【レポート】ドキュメンタリー・フィルム『霧の向こう』(Au-dela du nuage)上映会とフランス人女性監督との意見交換会

対談での質問では、さまざまな視点から原発について考える意見が。

対談では、日本人へのエールを送っていたケイコ・クルディさん。

対談では、日本人へのエールを送っていたケイコ・クルディさん。

上映が終わると、次はケイコ・クルディさんと映画評論家の杉原賢彦さんとの対談。杉原さんは映画の中で印象的だった言葉を取り上げながら映画が伝えたかったことを解説しました。
震災後の日本の混乱を見ていた時の思い。そして、福島を訪れた時の思いを語ります。一年間の取材活動を通じて感じたことがすべて映画につながっていったのだと。このドキュメンタリー映画には「Yonaoshi」という副題が付いていますが、日本を変える行動を起こすのは皆さんであるともケイコさんはおっしゃっています。

映画評論家の杉原賢彦さんは、映画の中の印象的な言葉を取り上げました。

映画評論家の杉原賢彦さんは、映画の中の印象的な言葉を取り上げました。

対談で会場の熱が高まってきたところで来場からの質問の時間へと移ります。こういった原発問題を取り上げた映画の上映会としては異例の人数が集まったということもあり、あちこちで挙手され時間が足りないほど。
日本人はシャイなのであまり自分の気持ちを出したがらない。その中で外国の方にインタビューされたからこそ、本当の気持ちを表せる映画になった。日本人としてありがとうと言いたいという意見。環境問題を専門とするエンジニアからは、廃炉を含めれば福島第一原発事故は100年以上かかる問題だ。今、原発の研究がストップすると廃炉をする人材が育たなくなるので、そういった側面もとらえて欲しいなど、さまざまな視点から活発な意見交換がなされました。
最後に、震災の時に子供だった世代から日本を良くする人材が現れるはずだという意見に、ケイコ・クルディさんは大きくうなずき「日本を良くするために、皆さんが動くことが大切です」というメッセージを会場に送りました。