イベントカレンダー

日仏交流150周年記念 “Nathalie Cavasinが視る、日本の伝統芸能と風光” ナタリー・カヴァザン写真展

日仏経済交流会(パリクラブ) 主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ) 共催

日仏交流150周年 QRコード早稲田大学客員研究員、ナタリー・カヴァザンは1996年の来日以来地理学博士としての研究の傍ら、日本の伝統芸術に興味を抱き学び続けています。
「美のありよう」「人間の本質」を追求する芸術<能>と向かい合うことは日本の歴史や伝統を理解するだけでなく、現代の日本人を理解し、将来の日本人の姿を予見する行為と彼女は考えます。
日本の世界に誇る伝統芸術<能>を、この度、日本とフランスの外交条約締結150周年を記念し、彼女の視線で写真展として紹介されました。

日時 2008年12月24日(水)~12月28日(日)
11:00~18:00 (最終日16:00迄)
場所 北の丸 tiny ギャラリー
千代田区神田神保町3-11-1
Tel/Fax : 03-3262-6889
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最寄り駅 東京メトロ半蔵門線・都営新宿線・三田線 「神保町」下車 (A1出口)
または
東京メトロ都営新宿線・半蔵門線・東西線 「九段下」下車 (6番出口) いずれからも徒歩2分。
(その他) JR水道橋駅西口より徒歩12分。 JR東京駅、丸の内北口よりタクシーで10分

日仏交流150周年記念|”Nathalie Cavasinが視る、日本の伝統芸能と風光”|ナタリー・カヴァサン写真展 2008.12.24(水)→12.28(日) 北の丸 tinyギャラリー

パネル・ディスカッション「グローバル時代における第三国市場での日仏協力」

日仏経済交流会(パリクラブ) 主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ) 共催

パリクラブでは昨年度より笹川日仏財団の助成を受けて「日仏経済関係150年―回顧と展望」と題する一連の調査プロジェクトを実施しています。今年 度は「第三国市場での協力」すなわち日仏の市場だけでなく、アジア・アフリカなどのいわゆる第三国市場において日仏の企業や政府機関が協力し、資源開発や 環境・インフラ分野でのプロジェクトを実施することをひとつのテーマにしています。
日本企業が外国企業、とくにフランス企業と行う第三国市場での協力のケースが近年増加しており、グローバル経済のなかで日仏経済関係を今後発展させるためにはその充実、拡大が望まれております。
本パネル・ディスカッションでは、(1)パリクラブがおこなった第三国協力に関するアンケート・ヒアリングの内容を報告し、(2)外国企業と競争する一方 で協調し、パートナーを組むという企業戦略の狙いは何か、(3)日仏間で協力が望まれるのはどのような分野や地域か、(4)また日仏の企業協力拡大にはど のような障害があり、その改善策はなにかについて、日仏の経済人に論じて頂きました。
議論はその後のビュッフェ・パーティで続けて頂きました。

日時 2008年12月8日(月) 18:30~
プログラム 18:30~20:00 パネル・ディスカッション
20:00~21:30 ビュッフェ・パーティ
会場 日仏会館
東京都渋谷区恵比寿3-9-25(JR恵比寿駅徒歩10分)
http://www.mfjtokyo.or.jp/
パネル・ディスカッションは1階ホール、ビュッフェ・パーティは隣接レストラン・エスパースにて。
パネリスト 山崎亜也 氏 パリクラブ会員、国際協力銀行(JBIC)専任審議役
宮田裕久 氏 丸紅(株)海外電力プロジェクト第二部長兼丸紅電力開発社長
ジャック・シャンベルロワール 氏 TOTAL北東アジア代表
ジャン・イヴ・ラマン 氏 アルセロール・ミタル社代表(技術提携先新日鉄駐在)
レミー・オートベール 氏 アレバ・ジャパン社代表取締役社長
アレバ社上席執行副社長 (確認中)
(司会) 久米五郎太 氏 パリクラブ会長代行、日揮(株)常勤監査役
使用言語 日本語、フランス語(同時通訳付き)

対談「個人競技の国・日本と団体競技の国・フランス」

日仏経済交流会(パリクラブ) 主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ) 共催

日本は団体主義の国、フランスは個人主義の国であるとよく言われます。ところが北京五輪の結果だけではなく、スポーツの世界では日本は個人競技で好成績を残し、フランスは団体競技で好成績を残しています。

