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【レポート】第23回パリクラブ輝く会「幸せをつくる睡眠」講演会

平均睡眠時間や眠りの深さ、睡眠の規則性などを総合してフランス人を世界一の睡眠巧者としているNokiaの調査に対し、日本は先進国の中で睡眠時間がいちばん短く、現代日本人のほとんどが睡眠不足に陥っているとの報告があります。病気のリスクを高め、生活の質をも下げる「睡眠負債」をなんとか改善したいものです。
現代人が質の高い睡眠をとるためにはどうしたらよいか、輝く会として以前から取り上げたかったテーマでしたが、去る5月22日(水)、ムアツふとんなど、優れた睡眠のための寝具を開発されてきた昭和西川株式会社のご好意で実現しました。

本イベントは中央区日本橋浜町にある昭和西川株式会社の会議室で行われ、西川惠会長と執行役員兼日本快眠環境科学ラボ所長の山倉賢一氏のお二人にクオリティ・オブ・ライフを高め、幸せをつくるための睡眠についてのお話を伺った後、お弁当の休憩タイムを挟んで同社のショールームを見学し、老舗ならではの寝具、最新の研究で開発された商品の数々を直に体験させていただきました。

西川会長によるご講演「中村天風に学ぶ快眠と幸せな人生」

西川会長が「人生哲学」の師とあおぐ昭和の時代に活躍した実業家・思想家の中村天風はポジティブな心で前向きに生きることを教えています。自己暗示をかけやすい入眠前に楽しいことを考えるとよく眠ることできるなどの実践法も説かれています。西川会長がとりわけお勧めしたいのは次の6つの実践法とのこと。

  1. よい姿勢:背筋を伸ばせば精神が統一され心が整えられる:身近なストレス解消法
  2. 正しい呼吸法:自律神経のバランスを整え平穏な心を保てる
  3. 就寝時の複式呼吸:夜眠れない人、寝ても疲れの取れない人は息を吸った2倍の時間をかけて息を吐く腹式呼吸を繰り返す複式呼吸を習慣にしてほしい
  4. イメージトレーニング:就寝前の時間帯は最も暗示感受性が高いとき。楽しいことだけを考え明るく朗らかな気分で休もう。
  5. プラスの考えの実践でポジティブに。利己的でなく「足る」を知り感謝の気持ちをもつ。
  6. 人生とは才能x努力x考え方:考え方がマイナスだと人生そのものがマイナスになってしまう。前向きであれば努力は報われ実力は開花される

中村天風の教えは重責を担われている西川会長の人生やビジネスの哲学になっていることに納得しました。京セラ創業者の稲盛和夫氏などの財界人やメジャーリーグで活躍中の大谷翔平選手などのスポーツマンも中村天風の教えを大切にしているそうです。世界にはステータスのある集まり、社交クラブがあり有意義な交流が図られていますが、社交も幸せな人生には大切な要素でパリクラブという組織の意義も高く評価くださいました。

日本快眠環境科学ラボの山倉所長によるプレゼンテーション「健康と快眠メソッド」

第2部として同社執行役員で日本快眠環境科学ラボ所長の山倉賢一氏が睡眠の専門家として快眠のメカニズムをご説明くだいました。要旨は下記の通りです。

*世界の睡眠時間を比較すると日本は2014年は7時間36分、2018年は7時間22分。日本はOECD参加国の中で常に最下位だった韓国を抜きついに世界ワーストワンとなりました。

*厚生労働省は2014年に健康づくりのための国民指針「睡眠12箇条」を制定。
第1条   良い睡眠で心も身体も健康
第2条   適度な運動、しっかり朝食、眠りと目覚めのメリハリを
第3条   良い睡眠は生活習慣病予防につながる
第4条   睡眠による休養感は心の健康に重要
第5条   年齢や季節に応じて昼間の眠気で困らない程度の睡眠を
第6条   良い睡眠のためには環境づくりも重要
第7条   若年世代は夜更かしを避けて体内時計のリズムを保とう
第8条   勤労世代の疲労回復、能力アップに毎日十分な睡眠を
第9条   熟年世代は朝晩のメリハリ、昼間の適度な運動で良い睡眠を
第10条  眠くなってから寝床に入り、起きる時間は遅らせない
第11条  いつもと違う睡眠には要注意
第12条  眠れない苦しみは抱えずに専門家に相談を

睡眠時間の不足と睡眠の質の悪化は生活習慣病を引き起こし、不眠はうつ病などの心の健康にも関連しています(日経新聞によると2015年国民医療費が42兆4000億円もかかってしまったとのこと)。日中の眠気はヒューマンエラーを引き起こし、その損失は15兆円にも上るという統計がでているそうです。
睡眠障害の早期発見、早期対応が望まれるとのことでした。

さらに快眠には3つのメリットがあります。

  1. 成長ホルモン(グロースホルモン)の分泌が働き、子供の成長、大人の場合は細胞の増殖や正常な代謝の促進。
  2. 睡眠不足はグレリン(食欲増進ホルモン)が活発になり肥満を引き起こしますが、良質の睡眠はレプチン(食欲抑制ホルモン)が働きダイエットに効果的。
  3. 体内時計を整える:毎朝同じ時間に起きて体内時計を整えることが大切(2時間ずれるとくるってしまう可能性が)
    朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる、朝食も起床の1時間以内なるべく同じ時間に。
    昼間は適度な運動を心掛け、アルコールは睡眠3時間前までに。ブルーライト、強い光は寝る前は避け、夜はゆっくり湯舟につかるのが理想。
    寝室の温度も調整しましょう。冬は室温16℃以上、湿度50-60%、夏は室温26℃以下、湿度50-60%が理想です。

私たちの日常生活の中でちょっと気にかければ実行可能なアドヴァイスでした。

幸せな人生を送るためには、つねにポジティブで正しい姿勢に心掛け、体内時計を整えて快適な睡眠を心掛けたいものです。
(記録:輝く会 森)

【開催済】第23回パリクラブ輝く会「幸せをつくる睡眠」講演会

世界で最もよく眠る国民はフランス人だと言われています。最近Nokiaが行なった調査でも、平均睡眠時間や眠りの深さ、睡眠の規則性といった点を総合すると、フランス人を世界一の睡眠巧者としています。

一方、日本は先進国の中で睡眠時間がいちばん低く、現代日本人のほとんどが睡眠不足に陥っています。睡眠不足が借金のごとく積み重なる「睡眠負債」は病気のリスクを高め、生活の質をも下げることが明らかになってきました。

そこで、ムアツふとんなど、優れた睡眠のための寝具を開発されてきた昭和西川株式会社会長の西川惠氏と、同社執行役員で快眠環境科学ラボ所長の山倉賢一氏のお二人にご依頼し、クオリティ・オブ・ライフを高め、幸せをつくるための睡眠についてのお話をしていただくことになりました。

西川会長は、波乱万丈の人生を送った哲人、中村天風の睡眠についての考え方と教えについて、山倉所長は睡眠のプロフェッショナルとして、健康と快眠の関係について語ってくださいます。

人生のほぼ三分の一を占める睡眠。この大切な睡眠について理解を深め、より良い睡眠を得る機会となれば幸いです。

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