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【レポート】剣持マスターソムリエセレクションによるワインとフレンチのマリアージュ

この日の主役はワイン

3月29日に「にほんばし 檀」(中央区日本橋2-10-3エグゼトゥール日本橋1階)において、日本ソムリエ協会最高技術顧問の剣持(けんもつ)春夫マスターソムリエをお迎えし、パリクラブとして初の「ワインの会」を開催しました。
この日は剣持氏が厳選したワインを主役に、それらのワインに合うフレンチを味わいながら、剣持氏からフランスを中心とするワインとワインを巡る物語をお聞きするという、ワイン好きにとっては魅力いっぱいのイベント。参加者の皆さんは、ワインに関する知識を深め、貴重なフランスワインを堪能し、満ち足りた時間を過ごされたようですが、今回は会場と進行上の理由により、講演・会食中に取材スタッフは同席できなかったため、事前に行った剣持氏へのインタビューと会場入りした際の参加者のみなさんの声を中心にレポートをお届けします。

おすすめのワインを手にする剣持氏

おすすめのワインを手にする剣持氏

世界のワインに精通する剣持氏ですが、1980年にフランス食品振興会主催の第1回ソムリエ最高技術コンクールで優勝、1981年にフランスワイン「メートル・ドゥ・ソムリエ」の称号、1989年にフランス・ガストロノミー・フランセーズ・メートル・コンセイエ国際協会の「シュバリエ」の称号を授与されるなど、特にフランスワインへの造詣が深く、輝かしい実績を残されています。
ワイン愛好家で、2年前にソムリエ協会の試験に合格したパリクラブ幹事を務める山根さんとは、レッスンなどを通してお付き合いがあり、「ぜひとも」と要請されたのがきっかけで、このイベントが実現したそうです。
通常、フレンチのメニューは左側に料理名、右側にワインリストが載っているのですが、今回は「ワインを主役に」との剣持氏の強い思いを反映し、左右が逆に。まずはワインありきで、そのワインに合う料理が剣持氏のアドバイスをもとに用意されました。
「パリクラブで『ワインの会』は初めてということでしたので、コスパが素晴らしいワインを揃えました。メインはたまたま入手できた1998年の20年物です。こういうイベントは第一印象が大事ですからね。第2回、3回と開いてもらうため、きょうは赤字覚悟です(笑)。昨年、久しぶりにフランスを訪れました。テロなどがあったので周囲からは心配されましたが、全然危険な感じではなかったですよ。講演では、アルザス、ボルドーなど訪問先のワインに関する新しい情報もお伝えしたいと思っています」(剣持氏)

>> 参加者の声

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【開催済】剣持マスターソムリエセレクションによるワインとフレンチのマリアージュ

日時:2018年3月29日(木) 19時00分~21時00分
(開場18時半 会食19時00分~21時00分)

来る3月29日(木)、日本ソムリエ協会 最高技術顧問をつとめておられる剣持春夫マスター・ソムリエをお迎えし、ワインと料理のマリアージュを企画いたしました。
剣持ソムリエセレクションによるフランスを中心とした欧州のワインとワインを巡る物語を伺いながら、料理をお楽しみいただければ幸いです。

会食は『にほんばし 檀』でのフレンチを予定しております。

本格的な和食をベースに、フレンチの要素を取り入れた「日本のビストロ」として、旬の野菜や但馬牛、スペイン産の生ハムなどワインに合うメニューを提案しています。

開放的なオープンキッチンで、シェフの製作過程を見て楽しむと共に、ソムリエのお勧めワインが味わえるのが特長です。

剣持 春夫(けんもつ はるお)氏の略歴

1980年 フランス食品振興会主催 第一回ソムリエ最高技術賞コンクール優勝
1981年 フランスワイン「メートル・ドゥ・ソムリエ」称号授与
1984年 社団法人 日本ソムリエ協会「 マスター・ソムリエ 」 称号授与
1989年 フランス・ガストロノミー・フランセーズ・メートル・コンセイエ国際協会「 シュバリエ 」 称号授与
2004年 シャトーレストラン ジョエル・ロブション シェフ・ソムリエ就任
2007年 社団法人 日本ソムリエ協会 最高技術顧問(現任)
2009年 2009年度 東京マイスター(東京都優秀技能者)知事賞 受賞