個人主義の国と思われているフランスは世界でも屈指の団体球技の王国です。一方、団体主義の国と言われる日本は多くの優秀な個人競技のアスリートを 輩出しています。団体球技であるラグビー経験のある日仏2人のビジネスマンが、日本は本当に団体主義の国なのか、フランスは本当に個人主義の国なのかをス ポーツの観点からだけではなくビジネスの観点から対談をして頂きました。

日時 2008年11月27日(木) 19:00~21:00
プログラム 19:00~20:00 講演会
20:00~21:00 懇親会(ビュッフェ形式)
対談者 ロベール・ヴェルディエ氏
デクシア クレディ ローカル銀行 東京支店 支店長

井上俊也 氏(アニメーター兼)
NTTコムウェア エンタープライズ・ソリューション事業本部 事業推進部長(パリクラブ理事)
会場 日本財団ビル 会議室1-2
東京都港区赤坂1-2-2 (03)6229-5558
最寄り駅 東京メトロ 銀座線虎ノ門駅(3番出口)
銀座線・南北線溜池山王駅(9番出口)
丸ノ内線・千代田線国会議事堂前駅(3番出口)
使用言語 日本語
 

■ご報告

1127-individualisme_ou_pas-0111月27日(木)に日本財団の会議室で、日仏経済交流会(パリクラブ)と在日フランス商工会議所の共催で「個人競技の国・日本と団体競技の国・フランス」と題して講演会が開催され、30名の聴衆が集まった。

ロベール・ヴェルディエ氏(デクシアクレディローカル銀行 東京支店 支店長)と井上俊也氏(NTTコムウェア エンタープライズ・ソリューション事業本部 事業推進部長)の対談形式で講演会が行われ、井上氏が司会を兼ねた。

まず、井上氏から「北京五輪の結果にもあるとおり、日本は団体競技よりも個人競技で好成績を残しており、団体競技よりも個人競技に向いているのではないか。また、優れた個人を組織の中で活かす能力が欠如しているのではないか」という問題提起が行われた。

1127-individualisme_ou_pas-02これに対してヴェルディエ氏から「日本語の辞書にそもそも団体主義と言う単語はない。日本人は個人の技術、スキルベースは優れているが、それを団体の中で活 かす能力はない。したがってラグビーやサッカーなどの団体競技におけるパフォーマンスは低い」というスピーチがあった。

両者のスピーチの後、ステージ上の2人が意見交換し、「日本人は個人競技においては個人が責任を取っているが、団体競技の中で個人が責任を取るプレーをしていないところが、日本が団体競技、特に球技における弱さであろう。」という見解に達した。

講演会終了後、会場を移して懇親会が行われたが、議論は尽きず、有意義な一夜となった。

日仏交流150周年記念講演会 「日仏金融市場における将来の可能性を探る」

日仏経済交流会(パリクラブ) 主催
日本銀行、フランス銀行、在日フランス商工会議所、全国銀行協会 共催
日本証券業協会、生命保険協会、日本損害保険協会、日本金融学会 後援

日仏交流150周年 QRコード日仏経済交流会(パリクラブ)は、1993年に日仏で経済活動に従事したビジネスマンにより設立されて以来、日仏交流の発展に向けて様々な活動を重ね15年 を迎えました。本年はちょうど日仏交流150周年にあたり、「日仏経済関係150年―回顧と展望」と題する一連の行事を笹川日仏財団の助成も受けて実施し ております。

その一環として、このたび、在日フランス商工会議所のほか、日仏両中央銀行の共催を得て、金融市場の現状と展望、投資銀行業務をテーマに記念講演会 を開催致しました。国内市場であれ、もはやグローバルな動向と分かち難い現代、日仏の視座をひとつの軸に据えた本講演が、なにがしかのヒントとなることを 願っています。

日時 2008年11月17日 (月) 15:00~18:00
プログラム (敬称略)
司会:原田靖博(格付投資情報センター会長)

15:00 挨拶
西村清彦(日本銀行副総裁)
クリスチャン・ノワイエ(フランス銀行総裁)

15:30 日仏の金融資本市場の現状と振興策
―「パリ市場における市場振興策」デディエ・ブルネル(フランス銀行業務総局長)
―「日本の金融・資本市場:現状と将来へのヒント」内田真人(成城大学教授)

16:30 日仏の投資銀行業務:民間の立場から
―「最近の国際金融情勢と日本における投資銀行業務」ジャン・ルミエール(BNPパリバ頭取顧問)
―「日本の投資銀行業務」中島厚志(みずほ総研チーフエコノミスト)

