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【日仏交流150周年記念行事】 テーマ「フランス関連ビジネスの変化とフランス語の使用」

日仏経済交流協会(パリクラブ)主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ)共催

日仏交流150周年 QRコードパリクラブでは設立15年かつ日仏修好航海条約締結150年の機会を捉え、日本企業のフランス関連ビジネスの現状と変化、フランス語の使用状況を把握し、今 後の日仏関連ビジネスの発展、フランス語の普及そして日仏経済関係の発展を考えるための調査プロジェクトを実施しました。昨年11月以来、70人を超える パリクラブ会員やその他の方々にアンケートを実施し、フランスの経済人からもヒアリングも行ってきましたが、今般、調査結果のポイントを報告し、意見交換 をする会合を開催いたしました。

グローバル化の時代において、両国の企業や機関はフランスや日本だけでなくより広くアジアなど第三国でどのようにビジネスや業務を発展させるか、日 仏経済関係をどのように発展させるべきか、また英語が広く使用されるなかでフランス語をどのように普及するべきか。特にこれからビジネスや業務を担ってい く若い層が日仏関係への関心を高め、フランス語の能力を高めるにはどんなことをしたらよいかが、議論の中心となりました。

報告者の久米五郎太氏は2度にわたる日本輸出入銀行のパリ駐在員としてフランスを中心にEU・アフリカでの日本の輸出入・投資ビジネスを支援し、そ の後丸紅ではグローバルにインフラ・エネルギー事業に係わり、現在は国際的なエンジニアリング会社におり、海外投資などについて多数の論文を発表していま す。コメンテイターの綿貫健治氏は、ソニー・フランス副社長・横浜国立大学准教授などを歴任、ビジネスと教育の世界での経験が深く、現在は城西大学で国際 学術文化振興に携わり、昨年12月には「ソフト・パワー・コミュニケーションーフランスから見た新しい日本」の本を出しています。ベルナール・デルマス氏 はミシュラン・フランス本社に入り、日本には通算13年滞在、昨年秋にはパリからふたたび日本に戻り、二度目の日本ミシュランタイヤの社長を務め、グロー バルに競争し、協力するタイヤ業界で日本やアジアそして世界を対象とするビジネスに携わっています。

なお、この催しはパリクラブがおこなっている「日仏経済関係150年―回顧と展望」と題する一連の行事の第1弾にあたり、今後の議論を深めるための材料を提供することも目的とされました。調査実施にあたっては笹川日仏財団より助成金を受けました。
報告会やそれに続く懇談会におきまして活発にご意見を交換して頂きました。

日時 2008年2月21日(木)19:00~22:00
プログラム

■報告会:19:00~20:30 於:日仏会館ホール
<報告者>
久米五郎太氏(パリクラブ会長代行、調査チーム代表。日揮株式会社常勤監査役)
<コメンテイター>
綿貫健治氏(パリクラブ理事、調査チーム・メンバー。城西国際大学教授・城西大学国際学術文化振興センター副所長)
ベルナール・デルマス氏(日本ミシュランタイヤ株式会社代表取締役社長)
■懇談会:20:30~22:00(ビュッフェ) 於:レストラン・レスパース 日仏会館隣

言語 報告は日本語、コメント議論は日本語・フランス語(日仏同時通訳付)
 

■ご報告

経済交流会(通称パリクラブ)では、設立15周年の機会に、「日仏経済関係150年ー回顧と展望」プロジェクトの第1弾として、「フランス関連のビジネスの変化とフランス語の使用」を取り上げました。
07年11月から08年1月にかけてアンケートを実施、その後補足ヒアリング、08年2月21日に報告会・意見交換会を実施、それらの結果を下記pdf書類にまとめました。
「フランス関連ビジネスの変化とフランス語の使用」プロジェクト:報告書要約/2008.3【PDF】
「フランス関連ビジネスの変化とフランス語の使用」調査プロジェクトに参加して【PDF】

