イベントカレンダー

講演会「マルセル・メリューからリヨン・バイオポール(クラスター)に至るワクチン、生物学診断の世界的リーダーの出現」

日仏経済交流協会(パリクラブ)主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ)共催

生理学者クロード・ベルナールの故郷であり、ブルジュラが設立した世界初の獣医学校に代表される医学文化が根強い街リヨンに、1897年、ルイ・パ スツールの弟子であるマルセル・メリューは、ツベルクリンや破傷風予防の血清剤を作る研究所を創設、大胆にも自分の名前をとってメリュー研究所と名づけま した。

1世紀以上の月日が経った現在、メリュー研究所を引き継いだ3つの企業(生物診断分野におけるビオメリュー、動物用ワクチン及び医薬品分野における メリアル、ヒト用ワクチン分野におけるサノフィ・パスツール)は、各分野において世界的リーダーとしての地位を築いています。 この三つの会社は感染症の世界的競合クラスターであるリヨンバイオポールにおいて、互いに協力しあっています。

講演会では、メリアルジャパン株式会社代表取締役社長で在日フランス商工会議所会頭のミシェル・ラショセ氏が、サノフィ・アベンティスグループワク チン事業部門であるサノフィ・パスツールのブルーノ・カミュゼ氏と日本ビオメリュー株式会社ブルーノ・ボンバルド氏を交えてリヨンで生まれた生物学の飛躍 の歴史を紐解き、グローバリゼーションと地球温暖化の影響により新たなる感染症の脅威が増大する中、この3社が世界市場および日本市場でどのように活動し ているか分析を行いました。

日時 2008年5月20日(火)
プログラム 18時30分~20時30分 講演会
20時30分~21時30分 ビュッフエ
スピーカー ミシェル・ラショセ氏 メリアルジャパン株式会社代表取締役社長
ブルーノ・カミュゼ氏 サノフィ・パスツール株式会社
ブルーノ・ボンバルド氏 日本ビオメリュー株式会社
場所 メルシャンサロン
中央区京橋1-5-8メルシャン本社1階 明治屋並び
Tel:03-3231-5600
最寄り駅 東京メトロ銀座線京橋駅またはJR東京駅
使用言語 仏語

※本講演会の報告記事が、在日フランス商工会議所(CCIFJ)の月間ニュースレター La Lettre Mensuelleに掲載されましたので、皆さまどうぞご一読ください。
http://www.lalettremensuelle.fr/article.php3?id_article=2551&lang=ja

第15回定時総会とフランス関連ビジネスアンケート結果第2回発表会 (#51 Rendez-vous Franco-japonais)

日仏経済交流協会(パリクラブ)主催

4月23日(水)18時から日本財団ビル2階会議室で下記要領により、会則第13条に基づく第15回定時会員総会を開催致しました。

総会終了後同じ場所で、名誉会員やCCIFJ会員にも入っていただくフランス関連ビジネスアンケート結果第2回発表会(19時頃から)、続いてビュッフェ (19時45分頃から)を開催致しました。

今回発表するのは、2月21日、日仏会館での報告会で割愛した「今後の記録に残すべきこと」、「フランスに係わって知った醍醐味」、「この機会にす るべきこと」についての自由回答結果でした。 和やかに有益な議論が進み、ビュッフェは日本財団ビルを管理する東京BMCの提供で当会としては初めてでした。

日時 2008年4月23日(水)18:00~
プログラム 18:00~18:45:総会
19時頃から:フランス関連ビジネスアンケート結果第2回発表会
19時45分頃から:ビュッフエ
場所 日本財団ビル2階会議室 港区赤坂1-2-2
銀座線虎ノ門3番出口から徒歩5分
tel. 03 6229 5538
議案
  1. 第15期(2007年4月1日~2008年3月31日)資金収支・会務実績報告
  2. 監査報告
  3. 新名誉会員承認の件ほか
※資金収支・会務の実績資料並びに委任状書式は、4月1日以降に郵送致しました。
 

