2025年9月10日、株式会社ヘラルボニー代表取締役の松田崇弥氏の講演会が在日フランス商工会議所L’Espace にて開催された。岩手県出身の双子の兄弟がこの企業の共同で代表を務めている。実はこの双子の兄弟には重度の知的障害のある4歳年上の兄がいる。何故この双子の兄弟が当事業を始めたかについて、松田崇弥、松田文登共著、”異彩を放て。ヘラルボニーが福祉xアートで世界を変える” (新潮社, 2022年)に以下の記述がある:
働き始めてからも僕ら双子は、ことあるごとに”いつか福祉の仕事に携わりたいね”と話していた。それは、兄の暮らすこの世界を、少しでもマシにしたいという思いからだ。兄に対する冷たい視線を、ずっと見て見ぬ振りをするのはもう嫌だった。”障害者”という言葉に押し込んで、兄の、兄自身の個性や人格を見ようとしない社会にうんざりとしていたのだと思う。(pp. 54-55)
彼らを社会に順応させるのではなく、彼らが彼らのままでいられるよう、社会の方を順応させていく。(p. 100)

