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講演会「多極時代と欧州、そしてフランス」

日仏経済交流会(パリクラブ) 主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ)、笹川日仏財団 共催

【講演要旨】

米国の圧倒的優位が崩れ国際政治・経済構造の多極化が進んでいます。中国、インドなどの新興国が大きく浮上し、さらに主権国家以外の組織やネットワークが 影響力を持ち始めました。こうした多極の時代は、欧州そしてフランスにとってどういう意味を持つのでしょうか。日欧、日仏関係には何が期待されているので しょうか。日本経済新聞のジャナリストとして欧米アジア3地域に駐在し、国際経験豊かな小池教授により、この問題を読み解いて頂きました。

【経歴】

1974年横浜国立大学経済学部卒、日本経済新聞社に入り、シンガポール支局長、ワシントン支局長、編集委員、国際部長、日経ヨーロッパ社長(ロンドン駐 在)、論説副委員長などを経て、2009年4月から関西学院大学総合政策学部教授。世界経済フォーラム・メディアリーダー、日本公共政策学会理事、ケンブ リッジ大学クレアホール終身会員。日EU協力に関する有識者懇談会座長や「グローバル・ソーシャル・リスポンシビリティー(GSR)」研究会(日本経済研 究センター)副主査も務める。 著書は『アジア太平洋新論』(日経)、『政策形成の日米比較』(中央公論新社)など。和歌山県新宮市生まれ、58歳。

日時 2009年6月9日(水) 18:30~21:00
スピーカー 小池 洋次 氏
関西学院大学総合政策部教授
アニメーター 綿貫 健治
パリクラブ理事
プログラム 18:30~20:00 講演会 1階バウ・ルーム
20:00~21:00 懇親会 8階宴会場 (ビュッフェ形式)
場所 日本財団ビル 1階バウ・ルーム及び8階宴会場
東京都港区赤坂1-2-2 03-6229-5558
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
最寄り駅 【東京メトロ 銀座線】虎ノ門駅 (3番出口)
【東京メトロ 銀座線・南北線】溜池山王駅 (9番出口)
【東京メトロ 丸ノ内線・千代田線】国会議事堂前駅 (3番出口)
使用言語 日本語。通訳なしでキーワードは英語化したレジメ使用。
 

■ご報告

要約を掲載致します。

【自分とフランスの係わり合い】

私自身はフランス語の専門家ではないが、自分にとってフランスは特別な国である。個人的な旅行等の経験も踏まえて、結果的にフランスは好きな国なの でフランス贔屓になってしまう。去年の6月までロンドンに日経欧州の社長として駐在していたが、その時にも何度かフランスを訪問した。

【多極論とは】

多極化という考え方は以前から存在していたもので、多くの文献からもそれは見て取れるが、この時期に重要な時代背景として以下のようなものが挙げられる。

  1. イラク戦争:アメリカ/イギリスを中心とした価値判断が成された。 最終的にこの件で米国=ブッシュ政権の権威は地に落ちてしまったわけであり、これは政治的局面から見た一つの多極化の一つの背景である。
  2. 金融危機/経済危機:昨年のリーマンブラザーズの破綻に端を発したもの。経済の運営/構造、社会構造を表すモデルとして、 ContinentalとAnglo-Saxon モデルがある。影響を一番受けたのがAnglo-Saxonの米英モデルであり、フランスは全く影響を受けなかった。 この経済危機のお陰でフランスモデルがContinentalモデルの代表として注目されるに至ったのは事実である。