■ご報告

今回のランデブー・フランコ・ジャポネでは150周年関連のうち「フランス関連ビジネスでの醍醐味」を中心に説明を行った。他の箇所については時間の関係で資料配布に留めたので、以下、若干整理した形で資料を掲載することで報告に代えたい。
「日仏修交150周年関連 ー アンケート結果とパリクラブの活動」報告書要約/2008.4【PDF】

(報告者 久米)

※本講演会の報告記事が、在日フランス商工会議所(CCIFJ)の月間ニュースレター La Lettre Mensuelleに掲載されましたので、皆さまどうぞご一読ください。

http://www.lalettremensuelle.fr/article.php3?id_article=2505&var_mode=recalcul

トークイベント「パリコレって何?」

日仏経済交流協会(パリクラブ)主催

パリクラブ理事 マニグリエ真矢氏のお得意のイベントで久しぶりの「C’est quoi ?」シリーズ。

元西武フランス社長の保坂武雄氏を講師に迎えてのレクチャー and ダイニングでした。
パリコレの歴史から、70年代、80年代に保坂氏ご自身が出会った大物デザイナー達のエピソードなど興味深い話をお伺い致しました。

日時 2008年4月16日(金)19:00~
講師 保坂 武雄氏 (元西武フランス社長)
場所 フレンチレストラン「Le Pre Verre」(明治神宮前)
渋谷区神宮前5-10-1 GYRE4F
TEL:03-3486-1603
使用言語 日本語

【日仏交流150周年記念行事】 デバ「サルコジ大統領の経済政策 ―フランス風サッチャリズム?」

日仏経済交流会(パリクラブ) 主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ) 共催

日仏交流150周年 QRコードサルコジ大統領は、「過去との断絶」(Rupture)を標榜し、矢継ぎ早に革新的な政策を発表しています。その政治哲学は英国のサッチャーを思わせ、アン グロ・サクソンのメディアはサッチャリズムを連想しているようです。特にフランスの硬直的な労働市場の改革に有効な手を打てるかどうかが最大のチャレンジ の一つだと思われます。
また先日、同大統領は二人のノーベル賞経済学者(スティグリッツ、セン両氏)の協力を仰ぐ事を発表しました。

今回のデバでは、サルコジ大統領の経済政策について、フランスと日本の二つの視点から分析することにより、理解を深め、その行方についても考察しました。
またサッチャリズムとの比較についても議論致しました。

日時 2008年3月7日(金)18:45~21:15
スピーカー 中島厚志氏
みずほ総合研究所 専務執行役員チーフ・エコノミスト
ジャン・バルテレミー氏
ジャン・バルテレミー・コンサルタンシー代表取締役、元DATARアジア代表
コメンテーター ルイ・ミシェル・モリス氏
経済公使 在日フランス大使館
アニメーター 沢田義博氏
パリクラブ理事、帝国ピストンリング(株)常勤監査役 、富士銀行元パリ支店長
プログラム 講演会:18:45~20:15
懇親会:20:15~21:15(ビュッフェ形式)
使用言語 仏語
場所 メルシャンサロン
中央区京橋1-5-8メルシャン本社1階 明治屋並び
Tel:03-3231-5600
最寄り駅 東京メトロ銀座線京橋駅またはJR東京駅
 

■ご報告

(以下、パネル・メンバーの敬称略)

沢田:サルコジ大統領は、「過去との断絶」(Rupture)を標榜し、矢継ぎ早に革新的な政策を発表しています。その考え方は英国のサッチャーを思わせ、アングロ・サクソンのメディアはサッチャリズムを連想しているようです。
今回のデバでは、サルコジ大統領の経済政策について、フランスと日本の二つの視点から分析することにより、理解を深め、その行方についても考えてみたいと思います。

