【レポート】成嶋志保 レクチャー・コンサート

参加者のみなさんは、成島さんのレクチャーに熱心に聞き入っていました。

参加者のみなさんは、成島さんのレクチャーに熱心に聞き入っていました。

クロード・ドビュッシー
「アラベスク1番」、「亜麻色の髪のおとめ」、「西風の見たもの」

まずは、ドビュッシーの曲からスタート。そこには、軽妙かつ当時のフランスを感じさせる成嶋さんの解説が入ります。これらの曲が作られた背景を、パリ博など世界の文化が交流しあった当時の文化と重ねました。

「1889年のパリ万博というのは色々な芸術家に影響をもたらしているのですが、ドビュッシーもその一人。ガムラン音楽に触れたのは時で、その後 アジアの音楽に触れる機会もあったようです。そして、19世紀から20世紀にかけてジャズの音楽がパリに入ってくると、パリの音楽家たちはジャズのリズム感と色愛に引き寄せられていきました。 そんなさまざまな音楽がミックスしていた時代に作曲された作品なのです」

セシル・シャミナード
「孤独」、「テーマと変奏」

そして、次は当時としてはとても珍しかったという女性作曲家、セシル・シャミナードの曲を演奏。19世紀当時は、女性が演奏するのはタブーに近かったという時代背景があるそうです。

「まだ20世紀初頭19世紀では女性が作曲するというのはあまり普通ではないと思われていて、オペラ座のオーケストラもウィーンのオーケストラと同じく女性は禁止されていました。男装した女性演奏家があまりにも上手いので、パリのオペラ座に採用したら、実は女性だということが分かり、審査員が驚愕したという逸話が残っているくらい。
そんな時代に、シャミナードはアメリカでもイギリスでも演奏をたくさん行っていたのです。イギリスではシャミナードの香水や石鹸が作られるほどであり、アメリカではシャミナードクラブというのが存在するほど当時彼女は有名でした」

成嶋さんはシャミナードを高く評価しておりここ数年の演奏会には彼女の曲を必ず紹介しているそうです。