日仏経済交流会(パリクラブ)主催

場所 にほんばし 檀
店舗の情報 http://nihonbashidan.saloon.jp/
最寄駅 地下鉄日本橋駅より徒歩2分、JR東京駅より徒歩10分
会費 会員9,000円 非会員 10,000円
(事前振込。振込先は申込み頂いた方に個別にご案内いたします。3月24日以降のキャンセルはキャンセル料がかかりますので、ご注意ください)
定員数 20名

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【開催済】フランコフォン3団体 お花見の会

France Alumni、Paris Club、 ALFIのフランコフォン3団体が合同で、ビヤステーション恵比寿にて、お花見の宴を開催します!

今年もあと少しで、待ちに待ったお花見の季節です。
桜の開花を祝って、3月27日(火)France Alumniは、パートナーであるフランコフォン団体のParis Club、ALFIと一緒にパーティーを開きます。

場所は、サッポロビール株式会社の姉妹会社が運営する、恵比寿ガーデンプレイス内の「ビヤステーション 恵比寿」です。
ビールやワイン、ソフトドリンクが飲み放題で、美味しいビュッフェのついた立食パーティーです。この機会に、サッポロビールおすすめのワインもお試しいただけます!

開放感のあるパーティースペースで、お酒やお食事を頂きながら、会話に花が咲くことでしょう。お食事の後はぶらぶらと、向かいの公園の桜を見に行くのもよし。

春のうららかな宵を、フランコフォンの仲間同士で楽しく過ごしましょう!

日時 2018年3月27日(火)19時~21時
会場 ビヤステーション ~恵比寿ガーデンプレイス~
https://r.gnavi.co.jp/g005700/
料金 ¥4,000
(アルコール、ソフトドリンク飲み放題+オードブル、揚げ物などのビュッフェ込)
パリクラブ定員 30名
主催 France Alumni, Paris Club, ALFI
共催 サッポロビール株式会社

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【レポート】磯村名誉会長時局放談会「2018年は欧州の年 その出足は!」第四部

1時間に及んだ磯村氏の講演も、いよいよ最終章に。ヨーロッパを中心とした世界の情勢分析は、地球経済の大きなうねりの中にある我が国日本に及びます。読む人によっては、衝撃的な、あるいは耳の痛い内容も含んでいますので、心してお読みください。

>> 磯村名誉会長時局放談会「2018年は欧州の年 その出足は!」第三部 を読む

本邦マスメディアのヨーロッパに対する無理解

で、結論の部分なんですが、実は日本のメディアとか学界がいかにフランスやドイツにあまり好意を持っていなくて、何と言っても米英を第一に置いて情報を発信しているということを、私は強く感じているわけです。たとえば、マーストリヒト条約のときにようやく日本のマスコミの間でも、EUに対する関心が起きまして、電通さんが主宰して帝国ホテルで大がかりなセミナーをやったんです。私はそのパネリストとして出たんですが、フランスとドイツがマドル・スルーしてもEUは大丈夫なんだと発言したのは、パネリストのうちでは、私と日本興行銀行の当時副頭取をしてらっしゃった黒沢洋さんだけなんですね。黒沢さんは、興銀のデユッセルドルフ支店長をしてらっしゃいましたのでドイツのことに詳しかったんです。でも、私は割合こう見えても気が小さくて……(笑)。何しろコテンパンに……誰とは言いませんがプロの英米評論家諸氏や同僚に叩かれました。みんな「フランス・ドイツなんてのは長く持ちませんよ」と仰るんです。関西のある有名な女性の評論家なんかは、フランス・ドイツの仲がいいのは2013年までにダメになっちゃうなどと御本までお書きになった。伴野文夫さんもマクロンを巡る話の中で、日本のマスコミのこうした偏向については語っています。

