日仏経済交流会(パリクラブ)主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ)共催
| 日時 | 2005年10月19日(水)18時30分~ |
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| パネリスト | 増渕文規氏 (司会兼 パリクラブ常任理事 三菱商事(株)理事・監査役室長) フィリップ・オルシニ氏 (日本大学大学院アソシエートプロフェッサー) フィリップ・ドネ氏 (アクサ・ジャパン・ホールディング(株)・アクサ生命保険(株)代表取締役社長) |
経済・社会のグローバリゼーションが進む中、フランスに代表される大陸欧州型の社会民主主義的モデルはどう評価されるのかということに、長年強い関心を持ち つづけてきました。米国人に揶揄されるところの「古い欧州」のモデルとして、歴史上の使命を終えつつあるのか、或いは米国型グローバリゼーションに対抗しうる人間系の優しいモデルとして、我々日本人も参考にすべきモデルなのかということです。
欧州では2010年をターゲットに雇用や社会政策を重視した欧州型の経済成長を持続し、世界で最も競争力のある知識経済を実現することをめざしたリ スボン・アジェンダが2000年3月に採択されました。それ以降各国で社会経済モデルの議論が活発に行われています。フランスでは本年5月の欧州憲法批准 を巡っての国民投票の「NON」以降、現政権はフランス・モデルの優越性を喧伝しています。国民のグローバリゼーションに対する反感を考慮してのことでしょう。
10月19日のフォーラムでは、増渕と、日本大学大学院のOrsini助教授、AXA JAPAN HOLDINGのDonnet社長の3人がパネリストとなり、それぞれパワーポイントを使いながら、20分前後のプレゼンテーションを行いました(同時通 訳つき)。その後20分ほど会場と質疑応答が行われました。参加者は総勢48名でした。
増渕は日本人から見たフランス・モデルを図示し、特に国家介入の強さや保護主義、労働市場の硬直性、エリーティズムといったネガティブ・イメージを 指摘しつつも、労働者に優しいことや平等重視・ゆとり重視の姿勢など日本として参考にすべき点は多い旨、どちらかといえばフランス・モデル応援演説を行いました。
Orsini助教授はアングロサクソン・モデル及び北欧モデルとの比較を行い、高福祉・高負担ながら労働市場は柔軟で、失業率も低い北欧モデルの利点を強調されました。北欧モデルになじみが薄い日本人参加者には非常に新鮮な話だったと思います。
Donnet氏はフランス・モデルの「官」の部分は機能不全だが、私企業はグローバル化の波の中で、世界でも高い競争力を発揮している旨説明があり ました。企業負担の重さや労働市場の硬直性など旧来型のフランス・モデルに対しては批判的でした。逆に日本モデルも良いところが多いとのお褒めの言葉を頂 きました。
会場からは、自身の経験を踏まえたコメントや質問等が出て、活発な質疑応答が行われました。
3パネリストの論点・視点がそれぞれ異なるだけに、もっと色々な質問やコメントが出てくる気配でしたが、残念ながら時間の関係で打ち切らざるを得ま せんでした。会場の皆様にも申し訳なく、この点は心残りであり、反省点でもあります。私からは、たとえばOrsiniさんには、北欧型 Flexicurity(労働市場はFlexibleで、Social Securityは厚い)は何故可能なのか、もう少し突っ込んでお聞きしたかったですし、Donnetさんには、硬直的な労働市場と高い企業負担のなか で、仏企業が高い国際競争力を保ち得ている秘訣をお伺いしたかったと思います。
フランス・モデルについては、フランス社会のなかでも特に実業界からは批判の声も多いようですが、世界中が強者の論理のアングロサクソン・モデル一 辺倒というのは、やはり寂しいですね。フランスびいきの私、増渕としては、時代遅れの部分を修正しながら21世紀型のフランス・モデルを目指して欲しいと 思っています。
2005年10月31日
パリクラブ常任理事 増渕 文規

去る7月6日、パリクラブの初代会長でこのほどパリ日本文化会館館長の任を終わって帰国された磯村尚徳氏の帰国歓迎会「お帰りなさい磯村さん」(CCIFJ と共催)がメルシャンサロンで開催され、同氏を懐かしむ大勢の出席者でにぎわいました。最終的に来場者は135人を越え、会場は活気に満ちあふれました。 その中には名誉会員の稲村光一氏、鈴木忠雄氏、豊島格氏、ヴァイオリニストの千住まり子氏、ファッション・音楽界で著名な永滝達治氏のお顔もありました。
お話の概要は以下のとおりです.
フランスワインと言えば、ボルドー、ブルゴーニュを思い浮かべることでしょう。ところがフランスワインとして最も歴史が古いのは、プロヴァンスであることを ご存じでしょうか。しかもお値段が手頃であることも、魅力の一つです。それではお味の方はどうでしょうか。それを知る絶好の機会が訪れたのです。
次に今夕の真打ちとも言うべき、赤ワインの試飲会が始まりました。参加者は怒濤のごとく赤ワインテーブルに押し寄せました。俄かギャルソンの苦戦を見かね、畔柳、小野里両理事も助っ人となり、どうやら無事に試飲会を終えることが出来ました。
デバでの教授の論点は、日本経済は90年代からの長期不振を脱し、その構造が変化し、その結果は03-04年の回復に現れ、再生(renaissance) の途上にあるというものです。1960年代以来の日本型発展モデルの有効性が90年代以降問われており、日本は今後どのようなシナリオのもとで発展してい くかを明らかにする時期にきていると論じています。その際に採用すべきシナリオは、スイス型幸福(自国のみの繁栄をめざす)ではなく、社会を冷静に変革 (revolution)していくシナリオであるべきであり、既にそうした動きがすすんでいると教授は述べます。日本企業はリストラの一方でイノベーショ ン投資を進め、海外投資を受け入れ、中国への生産拠点の移転なども行っている。金融機関の不良債権処理や再編も進み、政府は円高を抑え、金融や貿易投資の 面でアジア地域との連携を深めているなど、日本経済の変革を可能にする条件は備わってきている。そのなかで日本でも資本市場の役割が増し、雇用形態が変化 してきているが、日本がめざす経済社会はアメリカとは異なった形であろうと教授はいいます。そして、教授は興味深い主張をしています。すなわち、日本は鎖 国を含む長い歴史のなかで、「集団の文化」「調和の重視」「プラグマティズム」といった特性を培ってきたので、静かに深いところで、時間をかけて変革をす すめていくことができるのだと。
2005年4月11日、京橋のメルシャンサロンを会場に開催されたパリクラブのデバ・スペシャル「日本経成長への選択肢 – フレンチ・パラドックス?」に57名が参加した。発表者に、富士投信投資顧問 常任監査役、元富士銀行パリ支店長、元JETRO パリ/DREE(仏経済財政産業省)シニア・アドバイザーの沢田義博氏をお招きした。沢田氏の発表に引き続き、特別参加者の在日フランス商工会議所会頭ユ ベール ド・メスティエ氏にコメントをいただいた後、質疑応答を行った。
しかし、それだけだろうか?そこで日仏の経済指標などを比較すると、対内直接投資及び外国人観光客数についての大きな差に気がつく。