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Dandy Fourチャリテイー・コンサート

日時 2004年7月27日
場所 新宿京王プラザホテル5階

0727-concert-17月27日夕刻、新宿京王プラザホテル5階の宴会場ロビーは、着飾ったシルバーカップルで、立錐の余地もありませんでした。 18年前に結成されたアマの男 性コーラス・カルテット、今やすっかりファーンも増え、常連のみならず、追っかけまでいると言うのです。 来る9月11日のパリ公演にも、既に30~40 名の追っ掛けが名乗りを上げているそうです。

パリ公演となれば放って置けないのが我等のパリクラブ。 その上コンサート収益金の一部がメドウサン・デユ・モンドに寄付されるとなれば、是非応援 しようと協賛を申し出たのです。 パリクラブからは15名が参加しました。470名全員着席の大デイナーが盛り上がった頃、Dandy Fourの公演に毎回友情出演しているNHKの名アナ、宮本隆治氏の歯切れのよい司会が始り、いよいよDandy Fourが、足取りも軽やかに登場致しました。 

紅一点はピアニストの西田量子さん。 平均年令64才のコーラスメンバー、トップテナーは商社マンだった根岸さん、セカンドテナーは市役所勤務の畑 さん、バリトンはホテルマンだった淡野さん、ベースはエアライン出身の西川さんでした。 Dandy Four結成の場所に因み、先ず北海道の歌のメドレーが披露されました。 続いて得意なレパートリーである、懐かしい世界の歌が軽やかに歌われました。  そしていよいよパリ公演に備え特訓を重ねて来た、フランス語の歌曲が披露されました。

0727-concert-2鼻の中に水を吸い込ませると、フランス語の美母音が美しく響く、と眉唾の秘伝を伝授した手前、ボクシングのセコンドのように手に汗を握りしめながら、ボク サーならぬDandy Fourの舞台に、聞き耳を立てておりました。 彼等は実に忠実に、フランス語の歌の練習の成果を披露してくれました。 ある口の悪いパリクラブのメン バーの一人が、フランス人が聴いたら「日本語ってフランス語に似ているねー、と言うかも」と呟きました。

こんな軽口はともかく、日頃専門家の指導を受け、真面目に練習を重ねているDandy Four、流石に見事なアンサンブルで終始観客を楽しませてくれました。 彼等は自ら、今回のフランス公演は「暴挙」と表現しておりました。 でもこと東 京公演に関する限り、まさに「快挙」ではなかったでしょうか。470名満員御礼の実力に対し、謙虚にシャッポを脱ぎました。 以上

文責 蘆野

qu’est ce que le ZEN?

「禅って何」とお聞きすると殆どの方が、「座禅でしょう、知ってますよ」とお答えになった。
「なさったことありますか」と更にお聞きすると、殆どの方が「—————-」。

日時 2004年7月21日
場所 曹洞宗日輪寺
蘆山人 俳画「食事作法修行之図」

蘆山人 俳画「食事作法修行之図」

7月21日夕刻、文京区江戸川橋に近い曹洞宗日輪寺に、探究心旺盛な日仏の善男善女が三々五々と集まって参りました。 総勢21名。 山門を通る と、そこには沈黙の世界がありました。 ここも東京なのか、俄には信じ難い静寂の世界がありました。 平素仏語会話を大の苦手とする私も、今夕だけは胸を 張ってフランス人の参加者に接することが出来ました。 お互いに黙ってニコッと笑うことで用が足りたからです。

沈黙の世界は突如、土蔵利生(トクラトシオ)氏の作法心得の説明によって破られました。 今回のイベントのプロモーターである真矢さんのフランス語 の通訳が、ご住職のお声の後に心地よく響き渡りました。 再び沈黙、15名の座禅組が本堂に赴き、いよいよ第一部の修養が開始されました。残された6名 は、皆黙々とそれぞれの役割に従って立ち働きました。

第二部は食事作法の体験でした。 10名が選ばれ、残りの参加者は固唾を飲んでこれを見守りました。 修行僧が食事中に音をたてたら、食事抜きの罰 が与えられるそうです。 誰かがタクワンを噛む音が聞こえ、一瞬ヒヤッとしました。 日頃正座することのない大半の参加者、足の痛さに耐えかね、見るも気 の毒なご様子でした。 食べる、と言うことも大切な修行の一つなのでしょう。

第三部はご住職の講話でした。 座禅は目的を持たない。 持ってはいけない、との戒めでした。 健康のため、心を休めるため、と色々自分なりに目的 を作った場合、自分勝手に目的は達成された、と思い込むからだそうです。雑念を取り払うことなど、一生かけても到達し得ない境地かも知れません。 それで も毎日最低2回、1回に3分間でよいから、時と場所を選ばず背筋を伸ばし、静かに深い呼吸を行ないながら座禅を行ないなさい、とのお薦めでした。

第四部は典座料理祝禅でした。 今風に言えばガーデンパーテイーでした。鬱蒼とした木々に囲まれた素晴らしい庭園。 各所に光が点され、幻想的な空 間が演出されておりました。 目の前には新鮮な野菜が並び、豆腐の焼ける匂いが漂って来ました。 どのような作法が待ち受けているのか、一同神妙に立ちす くんでおりました。 そこへ若い数名の塾生さんが竹筒を持って現れました。 何とその中には冷酒のシャーベットが入っておりました。一同小杯にシャーベッ トを注いで戴き、ご住職のご発声を合図に一斉に乾杯を致しました。 五臓六腑に染み渡る、とは正にこのことでしょう。

長い沈黙、馴れぬ作法で緊張気味の参加者達、2杯、3杯と戴くうちに徐々に打ち解け、やがて楽しいパーテイー気分となりました。 これほどファン シーな野外のガーデンパーテイーは、そう滅多にお目にかかれるものではありません。 シャーベットのお陰ですっかり饒舌になった我々、好奇心丸出しで今度 はご住職に質問の矢を浴びせ始めました。

「このお寺では座禅の後で、こんな楽しいパーテイーを毎回やるんですか」「トンデモありません。 このような祝膳は、せいぜい年に2~3回行なうだけです。 今日はフランスの方々が大勢座禅の実習に来られたので、おもてなしをした訳です」とのお答えだった。

自ら休肝日を設けることの出来なかった意志薄弱な私、シメタッ、今夕は禅寺だからアルコール抜きに過ごせる、と密かに期待をしておりました。 その期待は脆くも崩れ去りました。 これほどタップリとシャーベットを堪能したことは、未だかつてありませんでした。

探究心旺盛なフランスの方々のご参加のお陰で、かくも素晴らしいガーデンパーテイーを楽しませて戴きました。 それにしてもあのシャーベットの味は、生涯忘れられそうにもありません。 修行って難しいものですね。 そんな思いを抱きながら、千鳥足で山門を後にしました。

文責 蘆野