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【レポート】イベント講演会『難民とシェンゲン協定』~統合欧州の将来へのインパクトとフランスの役割

【レポート】イベント講演会『難民とシェンゲン協定』~統合欧州の将来へのインパクトとフランスの役割

2015年の夏、シリアから大量の難民が流入しヨーロッパは混乱に陥りました。難民問題はEUを揺るがし続け、目下イギリスにおけるEU離脱を問う国民投票が、世界中の注目を集めています。
そうした状況下の5月27日、ルクセンブルグ国家防衛学会会長クリストフ・デアージュ氏をお招きし、『難民とシェンゲン協定』をテーマに講演会が行われました。
国境とは何か、シェンゲン協定の意義、そして難民問題に欧州そしてフランスはどう対応するべきかなど、非常に密度の濃い刺激的な講演会となりました。

欧州経済を支えるシェンゲン協定

シェンゲン協定は協定参加国間での国境検査を撤廃するもので、1985年にヨーロッパの5つの国から始まりました。5つの国とはベルギー、フランス、ルクセンブルク、オランダ、西ドイツで、当初はトラック輸送や税関申告などをスムーズにすることで、域内の経済を発展させることを構想していました。その試みが成功することでシェンゲン協定の参加国は次々に増え、現在ではEU参加国全体に拡がっていき、EU域内の労働力の自由移動に貢献してきたところです。

当初の5カ国や、その後に加わった国々が色分けされて示されている

当初の5カ国や、その後に加わった国々が色分けされて示されている

国境検査を撤廃し、域内の人やモノの移動を自由にするシェンゲン協定は、国境の意義を変えているともいえます。シェンゲン協定の加盟国圏内ではポルトガルの国境が一番古く、13世紀から変わっていません。スペインやフランスも長く国境が変わっていませんが、現代史の中で国境を変えて今に至っている国も多く、ドイツが一番新しく25年前に今の国境となりました。それぞれの国に国境の変遷の歴史があり、それはその国の人たちの国境についての考え方にも影響します。
フランスの国境は地図上では明瞭です。シェンゲン協定加盟国という観点では東はポーランド、南はギリシャがEUの境界線になっています。そしてシェンゲン圏内に入ることができれば自由に移動することができる。したがってシリア難民問題はシェンゲン協定の問題でもあり、ギリシャやイタリアに入った難民がシェンゲン圏全体へと自由に移動することが懸念されるようになったのです。

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【開催済】イベント講演会『難民とシェンゲン協定』~統合欧州の将来へのインパクトとフランスの役割?

記録的な難民の流入は多くの難問と課題を欧州に投げかけている。果たして労働力人口の増加につながり経済成長に寄与するのか。シェンゲン協定による労働力の自由移動が難民流入阻止によって保証されなくなれば欧州統合は後退するのか 難民の中東アフリカからの難民はいつまで続くのか。EUとトルコ、ギリシャとの難民取り扱い協定は功を奏するか。受入れ国ドイツ、難民流入国ギリシャやイタリア、逡巡するフランスや英国、反難民の中東欧、そのポジションの違いはどう収斂するのか。テロとの関係はどうか。このほどルクセンブルクのシンポジウムで講演したフランス人国際関係専門家のクリストフ・デアージュ氏に現場欧州の議論をご披露していただくことにした。

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【レポート】第63回Rendez-vous Franco-Japonais

第63回Rendez-vous Franco-Japonais

ヴァイオリンの巨匠ジェラール・プーレ氏のヴァイオリンの夕べ

4月25日に八芳園で開催された第23回定時総会。年度を締める大きなイベントの後に用意されていたのは、世界で活躍している偉大なヴァイオリニストであるジェラール・プーレ氏の演奏会。そしてDUOを組むのは、新進気鋭のヴァイオリニストである清水公望(くみ)さん。76歳を超えて世界で活躍するプーレ氏と若きヴァイオリニストとの共演。

同コンサートには在日フランス大使館よりムルルヴァ経済公使、ケベック州政府在日事務所よりドロンジエ代表、在日チュニジア大使館よりエルーミ一等参事官にもご臨席いただきました。