先ず初めにサルコジ大統領について、私の個人的な思い出を二つお話したいと思います。

  1. 2000年に、数人のフランス人の友人と共に、サルコジ氏と夕食を共にする機会がありました。当時はジョスパン首相の社会党政権下でした が、既に彼はRPRの有力者でした。夕食を摂りながら、約3時間以上、自由に議論しました。例えば、週35時間労働問題、労働市場の硬直性、公共部門のス ト等々。様々な論点で、我々と考え方に大きな差が無い事がはっきりしました。支持できる議員だと感じましたが、当時は彼が共和国大統領になるとまでは私は 感じませんでした。
  2. 2003年に、MEDEF(フランス経団連)の夏期大学に出席した時のことです。多くの大臣が講演者として呼ばれていました。当時サルコ ジ氏は既に内務大臣で、人気もありました。驚いた事に、彼が講演の為、ホールに入って来るや否や、自動的に出席者全員のスタンディング・オヴェイションと なり、大きな拍手が巻き起こりました。 他の大臣が入場した時はそんな事は起きませんでした。 この時、私はこの人がシラク大統領の後継者になるかもしれ ないと感じました。そして、現在では、彼はHYPERPRESIDENTと呼ばれています。

さて、ここで3つの問題提起を行いたいと思います。

  1. グリーンスパン氏はその回想録の中で、フランス経済の将来について悲観的な事を言っています。その理由はフランスの市場が自由で開放的な 市場となっていない事(フランス人の36%しか、このタイプの市場に賛成していません)。そして、グローバリゼーションに熱心ではない事です。
    事実サルコジ大統領自身も自分の主義はLIBERALISME REGULE (ある程度の規制や国家介入を認める自由市場主義)と述べています。
    但し、グリーンスパン氏はサルコジ大統領には期待感を持っているようです。2004年に両氏が会った時、大統領はアメリカ経済モデルの柔軟性を賞賛しているからです。
    サルコジ大統領はグリーンスパン氏の期待に応えられるでしょうか?
  2. フランスの労働法は労働者の権利を強く保護しています(おそらく西欧では一番)。この為、フランス企業は常に新規の雇用には非常に慎重です。以前、レイモン・バール元首相は講演で、フランスの最大の問題点は労働市場の硬直性(例えば、解雇が難しい)にあると言っています。
    サルコジ大統領はこの問題を解決できるでしょうか?おそらく大統領の最大のチャレンジです。
  3. 現在までの大統領の組合との交渉姿勢は、サッチャー元首相の改革努力を思わせます。特に1984-85年の最も過激な鉱山労働者組合との戦いです。最終的に彼女は勝利を収めました。
    サルコジ大統領はフランスの組合の説得に成功するでしょうか?
 

バルテレミー(講演):
「サルコジ大統領経済政策の三つの主要な分野:改革、労働市場、購買力」

  1. 経済指標については新規雇用者が昨年約99千人増加している事が注目されます。
    事実失業率は2007年第4四半期で1983年以来最低の7.5%にまで低下しました。これは大きな成果です。一方輸入増大の為、国際収支が悪化しています。
  2. 「もっと働き、もっと収入を増やす」が大統領の選挙スローガンです。労働市場については、本年1月に「労働市場近代化の為の合意」が成立 しました。例えば、試用期間の1ヶ月延長、職業間の移動を活発化させる事、高年層の雇用機会の開拓などです。また、デンマークに範をとった、 “FLEXICULITE”という考え方を検討しています。産業の変化の激しい今日、欧州の先進国では大体15%が失業し、15%の新規雇用が行われてい ます。従って、解雇を容易にし、一方新規雇用についても積極的に行うと言う考え方です。政府が音頭を取る事になります。 
  3. 購買力の増加については、彼は選挙公約として「私は購買力大統領」だと大見得を切っています。この点については既に昨年8月に “PAQUET FISCAL”と呼ばれるTEPA(労働、雇用、購買力)向上のための税制改革を実行済みです。例えば、週35時間労働に関する休暇RTTの未消化分の買 取、住宅ローン金利の税額控除、時間外賃金の非課税化などです。

