
輝く会ではこれまで音楽に関するイベントも開催してまいりましたが、今回はシャンソンを知り尽くした音楽ライター 十川ジャンマリさんを迎え、フランスの歌謡界、政界、芸能界が交差する微妙な関係を語っていただきます。
ジャンマリさんからご講演前のコメントです。
「シャンソンの話をする時に、もちろん恋愛は避けて通れない テーマです。これは例えですが、皆様ご存知のエディット・ピアフの人生を一枚の美しいタペストリーだとすれば、縦糸の シャンソンと横糸の恋愛で織りなされていると表現すること ができるでしょう。彼女は、歌うことと恋することで人生のほとんどを費やしたと言っても決して過言ではありません。 ピアフの人生は、映画などでよく知られていますので、今回の講演では、ダリダという容姿端麗な女性歌手を取り上げ、 アラン・ドロンから始まりミッテランで終わる、彼女のラヴ・ストーリーを辿りたいと思います。
恋愛以外にもう一つ、シャンソンには階級間闘争という重大なテーマがあります。中世の時代、王権と教会権力によって 音楽は一部の人々に独占されていました。クラシック音楽家たちは、王侯貴族や教会に雇われていました。
はっきりと シャンソンと呼べるものが形作られたのは、フランス革命以降です。講演では、パリコミューンの時にできた『さくらんぼの実る頃』から現在に至るまでのシャンソンの歴史を振り返り、加えて知られざるミッテランの功績についても解説したいと思います」