講演会「日本アニメの今 - 世界が注目する精鋭クリエイティブ集団 STUDIO4℃ -」

日仏経済交流協会(パリクラブ)主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ)共催

日本アニメは、1970年代から80年代にかけて廉価なテレビアニメがフランスへ大量に輸出され一大ブームを起す一方、必ずしも良質な映像作品とし ては捉えられていませんでした。しかし、スタジオジブリの宮崎駿作品に代表されるように、現在の日本アニメはそのクオリティの高さが多くの人に認められ、 独自の世界観を持った、子供のみならず大人の鑑賞にも堪えうる映画として、国際的な賞を数多く受賞し、世界でもその存在感を示しています。

日本アニメの魅力はどこにあるのか。アニメ映画のみならず、宇多田ヒカルなどのミュージッククリップやゲームムービーなど、次々と創造性の高い、 エッジのきいた映像作品を生み出しているSTUDIO4℃の田中栄子社長を招き、同社のアニメ作品がどのように作られるのか、その企画から完成までをご紹 介いただくとともに、日本アニメが海外展開をする際の課題、フランスとのコラボレーションへの期待について語っていただきました。

【田中栄子氏プロフィール】
スタジオジブリで『となりのトトロ』『魔女の宅急便』のラインプロデューサーを務めた後、森本晃司らと共にSTUDIO4℃を設立。以来、常に先鋭的なビ ジュアル表現に挑み続ける。主なアニメ作品として、『MEMORIES』(1995)、『マインド・ゲーム』(2004)、『鉄コン筋クリート』 (2006) などを手がける。

日時 2008年1月28日(月)
講演会 18:30~20:00 日本財団ビル2階会議室
港区赤坂1-2-2 tel. 03 6229 5538
銀座線虎ノ門3番出口から外堀通りを徒歩5分
ビュッフェ 20:15~22:00 ル・プティ・トノー虎ノ門
港区虎ノ門2-1-1 商船三井ビル1階 tel. 03 5545 4640
同じく徒歩3分
講師 田中栄子氏(STUDIO4℃代表取締役社長)
進行 伊藤朋子(パリクラブ理事、笹川日仏財団日本側事業責任者)
使用言語 講演会は日本語(日仏同時通訳付)

ランデヴー・フランコ・ジャポネのご案内 「バジョン経済公使の réception de départ」

日仏経済交流協会(パリクラブ)主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ)共催

バジョン経済公使は1985年に日本での1回目の駐在を始め、今回2007年に2度目4年間の滞在を終えられました。その間に台湾・中国・シンガ ポールにも勤務されました。これまでにもパリクラブの行事でコメンテーターにもなっていただきましたが、今回は22年間にわたりアジア、特に中国や日本の 経済を観察し、フランスとの経済関係に従事してこられたご印象や今後のアジアとフランスとの関係を率直にお話し願うことにしました。
フェアウェルを兼ねた会合となりました。

日時 2007年12月10日(月)18時30~20時30分
プログラム 18:30-19:30 講演
「アジアの経済発展・中国・日本についての印象 - 1985年から2007年まで5回にわたるアジア駐在を振り返って」
19:30-20:30 ビュッフェ
スピーカー ジャン・イブ・バジョン経済公使(フランス大使館経済部長)
場所 メルシャンサロン
中央区京橋1-5-8 メルシャン本社1階 明治屋並び
Tel:03-3231-5600
最寄り駅 東京メトロ銀座線京橋駅またはJR東京駅
使用言語 フランス語
 

■ご報告

  1. 忘年会の季節にもかかわらず、約60名が参加。主催のパリクラブ側だけでなく、在日フランス商工会議所からも会頭他が参加し、日仏が半々 の参加の催し物となった。バジョン公使による30分ほどの話しの後、20分ほど活発な質疑応答があり、その後レセプションで4年2度目の日本滞在を終える バジョン氏の歓送を行い、ワインを傾け、和気藹藹と歓談するうちに時間となった。
  2. バジョン氏の話は「アジアの開発から何を学ぶか」とのタイトルで、日本に2回、台湾・中国・シンガポールに各1回、合計15年間滞在し、観察したアジアの経済の発展の歩みと今後の見通しについて、個人の立場で率直な意見の披瀝がなされた。話しの要点は以下のとおりである。