戦前は外務省でもヨーロッパがメジャーだった

実は、戦後日本のヨーロッパ大国軽視、英米重視にはそれなりの歴史があるわけですよね。かつては、日独伊三国同盟なんてのを松岡洋右さんなんかが言っていた。その反動もあり、戦後はこれからはアングロサクソンにぴったりくっつかないとダメなんだというのが、幣原喜重郎以降の基軸になっているわけですけど、戦前は全く逆だったわけですね。戦前は外務省においても、メジャーがヨーロッパでマイナーがアメリカだった。たとえば英語で外交官試験に受かると、一番はオックスフォード、二番はケンブリッジ、三番はUCL、四番にハーバードが出てくるかどうかだった。で、この間早稲田大学での講演でこの話をしたら、「やっぱりカリフォルニアは三番目に出てくるわけですか」という学生がいたんですが、三番目はUCLであって、それはUCLAじゃないんです(笑)。ユニバーシティ・カレッジ・オブ・ロンドンというのは長州ファイブの――私の女房の曾祖父になる――井上勝とかですね、伊藤博文とか5人の長州の侍が行った大学ですし、今「西郷どん」をやっていますけど、薩摩の人たちが学んだ学校で、当時はオックスブリッジは貴族でも入れなかった。外国人はましてや入れなかった。UCLは一番いい大学だった。しかし、UCLと聞けばUCLAと瞬間に思っちゃうくらい、今の日本はアメリカにぴったりくっついているわけです。

>> 銃撃事件と渡航禁止令 へつづく

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【レポート】磯村名誉会長時局放談会「2018年は欧州の年 その出足は!」第三部

「ヨーロッパに吹く風」を語る磯村氏は、「逆風」としてドナルド・トランプ政権下のアメリカを筆頭に挙げます。トランプ大統領を巡るメディアの言説は、どうも我が国日本とヨーロッパでは少々温度差があるようなのですが……。

>> 磯村名誉会長時局放談会「2018年は欧州の年 その出足は!」第二部 を読む

ブレグジットの交渉での「手切れ金」

ま、そういうことで、外交面でフランスは今順風満帆といった感じなんです。もちろん順風のうちのひとつに、ブレグジットの交渉というのがあります。ブレグジットについはは長くなりますし、予定時間をだいぶ超過しましたので簡単に解説したいと思います。今第一次交渉が去年中に終わっていまして、3つの点が一応の合意を得ています。ひとつはいわゆる人間の婚約関係でいいますと、離婚にあたっての手切れ金みたいなもんですね。実際、「清算金」と呼んでいますけど、これについてテレサ・メイ首相がフィレンツェで行った演説で、イギリスが200億ユーロぐらい払えばいいのかな、と言ったら、EU側がとんでもない、そんなのは話にもならないと。というわけで、最終的にイギリスが600億ユーロ払うという暗黙の合意が出来ました。次の問題が、現在イギリスに暮らす320万人に及ぶEU諸国からの留学生とか学者とかそういう人たちの裁判権や色んな問題をどうするか、という議論になるわけですが、これについてEU側は、ヨーロッパ司法裁判所の規定には従うが、イギリスの法律には従わないと言った。イギリスは、それは主権の侵害だといって突っぱねたんです。昔のイギリスなら巧くいったんでしょうが、何しろ今は閣内が割れているわけですね。メイ首相は選挙を早めてやったりしたんですけど、キャメロンと同じで読みを誤って、今それどころではない。これもEU側の順風の原因となっています。

