講演会「グローバル化と都市空間~パリの隣人祭り」

 【ご報告】

南谷氏のCD、ビデオなどを撮り交えた講演は参加者の期待に十分に応えるものであった。講演終了後には10人もの方から質問があったこともそのこと を物語っている。その後も、この講演会についてお褒めのメールを何通かいただいていることにも現れている。パリクラブからは関本前会長を筆頭に11名の参 加があった。

パリ17区の区役所に10年以上前にかかってきた一本の電話からすべてが始まったというこの隣人祭りは、今や世界34か国、120都市、1200万人にま で拡大した。2003年の今では有名になってしまった1万5千人の死者を出したあの悪魔のような酷暑以来、フランスでは家族の重要性の見直しとか近所の人 たちのとのつながりが実は大事なことであるという認識が急速に広がってきた。そのこととEU拡大にともなう中東欧等からの「移民」の増加も手伝って「物騒 な」世の中になってきたという状況も「連帯」ということの重要性を思わせることにつながっていった。最初はパリなどのマンションで騒がしいだけと言ってい た人も賛同するようになっていった。今や、単に隣人のみならず、ホームレスなどの面倒までみるようなったこのFete des Voisins祭りは第4段階の時に差し掛かっている。日本では仙台の奥山市長も賛同してこの隣人祭りが震災との関連で実施された。

フランスでの隣人祭の様子と仙台市での模様がフランスの国営TV2などのフィルムとして会場で放映されたのも参加者に非常に訴えったものがあった。南谷氏 が「隣人祭りは実は口実だ」とまで言ったとき、人と人とのきづなの重要性の本当の意味が改めて分かったのかもしれない。彼女の客観的な洞察に深い敬意を表 したい。

筆責 瀬藤澄彦

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【イベント概要】

パリ17区で13年前の1999年に始まった隣人祭り(Fête des voisins)。2003年の「欧州隣人デー」の結成を経て今や世界33か国で1200万までもの人々が参加するグローバルなイベントとして世界的な注 目を集めています。グロ-バル化の中でローカルなネットワークの重要性が浮き彫りにされ、人と人との共通領域インターフェイスの考え方がソーシャル・キャ ピタルとして関心を集めています。とりわけ、我が国では東日本大震災を契機に連帯としてのネットワークが見直されています。パリに本部を置くこの隣人祭り はこのような日本の現状に多くの教訓を与えるくれると思います。この運動が生まれたパリ17区にお住まいで日本担当の南谷氏に一時帰国の機会をとらえて、 この隣人祭りの沿革、現状、展望についてお話いただきます。

日時 2012年7月24日(火)
18:30~
場所 日仏会館501会議室
http://www.mfjtokyo.or.jp/ja/access.html
主催 パリクラブ(日仏経済交流協会)
共催 日仏会館 在日フランス商工会議所
講師 南谷桂子
講師の略歴 ワインと文化社 社長 パリ17区にお住まい。
在仏フリージャーナリスト
仏農林水産省・外務省後援『Les Trophées de l’Esprit Alimentaire』 (『食のエスプリ杯』) 委員
日本『隣人祭り』最高顧問
詳しくは下記URLをご覧ください。
http://www.vinetculture.com
言語 日本語、通訳なし
参加費 無料
終了後、簡単な懇親会を予定しています。
定員 40名
参加人数 35名
お申込み締切 2012年7月23日(月)12:00まで
お問い合わせ先 予約確認のメールが届かない場合や、イベントに関してご不明な点がございましたら、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
bonjour@parisclub.gr.jp