国際面では、

  1. ユーロの為替レートの水準について欧州中央銀行との論争
  2. 財政均衡のEU基準への復帰の延期(2010年から2012年へ)
  3. 産業界のリストラへの政府の介入(フランス企業のみならず、フォード、ミタル・アルセロールなど)

最後にアタリ委員会提言(本年1月23日報告)についてお話します。300件を超える膨大な件数の政策提言をしていますが、本日はその中の数点について触れます。

  1. 中小企業支援策
    ・政府、大企業による付加価値税の中小企業向け支払を1ヶ月以内とする。
    ・行政当局による対応の迅速化 など
  2. 完全雇用の実現
    ・組合、経営者団体に係わる規則の近代化
    ・若年者雇用の強化(全ての企業、公的部門に従業員の年齢構成報告を義務付け)
    ・高齢者雇用の強化(65歳からの年金引き上げ) など
  3. 諸既得権の削減、地域間移動の奨励
  4. 現在の世代の生活水準維持を次世代の負担とはしない。
    公共部門の支出減少を2008年より開始し、2009年からGDPの1%の支出を減少せしめる。 など

2012年のフランス(中期的視点)
2008年4月よりの改革が着手されると、次のような目標が達成されると考えます。

  • 現在のGDP予想成長率に比し、更に1%増加
  • 失業率は5%に低下
  • 2百万戸以上の住宅建設
  • 公的負債がGDPの55%に低下
  • フランスへの観光客数が年90百万人に増加(現在は70百万を上回る水準)
 

沢田:質問1.サルコジ大統領はアタリ委員会に「貴委員会の提言は全て実行します。」と約束していますが、実際には彼は地方の県の廃止や、薬品業界 の規制緩和に反対していると言われています。従って、全ての提言は実行されない可能性があります。どの程度の提言が実際に実行されるとお考えですか?

バルテレミー:大統領自身はこのアタリ委員会の提言以外にも、多くの提言を受けています。そして、それらの多くの点について実際にコミットしています。彼は意見の対立を放っては置けない性格なので、意見の相違点があっても何らかの解決策を見つけ出すと思います。

沢田:質問2.サルコジ大統領は2008年、つまり年内に週35時間労働制を事実上撤廃しようと希望していると言われています。実現可能性は?

バルテレミー:個人的には実現すると思います。この発言は今年一月の年頭記者会見のものですので、あくまで彼の希望だと思いますが、既にその方向で RTTの買取や残業時間に係わる社会保障費の削減、免除等の政策が採られています。今後更に具体的な政策が発表されると思います。

 

中島(講演):「サルコジ大統領の経済政策の基本的な考え方」

1) サルコジ大統領は新自由主義者か? 或いは統制経済主義者か?

  • NEOLIBERALISME(新自由主義)の定義
    自由と個人の責任の原則に立ち、市場経済をベースとし規制緩和、小さな政府(公共部門の縮小、民営化など)を指向。
  • DIRIGISME(統制経済主義)
    政府が経済の方向、政策決定に大きく関与。

筆者注:欧州とアメリカでは「リベラル」と言う言葉の意味が異なる事に、ご注意下さい。アメリカでは「リベラル」と言うのは民主党左派の政策、即ち「社会民主主義的傾向、大きな政府」を意味します。)

  1. 新自由主義の例:サッチャリズムとレーガノミックス
    A.サッチャー首相の主要な政策
    • 金融財政市場 ― 為替管理法撤廃、ビッグ・バン、社会保険法改革
    • 民営化 ― BP, British Aerospace, British Telecom, British Gas, BA, Rover, Rolls Royce, etc
    • 労働市場 ― 80年雇用法(クローズド・ショップ制廃止)など
  2. 小泉首相の主要な改革(サッチャリズム的)
    • 金融市場の活性化 ― 不良債権の大幅な削減
    • 産業の活性化 ― 産業再生機構の設置により、ダイエー、カネボウ等のリストラを支援
    • 規制緩和 ― 1000件を超える規制を緩和
    • 郵政民営化
    • 社会保障改革
    • 地方行政改革(地方分権化推進)
    • 政府系金融機関改革、再編
  3. サルコジ大統領の改革
    彼の考え方はかなりリベラルですが、サッチャリズムとは異なります。
    • 自由な市場経済 ― 国家の介入を辞さない。
    • 小さな政府 ― 明確な政策なし。
    • 民営化 ― 明確な政策なし。 などが相違点です。