    始めに日本・中国・シンガポールなどの3地域について、簡潔な観察が述べられた。日本では経済が回復してきたが、基本的に開放は進まず、島国のため移民や 外資の買収に警戒的で、政治も分かりづらく日本の魅力がそがれている。これまでのアジアでの日本の優位性が中国に挑戦されており、日本は消費市場の大きさ から中国を機会として捉える一方、リスクがあるために中国向け投資は節度をもって行っている。将来の日本は、政府債務と高齢化の負担が増大していく。
    中国は日本とは異なった経済モデルで、直接投資受入れで世界の工場になり、更にそれを超え、過去のポジションを取り戻そうとしている。今後も20年間は雇 用を確保していくために成長を続ける必要がある。中国の文化と価値観は20世紀の波乱に富んだ歴史のなかで培われ、金銭を重視するところは日本とは異な る。外部からの圧力には抵抗するので最近の元切り上げへの米EUの働きかけも効果が少なく、外圧に弱い日本とここでも異なる。
    台湾やシンガポールなどは中国と日本の関係の中で機会を捉える若い国である。
    こうしたアジアの国々は開発(日本が先頭)、自由貿易協定(中国が道を示す)、資源獲得、金融市場の場で競争している。米ドルとの関係が競争力に影響があ るので重要であり、輸出先でかつ地政学的な紛争解決力のある米国に依存し、その影響がきわめて大きく、欧州やフランスへの認識は通貨としてのユーロを除い ては低い。地域統合については、日中、シンガポール・マレイシア間などに歴史的な不信感が残っており、それを解決せんとする政治的な意思は弱い。経済面で は金融協力を行おうとしているが、経済政策面での協調・収斂は進んでいない。
    アジアの将来についてはグローバルに輸出をする経済モデルが続くだろうが、米国への依存を減らしたアジア中心が必要になる。環境への悪影響、資源の稀少化 というリスクのなかで、アジアは持続的な成長を可能にする産業革命が必要であり、ここに欧州にとって協力の可能性がある。
  3. Q&Aのセッションでは、東南アジアの華僑、アフリカでの中国の急速な進出、日本企業とのアライアンスが、話題になった。最後の 点については、ルノー・AXA・VALEOが日本に進出した10年間(1992-2002)は窓が開いていて投資が容易であったが、最近ではむしろ韓国の ほうが機会は多いのではないかとの回答であった。
  4. 最後に司会者として、バランスがよく、歴史と地理の両面で実にスマートにTOUR D’HORIZONをしてくれたことに感謝をするとともに、下記の3点が問われているのであろうとの締めくくりを行った。
    1. 日本が将来の成長を確保するためには外資への期待があり、フランス企業にとっての投資機会はあるのではないか
    2. アジアはDECOUPLINGし、米国経済の影響力は弱まっているという見方が出ているのではないか
    3. 中国などが環境に優しい成長・工業化を進められるのか
  5. バジョン公使は15年間に5回もアジアに滞在し、中国語だけでなく日本語も話す、アジア通の外交官で、フランスのシビル・サービスならで はの存在であったとの感を強くした。パリクラブとしてはこの4年間、フランス大使館経済部長として催し物などで協力を頂いた。ブッフエではパリクラブ会長 より改めて感謝の辞が述べられた。今後の一層の活躍を祈り、そしてできうれば日本やアジアに引き続き係わられることを望みたい。

(報告者 パリクラブ会長代行 久米五郎太)

講演会「日仏自動車産業の課題」

日仏経済交流協会(パリクラブ)主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ)共催

現在世界中の自動車産業界は大きなチャレンジに直面しています。すなわち地球環境問題という大きな課題です。20世紀の文明は人類が移動の自由を得 ることによって大きく発展しました。しかしその代償は、21世紀の今日エネルギー資源の供給制約の顕在化と地球温暖化というかつてない課題に直面している ことです。