17:30 パリクラブ記念プロジェクト「日仏財政金融交流調査」中間報告
有地浩(パリクラブ理事、輸出入・港湾関連情報処理センター専務)
会場 日仏会館ホール
東京都渋谷区恵比寿3-9-25(JR恵比寿駅徒歩10分)
http://www.mfjtokyo.or.jp/
使用言語 日本語、フランス語(同時通訳あり)

日仏交流150周年記念イベント 講演とパネルディスカッション 「フランスにおけるエリート養成 グラン・ゼコルの使命と企業の期待」

HEC Paris、財団法人日仏会館 主催
日仏経済交流会(パリクラブ)、日仏経営学会 共催
フランス大使館、在日フランス商工会議所 後援

日仏交流150周年 QRコード訪日中のベルナール・ラマナンスHEC Paris学長がフランスのケース、特にマネジメント教育におけるグラン・ゼコルと企業の協力関係についてお話し、その後フランス大使館、文化参事官およ び日仏の教育・ビジネスの現場に詳しい方とともに両国の現状について意見交換を致しました。

日時 2008年11月5日(水)18:00~20:00
(終了後カクテル)
基調講演 ベルナール・ラマナンス氏 HEC Paris学長
パネリスト アレクシー・ラメック氏 フランス大使館 文化参事官
遣田重彦氏 LVMHモエヘネシー・ルイヴイトン・ジャパン株式会社、人事本部長
池上久雄氏 東京大学 顧問・日仏経済交流会前会長
モデレーター 廣田功氏 東京大学 名誉教授・新潟大学経済学部教授
会場 日仏会館ホール
東京都渋谷区恵比寿3-9-25(JR恵比寿駅徒歩10分)
http://www.mfjtokyo.or.jp/
使用言語 日仏同時通訳付

「ワインの夕べ」――パネルディスカッション+ワイン+ピカソ展

日仏経済交流協会(パリクラブ)主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ)共催

日仏交流150周年 QRコード長くワインの世界に係わってこられたスピーカーから、歴史を振り返りながら技術・ビジネス・文化の話を伺いました。これであなたもワイン通です。レセプショ ンでは、協賛の各社(アサヒビール(株)、サントリー(株)、(株)西岡寅太郎商店、メルシャン(株)、(株)横浜君嶋屋)より、スピーカーのお話しに因 んだシャンパンとワインのご提供を頂き、試飲を行いました。

■パネルディスカッション『ワインを巡る日仏交流』

笹川日仏財団助成「日仏経済関係150年―回顧と展望」行事
130年前からはじまったワイン交流/仏シャトー買収、ワインビジネス/日本のワイン市場/シャンパンを飲む文化/フランスワイン産業の話等

日時 2008年10月14日(火) 17:00~20:30
プログラム 16:30 ~ 受付 美術館3階
17:00 ~18:30 パネルディスカッション 美術館6階ホール
18:30 ~19:15 ピカソ展観賞 (当日は休館日ですが、特別鑑賞会を企画)
19:15 ~20:30 レセプション (美術館6階ホール)
パネリスト
  • 小阪田嘉昭氏 (パリクラブ理事、メルシャン技術顧問)
  • 永田靖一氏 (サントリー取締役 酒類カンパニー副社長)
  • 上口尚史氏 (アサヒビール 酒類本部担当部長)
  • 川村玲子氏 (シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会日本事務局代表)
司会 三浦一雄氏 (パリクラブ理事、西岡寅太郎商店 副社長)
場所 東京ミッドタウン・ガレリア内 サントリー美術館
港区赤坂9-7-4
http://www.suntory.co.jp/sma/inquiry/index.html
使用言語 日本語。同時通訳は不在でしたが、パネリストはいずれもフランコフォン。

※この「ワインの夕べ」については在日フランス商工会議所のサイトのLa Lettre Mensuelleでも紹介されていますので、あわせてご覧ください。
http://www.lalettremensuelle.fr/spip.php?article2778&lang=ja

■ご報告

左から:永田氏、小阪田理事、三浦理事、川村氏、上口氏、久米会長代行、若林氏(サントリー美術館副館長)

左から:永田氏、小阪田理事、三浦理事、川村氏、上口氏、久米会長代行、若林氏(サントリー美術館副館長)


左から:永田氏、小阪田理事、三浦理事、川村氏、上口氏、久米会長代行、若林氏(サントリー美術館副館長)