サルコジ大統領の考え方は多くのフランス人の意図を反映しているものと考えられます。即ち、新自由主義的改革の必要性に理解を示しながらも、その実行に躊躇しているのです。その状況は現在の日本に良く似ていると考えます。

2) 日本と比べたフランス経済の強みを列記します。

  • 増加しつつある人口
  • 政府の財政赤字が日本に比べ小さい
  • EUの存在
  • 市場経済のメカニズムがより浸透している
 

沢田:質問3.フランスは欧州諸国の中では国営企業の対GDP比率が最も高くなっています。ただ今の中島さんのプレゼンでも?が付されていました が、民営化についての大統領の考え方をお聞かせ下さい。 もし前向きであるならば、どの程度のテンポで推進するつもりなのでしょうか?

モリス:フランスでは既に、民営化推進はサルコジ大統領以前から政府の方針となっていますから、サルコジ大統領もその方針は変えないはずです。市場の状況を睨みながら、タイミングの良い時により高い株価で売却すると思います。

以下、フロアからの質問

檜山氏(CHROMagar):(質問)サルコジ大統領の政治哲学についてはどう考えれば良いのでしょうか?どうも政治哲学は無いように見受けられますが。

バルテレミー:大統領の政治哲学は、しいて言うならプラグマティズムだと思います。 彼の行動はイデオロギーを超えています。アタリ氏やベッソン氏は Socialste ですが、彼らの意見もどんどん取り入れています。

中島:小泉首相の政策も似ていました。彼の政策は結果的には新自由主義的でしたが、彼の真の意図は自由民主党の改革にあったのではないかと思います。

ルシュヴァリエ氏(日仏会館): 世界の中で、フランスと日本二カ国が必ずしも リベラルではない資本主義国だと思います。今後この二か国はアングロ・サクソン的な資本主義、新自由主義の方向に収斂して行くのでしょうか?

中島:日本やフランスが今後アメリカ的な新自由主義に収斂するとは思いません。 世界は多極主義とも言うべき多元的な方向に向かうでしょう。各国は市場メカニズムをベースとしながら、自国の特長やスタイルを活かした形の資本主義を採用して行くと考えます。

久米氏(パリクラブ会長代行):最近サルコジ大統領の支持率が低下傾向にあり、一方フィヨン首相の支持率は上昇しています。大統領とその政策の実行者である首相の支持率に大きな差が出ている事について、どうお考えですか?

バルテレミー:支持率は単なるバロメーターに過ぎないのですが、マスコミや社会により多くさらされている方が、より多く批判を受けるリスクにさらさ れます。まさにサルコジ大統領のケースです。 現在フィヨン首相はサルコジ大統領のアシスタント的な動きしかしていません。おそらくそれが原因ではないか と思います。

