【レポート】第24回パリクラブ輝く会「海外セレブリティが注目する最新リゾートとアート」

7月15日話題のバスク地方の三つ星シェフが監修するレストラン「ENEKO 東京」にて、ハースト婦人画報社のラグジュアリーメディアグループ編集局長を務める十河ひろ美さんをゲストにお迎えし、富裕層のトレンドについて講演が行われました。また、ファッション界やスーパーリッチと交友関係のあるイギリスの名門校セントラル・セントマーティン出身の注目のアーティストMICO MAIさんの作品がアペリティフ会場で展示され、十河ひろ美さんのトークにも加わり会場を盛り上げました。講演会に先立ってパリクラブの会員でもある村上裕子さんが登壇し、6月パリ・オペラ座ガルニエ宮で行われた華麗な着物ショーの映像も会場に流れました。この日のドレスコードがヴァカンスということもあり、着物ショーに出演したメンバーの方々も駆けつけ、「輝く会」のその名の通りゴージャスにきこなした色とりどりの淑女で会場がいっぱいになりました。

25ans リシェスの編集長を兼務する十河ひろ美さんの回顧録

十河ひろ美さんは、25ansとリシェスという2大ラグジュアリーマガジンの編集長を兼務し、ラグジュアリーな世界を実際にその目で見て体験した日本人女性の中では屈指の一人と言って差し支えないでしょう。その姿からは洗練された余裕のある雰囲気がにじみ出ていました。
講演会は、フランスでの独立記念日のパリ祭を皮切りに本格的なバカンスが始まるということで、「セレブリティーが注目する最新リゾート」をテーマに、十河さんが現地で取材したスライドとともに語ってくれました。まずは、ローマの話でスタート。サンタンジェロ城でブルガリが展覧会を開催中ということですが、昨今は、ハイブランドによる展覧会の開催がひとつのトレンドになっているそう。例えばルイ・ヴィトンは旅をテーマに各国で多数行っており、またパリ郊外には世界的に著名な建築家フランク・ゲーリーが手がけた美術館があります。カルティエも同様に時をテーマにした展覧会を頻繁に開催していて、今秋には六本木の新国立美術館で行われる予定です。他にもヴァンクリーフ&アーペルが数年前に京都で、ショーメが昨年に東京で展覧会を開催するなど、長い歴史をもつラグジュアリーブランドは、過去のヘリテージを大切にし、お客様にその価値を伝えていく、そうした活動が今積極的に行われているのだそうです。

次のお話はフランチャコルタ地方へ。フランチャコルタとは、フランスのシャンパーニュ地方と同じように、スパークリングワインが作られているイタリアの有名な産地のひとつです。
その中には、フランチャコルタ協会の会長がオーナーのホテル「ラルベレータ」が有り、そこのコンセプトが最近の海外セレブが注目するリゾートの傾向をよく表しているのだとか。ここのホテルでは、地産地消の自然食材を使った健康志向の料理を始め、館内をバスローブ姿で移動できたり、スパ施設が充実しています。つまり最新リゾートは、リトリートメントやデトックスを重視しているのがトレンドなのです。また、近くにはベラビスタというフランチャコルタを代表するワイナリーが有り、車で数分の距離ですし、様々なアクティビティや体験が出来ることも注目されるポイント。ホテルに限らず最近ではワイナリーでも、アート収集や建築に凝るところが多く、ワイナリー施設内ではコンテンポラリーアートをはじめ美しい作品を多々見ることが出来ます。

本命は、エクス=アン=プロヴァンスのシャトー。とにかくアートが凄い!

今回の十河さんの取材ツアーの本命は、エクス=アン=プロヴァンスにある「シャトー・ラ・コスト」というワイナリーに隣接する「ヴィラ・ラ・コスト」だったと明かしてくれました。そこの敷地内には、フランク・ゲーリー、アレクサンダー・カルダーを始め、世界的に有名な杉本博司や宮島達男のコンテンポラリーアートの作品などが数え切れないほど並んでいました。アートセンターの建物は安藤忠雄の設計で、十河さんはそれをみて、大好きな瀬戸内のアートアイランドとして有名な直島を思い出したそうです。とにかくアート好きには堪らない空間となっていて、そして、レストランやサービスのクオリティも素晴らしいそう。本当に羨ましい話が続いて、会場から溜め息が漏れていました。そのあとは、シャネルのオートクチュールでの会場の様子や、多少オフレコの話も混じり、来場者を惹きつけました。

無職なのに大富豪!?MICO MAIが語る本当のハイエンドとは!?

十河さんから、MICOさんへ「富裕層のお友達付き合いが多いと聞いてます」という問いかけから、話は大きくなって行きました。MICOさんが、中東やインドの友人がお城に住んでいて、MICOさんと一緒に遊びに行くところが、砂漠だったり、人工島だったりと、とにかくトンデモナイ世界なのだという。ドバイやアブダビにもよく行くそうで、滞在先ではアクティビティで乾燥地帯に強引に大金を使って作られたサファリに行った思い出を語ってくれました。その話を聞いていた十河さんから「いま、思い出しましたが、世界的なハイエンド層には無職という方も少なくないんですよね。資産管理だけで目も眩むような豪奢な生活とは、まさに別世界のお話ですね」と。そこから、イタリアのサルデニア島やモナコのコート・ダジュールなどのメガヨットの話などに飛び火しました。それともう一つMICOさんが語った中に重要な要素がありました。富裕層の中でもアーティストは、インスパイアされる目的で、アドベンチャーを求める傾向が強く、その方向でも一定の需要があり、ラグジュアリーリゾートにもその波がきているという話です。ボツワナ、アラブ、出羽三山など様々な土地を旅して来たMICOさんからは「旅は死にそうになるし、心臓が痛い」というアーティストならではの名言も飛び出しました。
そんな、様々な方向性から夢の様な最新リゾートの話題で盛り上がったあと、気持ちの良い屋外の空間でMICOさん、十河さんを交えてのレセプションへと移り、メンバー同士の懇親が深まる素敵な時間が流れました。

十河さん、MICO MAIとパリクラブ 理事輝く会メンバー

十河さん、MICO MAIとパリクラブ 理事輝く会メンバー