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【レポート】日仏経済フォーラム & 第29回輝く会 共催講演会「Gゼロ時代にマクロン率いるEUの復権はなるか」

2020年の国際政治経済を展望する

Conférence: « La renaissance européenne lancée par le président Macron, aboutira-t-elle à renforcer le regain de l’Union Européenne ? »

Le Monde en 2020 dans la perspective

講演者 羽場久美子 教授
国際政治学者。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科 教授。国際関係学博士。日本学術会議第1部会員(政治学委員会、国際委員会)。 グローバル国際関係研究所所長
対談討論者 瀬藤澄彦   司会 及川昌弘
2020年2月13日(木)
18:00 ~21:00

羽場久美子教授の講演は定員いっぱいの40人の参加者でその関心の高さを示した。多くの質問が出された。時間が足りないくらいであった。

「日本は欧州との連携で今世紀にリーダーシップをとることができる」(要旨)

ニューヨークの世界10大リスク予測で知られるユーラシア・グループ会長イアン・ブレマーは2019年を地政学的環境がここ数10年間で最も危険と予測していた。「Gゼロ時代」と呼ばれる多極化世界において、①「新生欧州」を掲げるマクロン外交によるEUの復権、②自国ファーストのトランプの再選の可能性、③米欧関係修復による大西洋同盟の再建、④新たな冷戦到来とも言われるロシアとの関係、など 果たして2020年はどう動くのか。日本におけるグローバル国際関係研究の第一人者である羽場久美子教授に激動する2020年欧州と世界はどうなるかを語って頂だいた。

G0時代にEUは困難があるが、新たな価値を見出すことができる。2050~60年にかけて理念的に世界の真のリーダシップを発揮するのはEUと日本であろう。現在はパワーの転換であるが、A.トフラーによれば19世紀の軍事力、20世紀の経済力に次いで21世紀はIT等の科学技術の知力の時代である。中間層の没落や戦争に「向かって」いるような風景は第1次世界大戦前夜に酷似している。また排外的な市民意識は理念でなく感情で物事を選択しようとする「ポスト・トルース」の時代である。これまでの2大政党は低迷して、貧困とテロから移民排斥となり右翼の進出となったが、イタリア、オランダ、オーストリアでも政権党からは追い出すことができた。エリートと中産階級の危機はSNSによる民主主義の発展がある。中国とインドの競争は21世紀後半どうなるか。中国は経済、ハイテクで米国と競い合っても医療や公共衛生で後れを取っている。欧州では「福祉ファシズム」とも呼ぶべき考えが成長し、右派が左派を取り込んでいる。ブレグジットも黄色いべスト運動も既成政党への不満である。Gゼロ時代に排除でなく包摂、そしてアジアとの一層の地域統合や協調関係によって日本は欧州との連携で今世紀にリーダーシップをとることができる。(瀬藤・文責)

【開催済】日仏経済フォーラム & 第29回輝く会 共催講演会 「Gゼロ時代にマクロン率いるEUの復権はなるか」ー2020年の国際政治経済を展望するー

Conférence : La renaissance européenne lancée par le président Macron, aboutira-t-elle à renforcer le regain de l’Union Européenne ? –

ニューヨークの世界10大リスク予測で知られるユーラシア・グループ会長イアン・ブレマーは2019年を地政学的環境がここ数10年間で最も危険と予測していた。「Gゼロ時代」と呼ばれる多極化世界において、
①「新生欧州」を掲げるマクロン外交によるEUの復権、
②自国ファーストのトランプの再選の可能性、
③米欧関係修復による大西洋同盟の再建、
④新たな冷戦到来とも言われるロシアとの関係、など 
果たして2020年はどう動くのか。日本におけるグローバル国際関係研究の第一人者である羽場久美子教授に激動する2020年はどうなるかを語って頂きます。

講演:羽場久美子 青山学院大学教授 京都大学客員教授 グローバル国際関係研究所所長

コメンテーター:瀬藤澄彦 パリクラブ参与
司会:及川昌彦 パリクラブ理事

日時:2020年2月5日(水) 18:00 ~21:00

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