【多極化時代に於ける系譜】

  1. 過去の帝国は、ローマ帝国、大英帝国しかりで、軍事的に手を広げすぎてしまい、その結果から来る経済的コストに耐えられなくなり、衰えていくものであった。
    米国はハード、ソフト両面でパワーを持ち、かつての英国とはまったく異なるという意見もあったが、湾岸戦争勝利の後、ジョージ・ブッシュの時代にIT産業隆起時代の黒字を食い潰す格好と成った。
  2. 21世紀は日米欧接戦の時代。
    ・21世紀の世界経済で舞台の中央に立つのはヨーロッパだ。
    ・世界最大の市場を握っている者が、世界貿易のルールを決める。
    現段階ではこの予測が正しかったかは不明だが、米国中心からEU統合等を経た欧州が強い力を持ち始めて来ているのは事実。
  3. 地域大国が多くなった
    中国、日本、EU、ブラジル、インドネシア、インド等々 その他の国々が力を付けて来ているので米国も“One of them”になる時が来るであろう。

【長期展望】

前述の状態が現実のものとなるのがいつになるかが問題。
オバマ政権の誕生もこの流れの一つとして語らなければならない。

【オバマ新政権誕生の意味】

  1. 危機・戦争時の大統領=偉大な大統領として歴史に残る。
    3人の偉大な大統領=ワシントン(1789年就任)、リンカーン(1861年)、フランクリン・ルーズベルト(FDR、1933)⇒就任年度が72年周期。次がオバマか。
  2. オバマ氏が登場したこと自体が偉大さの証明と言える。
  3. 歴史的意味
    グローバル化を象徴し、危機を背景に登場した癒し型のリーダー。 国内外で色々な勢力を融和するような人が求められていた。 この流れで欧州と米国の関係は改善方向に向かっている。

【フランスや日本にとっての意味】

イギリスにとってのヨーロッパ大陸は日本にとってのアジア大陸と似ている。 イギリスの過去、現在、未来への政策から日本はもっと学べるはず。
歴史的には大陸よりも米国重視型であった。(イラク戦争での米国支持) ブラウン政権になって、ヨーロッパに組み込まれていく傾向が強まり、指導力が弱まって来た。それに対して台頭して来たのが大陸側で、経済のドイツと外交で はフランス。フランスは独自外交の道を取れる国。軍事力(核)を持っている背景もある。
多極化の時代を迎えて日本にとってはヨーロッパとの関係、特にフランスとの関係が外交面で重要になって来る。 米国との同盟は生命線であるが米国の力が弱まってくる中、外交能力をフランスから学ぶ点は多い。 多極化の時代に地域大国がいくつも出て来ると衝突も起こりえる中で重要なことを本日の結論として挙げていくと:

  1. 一極支配から多極化への過渡期をどうマネージするか。
  2. 新興国の台頭にどう対処すべきか。
  3. 地域大国である日仏関係の強化で、協調し合えば相当なことが出来るはず。

ということになると思う。

第16回 定時総会・役員改選 第56回 ランデヴー・フランコ・ジャポネ

日仏経済交流協会(パリクラブ) 主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ)共催

4月24日(金)18時から日本財団ビル2階会議室で第16回総会と役員選挙を実施致しました。その後19時ごろから、会員外にも開放的な第56回Rendez-vous Franco-Japonaisを開催致しました。
今回は話の種に、目下取りまとめ作業中の「日仏経済関係150年回顧と展望プロジェクト」のレポートの幾つかを中間的に展示致しました。
食事には、フランスのケイタリング会社Sodexoのbuffetを、西岡寅太郎商店のボルドー 、コート・デュ・リュベロンとコトー・ドックの白でお楽しみ頂きました。

日時 2009年4月24日(金)
定時総会 : 18:00~
Rendez-vous Franco-Japonais : 19:00頃~
場所 日本財団ビル 2階会議室
港区赤坂1-2-2
tel. 03 6229 5538
最寄り駅 【銀座線】虎ノ門3番出口から徒歩5分

「維新とフランス」展

1966年設立以来、新しい研究領域の開拓を目的に、学術標本の総合的な調査・収集・整理・展示に顕著な実績を誇る東京大学総合研究博物館で、「維新とフランス・・・日仏学術交流の黎明」と題する日仏関係150周年記念特別展示が行われました。

