【開催済】第15回 Salon de Paris Club「多数決は社会を幸せにするのか?多数派の専横を防ぐ意思決定理論とは」

Tyranny of the majority(多数派の専横)という言葉は、多数派が多数派であることそのものを理由に自らを過剰に正当化して少数派を排除したり弾圧したりする危険性を指します。多数派だからいいじゃないか、民主主義とはそういうものだ、と納得していませんか。

そんなことはありません。

多数派なら専制を行ってもよい、という主張は民主主義の一部ではありません。「そういうもの」ではないのです。ましてや、多数決によって何でも決めてしまえ、と考えるのはあまりにも乱暴です。

いかにして民主的な決断をするべきか?人類の長い歴史の中で多くの偉人たちが論を重ねてきたにもかかわらず、私たちはまだその答えを知りません。歴史的には、ルソー、コンドルセを始め多くの思想家が集団的意思決定について考察し、アメリカ合衆国「建国の父」たち、トクヴィルなどが民主的意思決定、政治制度設計について論じてきました。

 本講演では、集団的意思決定において現代人が知っておくべき科学的な方法について紹介します。ゲーム理論、社会選択理論、行動経済学、実験経済学、投票理論などの発展に伴い、科学的な研究に基づき、データを用いてより「望ましい」社会的意思決定制度の考察が行われています。そうして生まれたEBPM(Evidence-Based Policy Making)は優れた性質を持つことが知られており、その実践例から私たちの日々の社会的意思決定にいかにして応用すればよいか学ぶことができます。

 しかし同時に、生身の人間が集まった社会においては、データだけで望ましい決定ができない例があまりに多いことを私たちは経験的に知っています。近年まで科学は人の心の動きや納得感などを考慮に入れるのが苦手な面がありました。最新の研究成果の紹介を通して、理論だけではなく、人の心にひびく施策を行うにはどうすればよいか、望ましい社会的意思決定とは何かを考えていきます。

日 時 2023年7月13日(木)18時30分より(受付は18時より)
場 所 Citron 外苑前
東京都港区南青山2-27-21 セイリンビル2階  Tel:03-6447-2556
銀座線 外苑前駅(A1出口)より2分
https://citron.co.jp/access
プログラム 18時30分:郡山幸雄氏 ご講演、質疑応答
19時45分:懇親会
言 語 講演は英語、質疑応答は英語または日本語
募 集 30名
参加費 パリクラブ会員 5000円、 一般 7000円
主 催 日仏経済交流会(パリクラブ)
協力団体 在日フランス商工会議所、日仏経営学会

お申込み:お申込み:パリクラブのHPより7月10日(月)までにお申込みください。
お申込みいただいた後、振込口座をご案内いたします。お振込完了後に正式なお申込みとなります。
*7月11日以降はキャンセル料(参加費全額)が発生いたしますのでご了承ください。

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郡山幸雄 / Yukio KORIYAMA, Professor, Ecole Polytechnique

郡山幸雄氏 1974年大阪生まれ。灘中学・灘高等学校、東京大学理学部数学科卒業。同大学大学院数理学研究科修士課程修了。エコール・ポリテクニーク留学中にゲーム理論に出会い、数学から経済学に転向する。シカゴ大学経済学部ではロジャー・マイヤーソン(2007年ノーベル賞)指導のもと2009年博士同取得。同年よりエコール・ポリテクニークにて教鞭を取る。専門は集団的意思決定理論で、ゲーム理論、実験経済学、行動経済学を用いて社会的意思決定メカニズムの分析、とくに投票理論の研究に取り組む。フランス、アメリカの他中国、南アフリカに在住し75カ国に滞在した経験から、広い視野を持ってより良い民主的意思決定理論の発展と実践を目指す。趣味の大道芸ではピーター・フランクル氏に従事し、これまで38カ国で大道芸を披露した。

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