沢田:それでは、ここでモリス公使にこの講演会のまとめをお願いします。

モリス:議論が多岐に亘っているので、まとめる事はかなり難しいのですが、感じた点をいくつか述べてみたいと思います。

  1. まずサルコジ大統領とフィヨン首相については、今年来日が予定されていますので、その時に実際に皆様に感じて頂きたいと思います(フィヨン首相:4月11,12日、サルコジ大統領:7月初め)。
  2. フランスではサッチャリズムやレーガノミックスは余り人気がありません。特にレーガノミックスは大減税の結果、その後ものすごいインフレを招いたからです。
  3. 市場原理主義については危険だと思っています。
  4. シュンペーター流の「創造的破壊」についても、慎重な対応が必要でしょう。当時と比べると技術の進歩や多様化が比較にならない程加速化し ています。結果として失業者の急増を招き、国民は保護主義を求めるリスクがあります。国内企業の収益の維持に気配りする必要もあるでしょう。
  5. 私が考える真のLIBERALISME とは国境の廃止であり、EUは過去50年以上にわたり、その為の努力を続けてきた結果、今やそのGDPは世界一になりました。最近EUに加盟したポーランドなどは驚くべき経済成長を続けています。
  6. 私の担当分野である国際貿易について最後に述べます。 フランスの経常収支の赤字については、余り気にしてはおりません。なぜなら、現在 のフランスの強みはサービス産業(例、ホテル産業)にあり、経済成長の最大の原動力となっているからです。 サービス産業は必ずしも経常収支には貢献しま せん。

以上

(文責:沢田 義博)

旧富岡製糸場を訪ねる会

日仏経済交流会(パリクラブ)、日仏会館、在日フランス商工会議所(CCIFJ)共催

日仏交流150周年 QRコード2006 年秋に群馬県の旧富岡製糸場は世界文化遺産への登録申請を行いました。1872年完成の日本で始めての近代製糸工場で、貴重な工業文化建造物として当時の 外観を今に留めています。立地選定から操業細部に至るまで仏人技師Paul Brunatを筆頭とする仏国からの技術協力の賜物でありました。2008年は日仏修好条約150周年の年であり、本件を民間ベースでの150周年記念行 事と位置づけております。主催者側及び富岡市長より、日仏関係のなかでの富岡製糸場の意義につき種々のスピーチがあり、日仏関係150周年記念行事として の盛り上がりを見せました。東京都心からのバスツアーで、帰路、日仏関係の功労者である渋沢栄一氏の記念館や生家へも訪問しました。

日仏150周年を盛り上げると共に、富岡製糸場の世界文化遺産登録を少しでも後押しできればと思います。

日時 2008年3月1日(土)8:00~18:45
スケジュール 08:00 集合(新宿駅西口)
08:15 大型バスで出発
11:00~14:30 富岡製糸場見学 及び 昼食レセプション
15:20~16:00 渋沢栄一生家見学(埼玉県深谷市)
18:45頃 帰着・解散(新宿駅西口)
 

■ご報告

富岡製糸場見学/渋沢栄一生家訪問

  1. 朝8時に新宿西口に集合、総勢85名で大型バス2台で8時半前に出発しました。
  2. 日仏会館グループとパリクラブグループに分かれた形ですが、パリクラブバスの方に仏人の大部分が参加(約15名)、富岡製糸場PRビデオ上映後ポラック氏による詳細解説あり(一人で日仏語解説〉で、あっという間に富岡に到着しました。
  3. 午前11時頃から約1時間、ボランティア解説員の熱演ガイド付きで旧工場を見学しました。最近富岡の知名度が上がり訪問客が増えているこ とと、天気にもめぐまれた土曜日ということもあって、かなりの人出でした。そのせいで一部建物内部の訪問が出来なくなったのは残念でした。
  4. 12時過ぎからは、最寄のホテルで昼食レセプションが行われました。現地参加メンバー6名と富岡市長以下5名も加わり、100名近いにぎやかなレセプションでした。
    主催者側及び富岡市長より、日仏関係のなかでの富岡製糸場の意義につき種々のスピーチがあり、日仏関係150周年記念行事としての盛り上がりを見せました。富岡製糸場の世界遺産登録を願って、お開きとなりました。
  5. レセプション後、午後3時頃に深谷市の渋沢栄一記念館を訪問しました。館長さんの熱演ガイドで約1時間弱。その後生家(実際は妹の家)を訪問して、帰途渋滞も無く午後6時過ぎには新宿に帰着しました。
  6. ワインの持込をしたり、各自の参加費をかなり低く抑えましたので、赤字となっていますが、予算想定の範囲内であることを最後にご報告いたします。