移動手段として最も普及し最もエネルギーを消費している自動車を製造販売する自動車産業はそれぞれどのようにこの課題に取り組んでいるか、また国際 協力はこのためにどのような形で推進されているか、日仏関係ではどうなっているか、などプジョージャポンのポワラ社長にお話いただきました。10月の東京 国際モーターショー等で日本国内でもこれらについて社会的な関心が盛り上がるものと思われる状況の中、開催されました。

日時 2007年11月14日(水)18時30~20時30分
スピーカー ティエリー・ポワラ氏
プジョージャポン株式会社代表取締役社長
司会役 姉崎直己氏
日仏経済交流会理事、日本自動車輸入組合副理事長
コメンテーター 錫村寛海氏
(独)中小企業基盤整備機構 国際統括室 経営支援専門員
場所 メルシャンサロン
中央区京橋1-5-8メルシャン本社1階 明治屋並び
Tel:03-3231-5600
最寄り駅 東京メトロ銀座線京橋駅またはJR東京駅
使用言語 フランス語

■ご報告

Mr.Poirat 講演要旨「グローバル化した世界での自動車産業の生き残る為に」

  1. 世界の自動車市場規模 68,2百万台、2000-2006年にかけては年間3%の伸びを記録した。欧米、日本以外いわゆる新興国では年率15%の成長を記録している。その結果新興諸国の総市場は今日では年間1700万台と欧州市場に相当する規模に成長した。
  2. 一方生産は6,980万台を記録している。生産と販売の関係は地域別に違う。例えば欧州市場では生産1600万台に対し販売は1700万台であり、差は日本、韓国などからの輸入となっている。因みに日本では生産と販売の差が550万台あり、これらが輸出されている。
  3. 人件費を見てみる。USAを100とするとEU15カ国は143、フランスは157、日本は94。これに比べチェコは33、中国は5となっている。こうした背景もありBRICsでの生産は急増している。
  4. 製品としての自動車の進化の実態はどうか?世界の大きな問題が環境問題である。CO2の全体の排出量に対する輸送部門の排出は25%である。自動車技術もますます環境を意識した開発が行われている。
  5. 輸送部門でCO2を削減するには以下のようなことが挙げられる。代替燃料などである。
    1. 電気化
    2. 車両全体効率の向上
    3. パワートレイン(駆動)効率の向上
    4. 公共輸送の活用
  6. 1リットルのガソリンはどのように使われているか?車に注入されるガソリンを100とすると、実際に車を動かすために使われているのは 15%に過ぎない。もっと車を改善する余地がある。自動車の性能を上げてCO2削減するためには、新素材の発見使用、ガソリン、ディーゼル、エタノール、 バイオディーゼル使用の新型エンジンの開発、その他、トランスミッション、タイヤ、Stop & G0, GPS、ドライバーの性格。既にある技術をより活用する。
  7. 一方車に対するユーザー側からの期待は多様性に富んでいる。欧州では排気量の低い車に需要は移りつつある。またセダンタイプの乗用車から、スペースを重要視するワンボックスタイプやSUVタイプの需要増が見込まれる。発展途上国には低価格車が続々導入されようとしている。

結論:こうした複雑且つ困難な自動車を取り巻く環境でこの産業が発展するためには以下のようなこためには以下のようなことを考えて行かねばならない。

  • 車両価格の安定と熾烈な競争
    • 開発コストのシェア
    • プラットフォームの数を制限する。
    • 市場接近型で柔軟性あるが、非常に生産性高い工場をもつこと
    • 品質の追求
  • 環境保全と持続的成長の為に
    • 整合性あり且つ野心的な世界レベルと地域での戦略を打ち出す。
    • R&Dへの継続的投資。
    • 従業員と株主への適切な還元
    • 企業発展のための営業利益の確保
  • こうした新しい局面での自動車産業への税制の配慮。