モデレータを務めるのはプーレ氏のコンサートをしばしばプロデュースしている金子文子さん。彼女が曲を紹介しつつ、それに応えるような形でプーレ氏の演奏が始まりました。

今回のコンサートのプログラムでは、バルトークとプロコフィエフの楽曲を演奏しました。

金子様が曲について紹介するとプーレ氏もアドリブとウイットに富んだユーモアと共に深い解説を重ねてきます。演奏はもちろんですが、二人の共演もとても楽しく、楽曲を深く理解する上で興味深いものとなりました。

会場は、あっという間にプーレ氏と清水さんの演奏に引き込まれていきます。目の前で演奏されている奇跡のような調べに会場からはため息が漏れるほどでした。

コンサートプログラム

  • プロコフィエフ:2つのヴァイオリンの為のソナタ 作品56より第3.4楽章
  • オネゲル:無伴奏ソナタより第1楽章 (清水さん独奏)
  • バルトーク:2つのヴァイオリンの為の44の二重奏曲より
    第32,35,36,37,39,40,42,43,44番
  • J.S.バッハ:無伴奏パルティータ第3番 BWV 1006よりプレリュード (プーレ氏独奏)
  • WieniawskiのEtudes-Caprices Op.18よりNo.1,No.2
演奏の合間にやりとりされる、プーレ氏と金子さんの曲に関する会話も絶妙。これを聞くことで演奏曲への理解が深まります。

演奏の合間にやりとりされる、プーレ氏と金子さんの曲に関する会話も絶妙。これを聞くことで演奏曲への理解が深まります。

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【開催済】第63回Rendez-vous Franco-Japonaisのご案内

総会後は日本でも活躍中の世界的ヴァイオリンの巨匠、ジェラール・プーレ(Gérard Poulet)氏をお招きして演奏会を予定しています。
プーレ氏とDUOを組まれるのは、新進のヴァイオリニスト 清水公望(くみ)さんです。
本格的なヴァイオリンの夕べをお楽しみください。

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【開催済】「総会案内」第23回定時総会のご案内

拝啓 花咲く季節、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

来る4月25日(月)18時から八芳園で下記要領により、会則第13条に基づく第23回定時会員総会を開催し、2015年度の会計および会務全般について付議します。各位のご参集をお願いします。

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【レポート】輝く会 第3回「輝く女性とフレンチバロック・オペラ」

目の前で繰り広げられる「フレンチバロック・オペラ」

4月16日に開催された「輝く会」の3回目のテーマは「フレンチバロック・オペラ」です。
パリクラブ会員の錦織舞さんが主催するジョイ・バレエストゥーディオにて、フレンチバロックを代表する音楽家ジャン=フィリップ・ラモー作曲のオペラ『プラテ』より演目を抜粋し上演いただきました。ジョイ・バレエストゥーディオはフレンチバロック・オペラの全幕上演を行っている日本唯一の団体です。

上演に先立ち、いつもお集まりいただく会員の方や、最近入会された女性会員様、またジョイ・バレエで学ぶちびっこバレエダンサー達で立ち見が出る盛況の中、藤本常任理事より「フレンチバロック・オペラ」の成り立ちについて説明がありました。

フレンチバロック・オペラについて藤本常任理事から説明いただきました

フレンチバロック・オペラについて藤本常任理事から説明いただきました

バロック音楽は16世紀から17世紀初頭のバロック時代にイタリアで発祥し、フランスで独自の発展を遂げフレンチバロックになりました。そこにフランス宮廷で人気のあったバレエと歌の要素が加わり融合し、「フレンチバロック・オペラ」が誕生します。芸術を好んだ太陽王ルイ14世も、その成立に大きく関係したとされています。
ジャン=フィリップ・ラモーはフレンチバロックを代表する作曲家で、今回上演いただく『プラテ』をはじめ多くの歌劇を作曲し、現在まで高く評価されています。

さていよいよ上演開始です。

ジョイ・バレエストゥーディオ『プラテ…ジュノンの嫉妬』全幕公演のお知らせ
2016年5月7日(土) 開場17:30 開演18:00
練馬文化センター 大ホール (西武池袋線・都営大江戸線 練馬駅前)
※フランス語上演 字幕付き
【チケット問い合わせ】
 ジョイ・バレエストゥーディオ
 WEB http://joy-ballet-studio.com
 TEL/FAX 03-3950-5039
 チケットぴあ TEL 0570-02-9999 [Pコード281-751]

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