パリクラブは、フランス大使館、CCIFJ、(財)日仏会館、(株)セリクと並んで、この特別展示に協力を求められました。主要展示品の一つ、クリ スティアン・ポラック・コレクションでは、美術関係でないがゆえに従来出品機会の少なかった日仏交流関係資料一揃いも出品されました。私たちの「日仏経済 関係150年回顧と展望プロジェクト」を実証する標本もご覧頂いたかもしれません。

なお、クリスティアン・ポラック氏(CCIFJ第五副会頭)はこの特別展企画構成責任者の一人、当会参与の池上久雄氏は実行委員の一人として参加致しました。

日時 3月28日(土)~5月31日(日)
開館 10:00~17:00 (ただし、入館は16:30まで)
場所 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学本郷キャンパス内
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/information/map.html
最寄り駅 地下鉄【丸の内線】「本郷三丁目」駅より徒歩6分
地下鉄【大江戸線】「本郷三丁目」駅より徒歩3分

世界遺産 旅の雑学サロン 「フランスの世界遺産を旅する」

当会会員であり、前駐仏日本大使の平林博氏がNPO法人世界遺産アカデミーに招かれ、講演会が開催されました。画像を多数用いての、フランスの世界遺産をご紹介となりました。

日時 2009年3月19日(木) 19:00~21:00
場所 パレスサイドビル(竹橋)

NPO法人世界遺産アカデミー
ご案内詳細

第55回 ランデヴー・フランコ・ジャポネ

日仏経済交流会(パリクラブ) 主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ) 共催

2007年、2008年度の新規入会者との会合を開催致しました。新メンバーの職域と年齢は多岐にわたり、当会に対する抱負や希望について情報交換致しましたことは、今後の活動に大いに有益だと存ずる次第です。

日時 2009年3月13日(金) 18:30~
場所 八芳園
〒108-8631 東京都港区白金台1-1-1
03-3443-3111(代表)
最寄り駅 地下鉄【南北線・三田線】白金台 および【浅草線】高輪台
http://www.happo-en.com/access/index.html

■ご報告

0313-rvfj_55-022009年3月13日(金)18時半から、ツグミの来る庭が自慢の八芳園スラッシュカフェで、第55回ランデブー・フランコジャポネ開催。
パリクラブ会員とCCIFJ会員約80名が集いました。パリクラブの福本しのぶ会員の竪琴演奏に続く、磯村名誉会長とラショッセ会頭共同の乾杯音頭のあ と、三浦一雄パリクラブ副会長お心入れのローヌ、ボルドオ、ラングドック(白)と八芳園ブッフェを賞味しつつ一同交歓して21時に散会。
07年度・08年度の入会で参会連絡があった次の各氏のお名前を呼び上げて紹介しました(ABC順、敬称略)。

粟野みゆき(仏検1級合格者の会副会長)
遠藤純也(ソニー シニアBluetooth エヴァンジェリスト)
福本しのぶアニエス(Artwide Production経営 竪琴奏者)
長谷川正純(元丸紅)
平林博(日印協会理事長 三井物産・東芝各社外取締役 早大教授 元駐仏大使)
廣瀬真之(元住友商事)
岩崎晃(日建設計顧問 元国際協力銀行)
金山佳正(日本航空執行役員)
樫本幸一(Senior managing Director, Dai-Ichi Life International (Europe) Ltd.)
好田二朗(エアバス シニアディレクター事業開発担当)
楠田友世(日本出版販売 経営戦略室)
宮原英男(大林組 エンジニアリンググループ長)
牟田正明(大成建設国債支店営業担当部長)
中井毅(石油天然ガス・金属鉱物資源機構特命参与 元JETROパリ所長)
根津綾子(NHK プロデューサー)
斉藤ゆきみ(ゆきみサロン・ド・サヴォワール・ヴィー)
佐々木敏彦(みずほ証券 アジア・オセアニア投資銀行部シニア・ヴァイスプレシデント)
関口昭成(三菱商事重機ユニット国内統括部長)
七里淳哲(元サントリー取締役ワイン事業部長)
須藤實(みはし開発部長 元丸紅)
竹口淳史(元住友銀行)
内田真人(成城大学社会イノベーション学部教授 元日銀)