以上

【日仏交流150周年記念行事】 テーマ「フランス関連ビジネスの変化とフランス語の使用」

日仏経済交流協会(パリクラブ)主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ)共催

日仏交流150周年 QRコードパリクラブでは設立15年かつ日仏修好航海条約締結150年の機会を捉え、日本企業のフランス関連ビジネスの現状と変化、フランス語の使用状況を把握し、今 後の日仏関連ビジネスの発展、フランス語の普及そして日仏経済関係の発展を考えるための調査プロジェクトを実施しました。昨年11月以来、70人を超える パリクラブ会員やその他の方々にアンケートを実施し、フランスの経済人からもヒアリングも行ってきましたが、今般、調査結果のポイントを報告し、意見交換 をする会合を開催いたしました。

グローバル化の時代において、両国の企業や機関はフランスや日本だけでなくより広くアジアなど第三国でどのようにビジネスや業務を発展させるか、日 仏経済関係をどのように発展させるべきか、また英語が広く使用されるなかでフランス語をどのように普及するべきか。特にこれからビジネスや業務を担ってい く若い層が日仏関係への関心を高め、フランス語の能力を高めるにはどんなことをしたらよいかが、議論の中心となりました。

報告者の久米五郎太氏は2度にわたる日本輸出入銀行のパリ駐在員としてフランスを中心にEU・アフリカでの日本の輸出入・投資ビジネスを支援し、そ の後丸紅ではグローバルにインフラ・エネルギー事業に係わり、現在は国際的なエンジニアリング会社におり、海外投資などについて多数の論文を発表していま す。コメンテイターの綿貫健治氏は、ソニー・フランス副社長・横浜国立大学准教授などを歴任、ビジネスと教育の世界での経験が深く、現在は城西大学で国際 学術文化振興に携わり、昨年12月には「ソフト・パワー・コミュニケーションーフランスから見た新しい日本」の本を出しています。ベルナール・デルマス氏 はミシュラン・フランス本社に入り、日本には通算13年滞在、昨年秋にはパリからふたたび日本に戻り、二度目の日本ミシュランタイヤの社長を務め、グロー バルに競争し、協力するタイヤ業界で日本やアジアそして世界を対象とするビジネスに携わっています。

なお、この催しはパリクラブがおこなっている「日仏経済関係150年―回顧と展望」と題する一連の行事の第1弾にあたり、今後の議論を深めるための材料を提供することも目的とされました。調査実施にあたっては笹川日仏財団より助成金を受けました。
報告会やそれに続く懇談会におきまして活発にご意見を交換して頂きました。

日時 2008年2月21日(木)19:00~22:00
プログラム

■報告会:19:00~20:30 於:日仏会館ホール
<報告者>
久米五郎太氏(パリクラブ会長代行、調査チーム代表。日揮株式会社常勤監査役)
<コメンテイター>
綿貫健治氏(パリクラブ理事、調査チーム・メンバー。城西国際大学教授・城西大学国際学術文化振興センター副所長)
ベルナール・デルマス氏(日本ミシュランタイヤ株式会社代表取締役社長)
■懇談会:20:30~22:00(ビュッフェ) 於:レストラン・レスパース 日仏会館隣

言語 報告は日本語、コメント議論は日本語・フランス語(日仏同時通訳付)
 

■ご報告

経済交流会(通称パリクラブ)では、設立15周年の機会に、「日仏経済関係150年ー回顧と展望」プロジェクトの第1弾として、「フランス関連のビジネスの変化とフランス語の使用」を取り上げました。
07年11月から08年1月にかけてアンケートを実施、その後補足ヒアリング、08年2月21日に報告会・意見交換会を実施、それらの結果を下記pdf書類にまとめました。
「フランス関連ビジネスの変化とフランス語の使用」プロジェクト:報告書要約/2008.3【PDF】
「フランス関連ビジネスの変化とフランス語の使用」調査プロジェクトに参加して【PDF】