それまでの間、資料などをみていたかどうか、明らかな差が出るのです。自分の仕事に対するプライドを維持する努力は必要だと思います」とのお話を聞き、これはファッション業界に限らず、どんな仕事にも当てはまることだと感じました。

参加者の声

2組の参加者に、感想を伺いました。まずは大房さんとラコーさん。お二人ともこの日のため、ゆまさんのブランドを着て来られたとのこと。

ラコーさん(左)と大房さん

ラコーさん(左)と大房さん

「(コレクションの映像をみて)欲しい!と思いました。私にも着れそうなラインがあったので。ファッションのこだわりは体型を隠すことでしょうか(笑) 好きなものを着ています。ゆまさんのお洋服を着ていると、『それ、どこのブランド?』と声をかけられるのですよ」(大房さん)

「(コレクションの映像をみて)こういう色づかいや表現があるのか、と刺激を受けました。まさにアーティストの域ですよね。好きだからこそ、常に走り続けて、いいものに触れるというお話を聞き、素敵だと思いました」(ラコーさん)

続いては中谷幸俊さんと、巴留菜(はるな)さん親子。巴留菜さんのお名前の「巴」は、パリ(巴里)で生まれたことに因むそうで、ゆまさんと同じ文化服装学院を卒業後、現在はデザイナーの卵として日々勉強中とのこと。

中谷幸俊さんと娘の巴留菜さん

中谷幸俊さんと娘の巴留菜さん

「私はIT関係で、まったくの畑違いなのですが、先生のお話は通常のビジネスと共通する部分が多いと感じました。特に先生のお話のなかで出てきた、コトづくり、感性といったことは、我々のビジネスにおいても非常に重要なのです。あと『いてまえ精神』、これは松下幸之助の『やってみなはれ』と通じるもので、そうだねと言いたくなる場面が多かったです、違った世界のお話が聞けて大変に勉強になりました」

「就職先がヨーロッパのトレンドを重視するブランドなので、私もいつか先生のようにヨーロッパで活躍したいと思いました。コレクションのなかで、1枚を多角的にみせる立体裁断でリボンを作ったシーンがあったのですが、これは学生時代に学んだことで、自分もリボンを作ったことがあるので、親近感と同時にプロの凄さを感じました」

ゆまさんのお話を聞き、改めてファッションの楽しさを感じられた方が多かったのではないでしょうか。店頭でゆまさんがコーディネートアドバイスをしてくださる大好評のイベントもあるので、興味のある方は、ぜひHPをチェックしてみてください!

YUMA KOSHINO
http://yumakoshino.com/

小篠ゆまさんとパリクラブ輝く会のみなさん

小篠ゆまさんとパリクラブ輝く会理事

【開催済】第20回パリクラブ輝く会特別講演会 第1回パリで輝く日本女性シリーズのご案内「世界で活躍し続けるためのマインド~三世代に渡って受け継がれていること~」

パリクラブ輝く会では2019年より「パリで活躍する日本女性」シリーズをスタートします。日本女性ならではのコミュニケーション力、優しさ、大胆さでフランスでも活躍している方々にご登場いただきます。

当シリーズの第1回目は「コシノ」の遺伝子を受け継ぎ、現在はデザイナー、クリエイティブディレクターとしてご活躍の小篠ゆまさんをお迎えいたします。
お忙しいお母さま(コシノヒロコ様)の代わり多くの時間を一緒に過ごした祖母とのエピソードや、デザイナーとして世界的に活躍する母との関係、そして次の世代への思いをお話しいただきます。

皆様のご参加をお待ちしております。

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【レポート】磯村名誉会長講話「2018年からみる波乱の2019年の欧州」

「黄色いベスト運動」の本質とは――

2018年12月18日、日本財団ビルにおいて磯村尚徳名誉会長による講話「2018年からみる波乱の2019年の欧州」が開催され、渡仏中に知り得た最新情報をもとに、「黄色いベスト運動」「カルロス・ゴーン氏解任」といった話題のニュースについて、騒動の深層を分かりやすく解説してくださいました。

講演前の懇親会の様子

講演前の懇親会の様子

今回はアペリティフを楽しみながらの懇親会のあとに講話がスタート。最初の話題は、ガソリン税値上げに反対する民衆のデモが暴動にまで発展した「黄色いベスト運動」(ジレ・ジョーヌ)で、磯村氏がパリに滞在しているときも10万人以上がデモに参加していたとのこと。1789年に始まったフランス革命では、押し寄せる民衆を目の当たりにしたルイ16世が「これは反乱か?」とつぶやいたのに対し、側近の公爵が「陛下、これが革命というものです」と答えた有名なエピソードがあるそうですが、今回の「黄色いベスト運動」の背景もこのフランス革命に通じるものがあるようです。磯村氏の知人のジャーナリスト、ジャック・ジュリアル氏曰く「大革命からして、(その主役は)プロレタリアートではなく貧しい中産階級」。「これまでデモの常連は労働者、移民、失業者などでしたが、シャンゼリゼで暴動に加わったのは、大半がかつて一度はいい思いをしている貧しい中産階級の人たち。家賃が高い中心部には住めず、郊外で車を頻繁に使う彼らにとって、ガソリン代は重要な出費。(要求するものがフランス革命時の)パンから自動車に変わっただけ」という磯村氏の解説を聞き、一見、それほど貧窮しているようにはみえない彼らの怒りの根源が少しだけ分かったような気がしました。

渡仏中の話題を紹介する磯村氏

渡仏中の話題を紹介する磯村氏

続いて話題は今回と過去の騒乱の比較に。1968年に起きた5月革命から50年が経過しましたが、「革命ではなく自由化であった」というのが現在は定説になっており、3つのものの権威が失墜したそうです。それは「教会」「共産党」「大学および大学教授」。かつて「カトリック教会の長女」と称されたフランスですが、15~17歳を対象にした信仰に関する世論調査では、「イスラーム 26%」「カトリック 20%」「無宗教 41%」という結果になり、神父の高齢化もあいまって、没落の一途を辿っています。

「共産党」はかつて30%もの支持率を誇っていたものの、共産主義の弊害が目についてきたこともあり、いまやわずか2%までに激減。1958年、磯村氏が特派員で駐在していた頃は「3人に1人が共産党に投票している」と先輩記者に教えられたそうですが、いまや見る影もありません。

「大学」については、5月革命からの50年で学生の数が4倍になった一方で、教授のほうは十年一日の如き講義に明け暮れ、TV出演で目立つことばかりに腐心したため、アカデミズムの権威を失わせることとなりました。

1968年のワシントン支局長時代、磯村氏はパリでデモを目撃しました。米国と北ベトナム代表による和平交渉が行われた2日後、大学で最初のデモが始まり、商店などの閉鎖が燎原の火の如く広まっていったのです。磯村氏は「底なし沼の感覚。箍が外れると一気にという印象でした」と当時を振り返っていましたが、その予感が現実となったのが今回の騒動といえるでしょう。

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