0313-rvfj_55-01上記に先立ち、関本から、「パリクラブは設立後16年目で現在メンバーは300人。親仏の一点で共通する20歳台前半~80歳代のビジネスマンが、相手方の フランス人と意見や情報を交換できる場として、年に15回程度、特定テーマのコンフェランスや面識と懇親が目的のランデブー・フランコジャポネを実施。こ れらのイベントにCCIFJの事務協力が期待できるが、その着想と実施はすべて会員の発意と貢献に懸かっている。現預金が資産の総てでいわゆる事務所を持 たない。意思決定にはインターネットを多用している」などと説明。なお、最近のイベントの実例として、「日仏経済関係150年の回顧と展望プロジェクト」 として行った、「フランス語ビジネスの実態調査」「ワインを巡る日仏経済交流」「財政・金融面の日仏交流」「第三国における日仏協力」「直接投資に係わる 日仏交流」を挙げ、協力者に謝辞を呈しました。

以上

酒蔵を訪ねる会

日仏経済交流会(パリクラブ) 主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ) 共催

昨年に引き続き、文政4年(1821年)創業184年という長い歴史をもつ酒蔵の名門「寒梅酒蔵株式会社」(銘酒「飛翔天」は2004年10月関東信越国税局管内鑑評会で最優秀賞を受賞)を訪ねました。

酒蔵の説明を受けた後、蔵の見学、その後、利き酒を致しました。ちょうど仕込みの繁忙期ですが、ご好意で社長や杜氏から懇切丁寧に説明頂き、酒造りの真髄に触れることが出来ました。

日時 2009年2月7日(土) 14:30~16:30
集合 14時20分
寒梅酒蔵株式会社 久喜市中央2-9-27
(JR宇都宮線、東武伊勢崎線久喜駅西口から徒歩3分)
Tel:0480-21-2301
URL:www.kanbai.co.jp (アクセスマップあり)
スケジュール 14時30分~16時30分 酒蔵見学、質疑応答、利き酒など
参加費用 無料 (久喜駅までの交通費は自己支弁)
交通機関 ◆JR東北本線
上野駅発 13:20 赤羽発13:30 → 久喜駅着 14:07
◆JR湘南新宿ライン(宇都宮行き)
新宿駅発 13:28 池袋駅発 13:34 赤羽発13:43 → 久喜駅着 14:10
◆東武伊勢崎線
北千住発 13:25 → 久喜駅着 14:08 (地下鉄日比谷線北千住に乗り入れ)
 

■ご報告

0207-sakagura_kanbai昨年に引き続き、文政4年(1821年)創業184年という長い歴史をもつ酒蔵の名門「寒梅酒蔵株式会社」(銘酒「飛翔天」は2004年10月関東信越国税局管内鑑評会で最優秀賞を受賞)を訪ねました。参加者30名、日仏でほぼ相半ばでした。
酒蔵の説明を受けた後、蔵の見学、その後、利き酒を致しました。ちょうど仕込みの繁忙期ですが、ご好意で社長や杜氏から懇切丁寧に説明頂き、酒造りの真髄 に触れることが出来ました。「酒造りの水はどこからか」との鋭い質問がありました。室町時代、関東公方足利政氏が隠居所を構えた甘棠院(寺院)が久喜市の 起源ですが、寒梅酒蔵が使っている水はその甘棠院の井戸から引いています。その井戸水はおそらく日光の方からの伏流水につながっているのでしょう。
訪問後、句会に赴く一群あり、駅前の居酒屋「庄や」で利き酒の続きをいたす一群あり、思い思いに冬の午後をのどかに過ごしました。