【レポート】パリクラブ見学会《東京多摩の老舗酒蔵を訪ねて》

パりクラブでは、11月10日(土)に 昨年好評であった東京都福生市にある老舗の酒蔵、石川酒造見学会を開催いたしました。
10時50分 JR青梅線の拝島駅に集合、『昨年も参加して大変良かったので』というリピーターの方もいました。今回はお天気にも恵まれ、秋晴れのなか、おしゃべりをしながら歩いて20分程度で到着です。

石川酒蔵は、1863年創業の蔵元で、敷地内には国の登録有形文化財に指定された建造物が6棟もあります。
社長のアシスタントをされている畠山さんがまず本蔵へご案内くださいました。ここで日本酒多摩自慢が醸造されているとのこと、日本酒ができるまでの工程などをご説明いただきました。この本蔵は1880年に建築されたそうで、当時の棟梁、木こりの名とともに、《家運長久、子孫繁栄、天下太平》と記された札が梁にあり、石川酒造の発展を祈るものとして大切に残されているそうです。

本蔵の重厚な扉をでると、樹齢400年以上といわれる見事な欅が2本ありました。夫婦欅と名付けられ、根元にはお米の神様《大黒天》様とお水の神様《弁財天》様が祀られていました。

日本酒造りには、仕込み水が品質の良さを左右する最も大切なものになりますが、石川酒造では150m地下からくみ上げる天然水を使用されているとのこと。このあたりは当時から玉川上水の分水を利用し、発電や精米も行っていたそうです。
またお米は兵庫県産の山田錦を使用されているそうです。

日本のビール草創期は明治20年頃だったそうですが、石川酒造では当時ビールの醸造も行ったとうかがい驚きました。その後ビールは時期尚早で醸造は長くつづきませんでしたが、111年後にあたる平成10年に当時からの土蔵である向蔵ビール工房で、クラフトビールの醸造を復活されたとのことです。

その向かいには樹齢700年の御神木があり、周囲は4.48メートルもあります。石川家のケヤキと呼ばれているそうです。

ざっと拝見したところで、本蔵の前に戻り、いよいよ試飲です。
今回は4種もありました。純米酒 八重桜、純米大吟醸 たまじまん、なま酒 あらばしりと梅酒でした。ここで日本酒の種類についてもご説明いただきました。

試飲の後は、蔵元ならではの日本酒とクラフトビールが揃うイタリアンレストラン《福生のビール小屋》へ。お天気も良いので、テラスで食事をされている方も多く、大変な賑わいでした。
私たちもイタリアンコースランチをいただきました。生地から釜でやくピザや地元のソーセージ、旬の食材を使ったお料理など、お昼から4種類のビールと《多満自慢》のフリードリンクです。
今回はフランス人の方が5名いらして、会話も弾み楽しいひとときでした。
前回訪問時には《雑蔵》という和食レストランでの会食でしたが、現在はレストランはクローズされ、資料館になっていました。

食事の後、《酒世羅》Sake Cellar という売店を覗くと、《多摩の恵》というとても雰囲気のあるラベルのビールが並んでいました。また数年前から東京クラフトビール、TOKYO BLUES という新銘柄も発売されているそうです。もちろん多摩自慢などいろいろな種類の日本酒があり、酒粕を使ったクッキーもありました。

東京にある老舗の酒蔵で日本酒だけでなくビールも醸造されていていることを知る良い機会でした。登録有形文化財に指定された建物も見学し、何よりおいしいお酒をいただきながら土曜日のひとときを有意義に楽しく過ごすイベントとなりました。