輝く会では第52回「ジュエリー業界の SDGS ラボダイヤの魅力とは?」を、在日フランス商工会議所とトーメイダイヤ株式会社共催にて開催いたしました。
2024年9月16日、青山一丁目駅から直結のスタイリッシュな雰囲気が溢れるステラワークス レストラン&Barにて、2部構成で行われ、1部はセミナー形式、2部の懇親会ではジュエリーをイメージしたフィンガーフードをお楽しみいただくのと同時に実際のラボダイヤのルースや、ラボダイヤを取り入れたジュエリーの展示を行い、ラボダイヤの魅力を耳で聞いて理解し、目で見て楽しみ、懇親会で共に味わう会となりました。
第1部はトーメイダイヤ株式会社による合成ダイヤ素材メーカー視点で「ラボダイヤの解説」を同社代表取締役社長 石塚ひろ美さん(輝く会委員)よりWEBではなかなか出てこない情報を中心に説明が行われました。
ラボダイヤを作る技術は、天然ダイヤ・工業ダイヤモンド・宝飾用ダイヤモンドの各歴史の説明からスタートしました。
宝飾用ダイヤモンド、いわゆる私たちが「ラボダイヤ」と呼ぶダイヤモンドは、半導体業界や自動車業界に深く関わりがある工業用ダイヤの製造法の派生技術・用途展開として生まれ、工業用ダイヤモンドの歴史は天然ダイヤモンドが持つロマンティックさに憧れた世界中の人の想いから幕開けたそうです。
その後、合成ダイヤモンドを製造する方法を同社 宝飾部営業の有山菜生さんから説明いただきました。この製造方法は2面押しによる高温高圧法(HTHP法)から始まり、数十年で片手を超える製造方法が生み出されました。その多種に済製造方法の中で、ラボダイヤに適している六法押しによる高温高圧法(HPHT)とCVD法の2種類。
この2種類の方法で製造されたラボダイヤの見分け方、また製造されたラボダイヤは物性値的には天然ダイヤモンドとほぼ変わりなく、クリスタルなどを含む類似石とは明らかな違いがあることを比較表と共にお話しいただきました。
次にラボダイヤに将来性を感じ自社初のジュエリーブランド「ENEY」を立ち上げることになった松屋銀座の島田成一郎さんよりご自身のラボダイヤとの出会いと自社ブランド立ち上げ秘話や展開などをお話いただきました。
既存のブランド力の強さがあってこそ成り立っていた百貨店のバイヤーを長年務めていた島田さんは2019年にトーメイダイヤのラボダイヤと遭遇。地球を傷つけない上に消費者が手に入れやすい合成ダイヤの存在を知って新しい時代の息吹を感じたそうです。折しもコロナ禍となり百貨店は数か月休業を強いられました。そんな状況に島田さんは危機感を感じつつもラボダイヤの自社ブランド立ち上げプランを考えている自分に気づいたそうです。
休業期間中に作成した企画書を営業再開後役員に説明。何度かのトライの後、熱意が社長に認められて彼の企画が成立しました。あらゆるエネルギーを循環させる(Energy, Vitality and Cycles)という願いを込めてENEYというブランドが立ち上がったそうです。
偶然の産物である天然石がスタンダードとされてきた時代から新たな時代へ。ダイヤモンドを0からラボで作ることが可能になれば自然環境を守ることにつながるのではないか、またラボダイヤの原石の磨き方を工夫することにより個性やカジュアルさを表現することにも成功しお客様の関心も高まったそうです。ENEYはさらにPARIS FASHION WEEK® が公式に認める唯一の合同展示会「TRANOÏ」の初の東京イベントにも出展され、誕生から3年を迎えた今、大きな反響をいただいているそうです。今後は欧州やアジアへの拡大も展望にいれているENEYへの思いをお話いただきました。
その後、第2部の懇親会の前に、ステラワークス レストラン&Barで、エグゼクティブシェフとしてご活躍中の入江誠シェフにご登壇いただきました。
入江シェフがフランスに修行に飛び立ったのは30年前。パリの駅やバス停での大きな広告に驚き、日本では料理雑誌でしか学べなかった本場のフランス料理をリアルタイムで目にした感動は忘れられないそうです。とりわけ修業先の「ルカ・キャルトン」ではオーダーの掛け合いなど厨房の活気に触れ、美食の国の凄さを肌で感じたそうです。
帰国後、ピエール・ガニェール・ア・東京などで料理長を務めた後、現在のステラワークス レストラン&Barではニューヨークのデザイナーによるスタイリッシュな内装にあったカジュアルよりワンランク上の特別な空間で地中海をコンセプトにしたお料理を提供しているそうです。100席を超える店内はダイニングの他、バー、テラス席や個室もあり、メニューはアラカルトも充実。お客様にはその時の気分で楽しんでいただいているそうです。
今回のイベントのためにご用意いただいたフィンガーフードはイエローサファイアやアメジスト、琥珀の結晶など・・・ジュエリーをイメージしたオシャレな5品。ビジュアル的にも美味しくいただきました。ワインを片手に40名の参加者の会話が弾んだ一日となりました。
(記録:石塚ひろ美、森由美子)