この後、Peugeotの環境を配慮しつつ性能向上した製品群の紹介があった。

 

コメント:錫村寛海(トヨタ自動車OB)

今日の世界的課題は環境問題を考慮した持続的発展を如何に成し遂げてゆくかであろう。Piorat氏のプレゼンにあるようにCO2排出については自 動車の責任は大きい。各メーカーは限られた経営資源の中で技術革新を推進している。技術開発分野ではメーカー間の協力を推進すべきだと思う。(販売分野は 不可) かつてPSAの会長であったカルベさんもその趣旨のことを言われていた。

排気ガス規制に関してEUが近い将来新たに自動車産業にとって規制を実行するであろう。 グローバル化した世界ではEU、USA、日本などの間で整 合性のある政策をとってゆく必要がある。OICA(世界自動車工業会)など業界団体が果たす役割が意義あるのではないか? 国連などの国際機関での政策協 議も必要になろう。

一方でユーザーの皆さんの車に対する好みはプレゼンの中にもあるように多様性に富んでいる。Eco Carと言うだけで 性能が良くなければお客様は買ってくれない。どの辺りが車メーカーの苦悩するところである。

OICAの統計では世界の自動車産業の Turn Over 合計は1兆9000億ユーロで世界6番目の経済大国に匹敵する。また世界全体直接雇用数は800万人で間接雇用はその5倍と見られ、自動車産業全体では5000万人の雇用を抱えている。

この産業が生存して行く為には環境問題と車に関するユーザーの皆さんのご理解が不可欠。

講演会「東アジア共同体の成立に向かって中・印シナジー(Chindia)の期待をさぐる・・・フランスの視点・・・」

日仏経済交流会(パリクラブ)若手グループ 主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ)&笹川日仏財団 共催

講演会を催した趣旨:1997年のアジア通貨危機から10年。東アジアは、中国とインドのダイナミズムを取込みつつ地域全体の持続的成長を目指した 協力を深め、共同体のアイデンティティをよどみなく醸成しつつあるかに見えます。では、10年前に現実化したカントリーリスクの諸要因は克服されたので しょうか? ASEAN+3の枠組みに好むと好まざるとに関わりなく影響を及ぼしつつあるインド。その隣国に位置する中国。環境や市況の問題もふまえて、どれほど近い 将来に、この2大国間に摩擦を抑えた協調シナジーを期待できるのか。この度来日のアポテケール氏からその見方を聴いて一緒に議論してみませんか…という趣 旨で開催されました。

日時 2007年10月25日(木)
プログラム 18時30分~20時:日本財団ビル2階第1・2会議室でパネル
(港区赤坂1-2-2 tel. 03 6229 5538 銀座線虎ノ門3番出口から外堀通りを徒歩5分)
20時30分~22時:ル・プティ・トノー虎ノ門でビュッフェ
(港区虎ノ門2-1-1 商船三井ビル1階 tel. 03 5545 4640 同じく徒歩3分)
講師 ティエリー・アポテケール(Thiery Apoteker)氏
インドスエズ銀行の調査部長チーフエコノミストを経て、1990年、カントリーリスク、貿易、海外投資、国際金融を専門とするコンサルタント会社TACを設立し、その代表。HECやレンヌ大学に出講
進行 ユベール・ドメスチエ・デュ・ブール(Hubert de Mestier du Bourg)氏
前TOTAL-FINA-ELF極東代表、前在日フランス商工会議所会頭、明治学院大学・中央大学特任教授
使用言語 講演はフランス語で行われました。質問は仏、英、日で可能。
日→仏につき砂金(いさご)政良会員がお手伝い致しました。
 

■ご報告

講演は、1時間半を超えてフランス語で行われました。参加者は合計34名あり、フランス人参加者の割合が高い会でした。主な内容を簡単に紹介すると次のとおりです。
公演会開催時に使用されたスライド(pdf形式)