2008年10月14日、東京ミッドタウンにあるサントリー美術館ホールに於いて、日仏経済交流会(パリクラブ)主催、在日フランス商工会議所 (CCIFJ)共催による「ワインの夕べ」が開催された。今年は日仏修好150周年の年に当たり、笹川日仏財団の助成を受けた「日仏経済関係150年―回 顧と展望」の一環として行なわれた行事である。パネルディスカッション「ワインを巡る日仏交流」、ピカソ展観賞、レセプションと3部構成の盛りだくさんの 「ワインの夕べ」であった。参加者はパリクラブ、CCIFJの会員の他、協賛ワイン会社からのご招待者など、110名近い人数であった。

パネルディスカッション「ワインを巡る日仏交流」は17時からはじまり、冒頭、久米五郎太パリクラブ会長代行から開会の挨拶があり、続いて三浦一雄氏の司会によりパネルディスカッションに入った。当日のパネリストは次の方々であった。

  • 三浦一雄氏 (司会、パリクラブ理事、西岡寅太郎商店副社長)
  • 小阪田嘉昭氏 (パリクラブ理事、メルシャン技術顧問)
  • 永田精一氏 (パリクラブ会員、サントリー取締役酒類カンパニー副社長)
  • 上口尚史氏 (パリクラブ会員、アサヒビール酒類本部担当部長)
  • 川村玲子氏 (シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会日本事務局代表)

司会者の三浦氏から、本日の4人のプレゼンテターは日本のワイン業界で活躍している専門家であり、特に日本でワイン市場の大きな進展があった1970年代 以降、現在に至るまでの期間において、それぞれの立場で重要な役割を担ってきており、各々の体験を含めた貴重な歴史的事実やフランスワインを中心とした マーケット分析など、色々な意見を聴けることが期待され、本日のテーマに最も相応しいパネラーであると紹介があった。

最初に小阪田氏から「130年前から始まったワイン交流」の技術面の交流についてプレゼンがあった。日本でのワイン造りは明治維新になって、殖産興業政策 の一環として始まり、明治10年(1877)に山梨県勝沼に設立され、現在メルシャンが継承している大日本山梨葡萄酒会社からワイン醸造技術習得のために 2人の研修生をフランスに派遣しており、ワインを巡る日仏交流が130年前から始まっている。しかし、当時の日本人の食生活にワインは合わず、長い困難な 時代を経過し、ワイン消費は東京オリンピック(1964)や大阪万博(1970)の時代に芽生えはじめた。この頃になって、日本のワイン会社はワイン醸造 技術習得のため技術者を海外の大学へ留学させ始め、多くの日本人がフランスの大学で学んで、日本のワイン造りに貢献してきた。近年、日本産ワインの品質が 向上し、国際ワインコンクールでゴールドメダルを受賞したり、海外に輸出できるようになった背景には、130年前の明治初期に既に日仏の交流がはじまり、 多くの日本のワイン技術者がフランスに留学していることが大きく影響していると締めくくった。

永田氏からのプレゼンは「シャトー・ラグランジュの再生」と題する仏シャトー買収とワインビジネスについてであった。サントリーがボルドーのグランク リュ・クラッセに格付けされているシャトー・ラグランジュの買収(1983)と再生について詳細な写真を織り交ぜた紹介であった。シャトー・ラグランジュ はスペイン人の前のオーナーがシャトー経営に意欲を失って、荒廃していたのを日本人としてはじめてグランクリュ・クラッセのシャトーをサントリーが購入す ることになった。日本人がシャトー・オーナーになることのマスコミの反感を含めて買収の苦労話や買収後もシャトーワインのボルドー伝統的取引を尊重するこ と、またシャトー経営をフランス人に任せて、現地化したことなどの紹介があった。ボルドー大学ペイノー教授の指導を受け、ブドウ畑の改植、醸造場の改良、 樽貯蔵庫の増設、シャトー本館をゲストハウスへの改修などを写真で紹介した。見事にシャトー・ラグランジュが再生した様子が説明され、フランス人の当初の 危惧は解消したものと思われる内容であった。

上口氏は「フランスワインを中心とした日本のワイ市場」について、統計資料を使いながらの説明であった。日本のワイン消費は87~90年のボージョレ・ヌ ヴォー・ブーム、97~98年の赤ワイン・ブームで伸びており、輸入ワイン全体に占めるフランスワインは常に50%近くのシェアーがあり、フランスワイン は日本の市場で重要な地位を占めている。国別輸入ワインの10年間の推移はオーストラリア、スペイン、チリ、アルゼンチンの伸びが大きいが、フランスも輸 入ワイン全体とほぼ同じの伸び率のプラス20%となって健闘している。フランスワインの日本の消費者のイメージは、「高級感がある」「伝統のある」「品質 が高い」「特別な食事に合う」等であり、「気軽に飲める」「カジュアルな」「若者にふさわしい」等はイメージとして低いとの消費者調査が紹介された。フラ ンスワインの課題として、価格の上昇、ボージョレ・ヌヴォーの市場縮小、ニューワールドワインと比較してわかりにくい、等の点を上げている。日本における フランスワインの市場拡大のためには、「高級感」「品質が高い」といったイメージを強化させること、手頃な価格の商品の拡大、等を提案している。