イタリアの混乱については心配無用

さて、次に逆風のことを考えてみたいと思います。まず、外交面で考えてみますと、たとえばイタリアの選挙では指導力のある政党がいなくて、三すくみみたいな感じになっていますよね。これまでのレンツィ首相が率いた左派が後退して、「30%論」みたいな様相を呈している。いわば現役が惨敗して、中道右派のベルルスコーニが糸を引いている中道右派と、極右のポピュリストが指導者となって勢い付いている五つ星運動それに旧北部同盟との、三すくみの状態なんです。ただ、イタリアが統治困難に陥るというのは、今に始まったことではないんです。クリスチャン・ソテール(ミッテラン大統領時代の経済・財政・産業大臣)が私にメールで言ってきたのは「ヨーロッパの統合は、今『ローマの休日』に入った」と。映画「ローマの休日」は、オードリー・ヘップバーン扮する王女様がローマの休日で楽しい思いをするわけですよね。つまり、“イタちゃんのすることにはいちいち目くじら立てませんよ”というのが、ヨーロッパの大人の解釈であるわけです。だからあまりイタリーの連立がどうだのああだのというのは皆さん、お考えにならなくてよいかと。イタリーっていうのは幸せな国で、天才もおりますしバカも大勢いるので、いろんな意味で大好きな国なんですけど、あまり心配しなくてもいい。むしろ最大の逆風は何か?これはもう皆様の顔に書いてありますが、ドナルド・トランプという大統領率いるところのアメリカであります。

>> トランプの頭脳は8~12歳並み? へつづく

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【レポート】磯村名誉会長時局放談会「2018年は欧州の年 その出足は!」第二部

マクロン政権への追い風を語る磯村氏の話は、さきごろフランスとドイツで交わされたエリゼー条約改定へと広がります。極めて野心的な連携を約したこの条約改定の報は、ビッグニュースであるにも関わらず、日本ではほとんど伝えられておらず、要注目です。

>> 磯村名誉会長時局放談会「2018年は欧州の年 その出足は!」第一部 を読む

日本とEUに大自由貿易圏が誕生する

実は日本とEUは、EPA協定(ヨーロッパ経済連携協定)というのを去年の暮れに大筋合意しまして、今年細かい詰めをやって、来年1月1日から効力を発します。これによって工業製品の多くは即時撤廃ですし、皆さんもご承知のようにワインの関税が撤廃されるとか、ソーセージやハムやチョコレート、パスタ、さらにはハンドバッグなども関税が取れる。日本からの輸出としては、今自動車には10%の関税がかかっていますけど、7年でこれが全廃される。安部さんのいう大自由貿易圏が出現するわけです。日本とEUのGDPを足しますと、全世界のGDPの28%になります。そして貿易量でいうと、これは私も意外だったんですが、40%近いんですね。専門家の見通しによると、日本とEUのEPA協定によって、かなり貿易量が増大していく状況にあります。今年は2019年の発効を前に、まさに日本にとっても「ヨーロッパの年」といえるわけです。

イギリスのEU脱退

今年はEUの前身であるEEC(ヨーロッパ経済共同体)が出来て (1957年条約調印、1958年発効) 、60年ほどになるわけですが、丁度私は1958年、NHKの若い特派員としてパリに参りました。そのときはヨーロッパ総局特派員ということだったのですが、総局といっても総局長と私と2人しかいなかった。2人になってやっと総局らしくなったというんですが……(笑)。そんなような時代を経験しましたけども、その初仕事のうちの一つがEECの発足を報ずることでありました。その原六カ国はご承知のようにフランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグという六カ国ですね。これによって彼らは、ロベール・シューマンやジャン・モネら先達の意向を汲んで、二度とフランスとドイツが戦争をしない、そしてヨーロッパは一カ国ではとてもアメリカやソビエトといった超大国には対抗出来ないから、一種の第三勢力としてヨーロッパ合衆国的なものを徐々に作っていく――という夢のために一緒になったのです。このEECは、六カ国のうちは良かったんですが、67年からECになりますね。それから92年には今のEUになります。これは28の国なんですけど、来年3月からはイギリスが抜けて27になります。大所帯ですし、広がれば広がるほど色んな問題が出てくる。

>> イギリスの仏独に対する複雑な感情 へつづく

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