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【開催済】第11回 ドレカミ日仏教養講座オランピア 2020

文京区シビックセンター4階 A会議室にて
5月28日(土)午前9時半スタート

Photo by © Amano  Yuko

Photo by © Amano Yuko

パリクラブ会⻑であり東京理科大学の教授でもある瀬藤澄彦氏による、土曜の朝から目が冴え渡ると定評のフランス経済の講義です。
今回は『フランス人のライフスタイル ~個人消費と金融資産から考える~』と銘打って、ご公演いただきます。

参加費は一般3500円、ドレカミ&パリクラブ会員3000円 学割は1500円です。
当⽇お支払いください。

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【レポート】イベント講演会『難民とシェンゲン協定』~統合欧州の将来へのインパクトとフランスの役割

【レポート】イベント講演会『難民とシェンゲン協定』~統合欧州の将来へのインパクトとフランスの役割

2015年の夏、シリアから大量の難民が流入しヨーロッパは混乱に陥りました。難民問題はEUを揺るがし続け、目下イギリスにおけるEU離脱を問う国民投票が、世界中の注目を集めています。
そうした状況下の5月27日、ルクセンブルグ国家防衛学会会長クリストフ・デアージュ氏をお招きし、『難民とシェンゲン協定』をテーマに講演会が行われました。
国境とは何か、シェンゲン協定の意義、そして難民問題に欧州そしてフランスはどう対応するべきかなど、非常に密度の濃い刺激的な講演会となりました。

欧州経済を支えるシェンゲン協定

シェンゲン協定は協定参加国間での国境検査を撤廃するもので、1985年にヨーロッパの5つの国から始まりました。5つの国とはベルギー、フランス、ルクセンブルク、オランダ、西ドイツで、当初はトラック輸送や税関申告などをスムーズにすることで、域内の経済を発展させることを構想していました。その試みが成功することでシェンゲン協定の参加国は次々に増え、現在ではEU参加国全体に拡がっていき、EU域内の労働力の自由移動に貢献してきたところです。

当初の5カ国や、その後に加わった国々が色分けされて示されている

当初の5カ国や、その後に加わった国々が色分けされて示されている

国境検査を撤廃し、域内の人やモノの移動を自由にするシェンゲン協定は、国境の意義を変えているともいえます。シェンゲン協定の加盟国圏内ではポルトガルの国境が一番古く、13世紀から変わっていません。スペインやフランスも長く国境が変わっていませんが、現代史の中で国境を変えて今に至っている国も多く、ドイツが一番新しく25年前に今の国境となりました。それぞれの国に国境の変遷の歴史があり、それはその国の人たちの国境についての考え方にも影響します。
フランスの国境は地図上では明瞭です。シェンゲン協定加盟国という観点では東はポーランド、南はギリシャがEUの境界線になっています。そしてシェンゲン圏内に入ることができれば自由に移動することができる。したがってシリア難民問題はシェンゲン協定の問題でもあり、ギリシャやイタリアに入った難民がシェンゲン圏全体へと自由に移動することが懸念されるようになったのです。

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【開催済】イベント講演会『難民とシェンゲン協定』~統合欧州の将来へのインパクトとフランスの役割?

記録的な難民の流入は多くの難問と課題を欧州に投げかけている。果たして労働力人口の増加につながり経済成長に寄与するのか。シェンゲン協定による労働力の自由移動が難民流入阻止によって保証されなくなれば欧州統合は後退するのか 難民の中東アフリカからの難民はいつまで続くのか。EUとトルコ、ギリシャとの難民取り扱い協定は功を奏するか。受入れ国ドイツ、難民流入国ギリシャやイタリア、逡巡するフランスや英国、反難民の中東欧、そのポジションの違いはどう収斂するのか。テロとの関係はどうか。このほどルクセンブルクのシンポジウムで講演したフランス人国際関係専門家のクリストフ・デアージュ氏に現場欧州の議論をご披露していただくことにした。

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