  • 中国は、人口でインドを上回り、一人あたりGDPでもインドを大きく引き離しており、消費財ではおおよそ倍の市場規模がある。当面はこう した状況に大きな変化はないものの、中国は豊かになるより前に非常に急速に高齢化しつつあり、ゆくゆくは、インドの人口は中国を上回る見通しにある。
  • 両国の注目度合いの割には、一人あたりGDPの伸びは先進国と大差なく、3倍程度の水準の差は今後も埋まらないだろう。
  • 政治体制を考えると意外だが、中国ではすでにインドよりも不平等が拡大し、世界一の不平等国となっており、人口の2割が国富の半分を所有し、たとえば、都市と農村、工業と農業などの間で大きな格差が広がっている。
  • 世界の大企業2000社のうち、中国企業は30社、インド企業は15社である(ちなみに、フランス企業は50社)。平均総売上高は、両国 企業ともおおよそ50億ドル(ちなみに、フランスは180億ドル)。総資産利益率(ROA)では6~8%とどちらも高めだが、総資産売上率でみると、中国 企業30社の平均はインドの2倍の資産を必要としており、資産効率が悪い(インド企業の平均はフランス企業並み)。
  • TACの調査によれば、たとえば、中国は、高い成長率にもかかわらずインドに比べて対外バランスをより上手にコントロールしているほか、両国の銀行制度とも脆弱であるが、中国の銀行の方がはるかに信用リスクの度合いが高いなど、両国の成長とリスクの形態は大きく異なる。
  • TACの経済格付指数は、現時点で両国とも良好であるが、世界銀行の調査や中国の政情が安定していることを勘定に入れても、中国の政治的リスクははるかに高い。
  • 過剰な借入、過剰投資、不平等の拡大、環境問題、貧弱なコーポレートガバナンスや脆弱な法の支配など、外国企業にとって中国はリスクが高 い国である。北京オリンピック前で過熱した景気は減速し、過剰設備と負債返済の必要から収益性の点でリスクが高い。とくに海外からの投資が蒙る被害が大き いだろう。
  • インドは多数の障壁が存在する規制大国であり、インフラの欠如のためにビジネスで苦労させられることが多いものの、ルールが明確で、長期的に見ればリスクがより小さいといえる。主な問題は、やはり環境問題と、人口の半分が非識字者であるという大きな社会的不平等である。 
  • この両国の関係が相補的か競合的かの点についてだが、すでに、狭い分野(ソフト開発では中国が追い上げ、製造業ではインドが追い上げてい る)では競合している。過去しばらく大きな変化はなかったものの、足許の5年ではほぼ4つの分野で両者の取引が拡大している。なかでも、すでにインドの貿 易赤字が目立っている。
  • 両国間の激しい競争(たとえば、資源など)や衝突(たとえば、チベット、ネパールや、最近ではミャンマーなどの地政学上の問題、インド洋やマラッカ海峡の覇権など)が多くの分野で目立ってきている。 
  • この地域における中国の覇権の高まりが気懸かりであるという点では、中・印シナジー(Chindia)が形をあらわしつつあるというよりも、2つの強力なライバルと言った方がよいだろう。

第5回地方日仏協会との交流2007 ~長野日仏協会との交歓~見学旅行

財団法人日仏会館、日仏経済交流会(パリクラブ)、在日フランス商工会議所 共催

長野日仏協会との交歓/見学旅行が開催されました。

日時 2007年10月13日(土) 現地集合・現地解散
集合場所 11時10分 JR中央本線 茅野駅改札出口
(接続:特急あずさ7号/新宿8:30~茅野10:58)
解散場所 16時15分頃 JR中央本線 茅野駅改札入口
(接続:特急スーパーあずさ28号/茅野16:31~新宿18:34)
訪問先 (現地では貸切バスで移動)
11:15~12:00 蓼科高原ドライブ
12:15~13:45 長野日仏協会との交流会
13:45~14:45 マリー・ローランサン美術館
15:15~16:00 諏訪大社
交流会の会場 アートランドホテル蓼科
長野県茅野市蓼科高原4035
Tel:0266-67-2626