川村氏は「フランス高級ワイン中でも人気、消費の高まりが著しいシャンパーニュ」ついて、統計資料と多くの雑誌に取り上げられた記事を紹介しながらの興味 ある説明であった。日本のシャンパーニュ市場は最近の15年間で9倍に伸びており、2007年のシャンパーニュの輸出統計では日本は917万本で、国別ラ ンキングで第6位になっている。特筆されることは、1999年からのワイン消費停滞期にも日本へのシャンパーニュの輸入は順調に伸びている。このシャン パーニュ人気の秘密を多くの雑誌の写真入り記事を示しながらの分析であった。シャンパーニュの消費の拡大は世界的な傾向であり、グラス・シャンパーニュが 普及して手軽にシャンパーニュが飲めるようになり、「伝統的・高級感・祝いの酒」から「はなやか・おしゃれな生活のため」へとイメージが変わってきている ことにある。特に日本市場の特色は消費者が若い女性中心に広がったこと、和食との相性のよさ、季節感を味わう商品であることが挙げられる、と説明された。

4人のプレゼンが終わると、司会者の三浦氏が会場で参加していたCôtes du Lubéronの生産者であるCellier de Marrenonの輸出部長Mr. Oustricを紹介し、フランスワイン輸出企業として長年日本市場を担当している経験から、日本のワイン市場について意見を求めた。

Mr. Oustricは19年間日本市場との仕事をしてきたが、フランスワインが市場第1位の地位を維持しているとは云え、ニューワールドワインの強い攻勢の影 響を受けている。フランスワインの課題は親しみ難い点、価格の高い点、そして消費の未来を担う若者を引き付けていない点とし、日本市場は非常に伝統的であ るが、世界で大きな変化が起きており、それに対応していかなければならない。例えば、スクリュー・キャップ(ねじ式キャップ)はイギリスを先頭に世界で採 用されるようになっており、日本でも抵抗がなくなってきている。フランスワインも今後、若いイメージを作っていくことが必要と指摘し、結論として、日本市 場での成功には高品質な製品、忍耐強い販売努力、良いサービスの3点が揃わなければならないが、日本市場は他国と比べても、更なる成功へのチャレンジが可能であるとした。

既に予定時間の18時30分になり、当日はサントリー美術館休館日であったが、特別のご配慮でピカソ展を鑑賞が予定され、美術館副館長若林覚氏からピカソの絵の見所を説明受けた後、ゆったりと鑑賞することができた。豪華なカタログまで頂いた。

ピカソ展を鑑賞している間にセミナー会場はパーティ会場に模様替えされて、19時15分よりレセプションが始まり、まず、お目当てのシャンパーニュを飲み ながら和気あいあいの歓談の中、フランス大使館経済公使 Mr. Louis-Michel MORRISから挨拶をいただいた。当日の素晴らしいシャパーニュとワインはパネリストの所属会社などのご協力で、パネル内容に因んだ商品を中心に日仏に 関係するものが提供された。日頃、なかなか飲む機会のないシャパーニュとワインを味わう豪華なワインテイスティングとなり、参加者は満足された様子であっ た。
当日、提供されたシャンパーニュとワインは次のとおりで、協賛会社に御礼申し上げます。

  • Champagnes (シャパーニュ)
    Pierre Moncuit “Cuvée Hugues de Coulmet”, Blanc de Blancs (Yokohama Kimishimaya)
    Piper-Heidsieck “Brut Rosé Sauvage” (Asahi Breweries, Maxxium Japan)
    Laurent-Perrier “Grand Siècle” (Suntory)
  • Vin blanc (白ワイン)
    Château Mercian “Hokushin Chardonnay 2007″, Japon (Mercian)
  • Vins rouges (赤ワイン)
    Château de Francs 2005, AC Côtes de Francs, France (Nishioka & Co.Ltd.)
    Grand Marrenon 2004, AC Côtes du Lubéron, France (Nishioka & Co. Ltd.)
    Château Lagrange 1999, 3ème Cru Classé, Saint-Julien, France (Suntory)
    Opus One 2004, Napa Valley, California, USA (Asahi Breweries)

(とりまとめ 小阪田嘉昭)