【レポート】第10回 パリクラブ輝く会 安倍昭恵夫人講演会

グラスにはもう半分しか残っていない

また障害者を支援する団体が主催する「LIVES東京」というイベントに参加された経験にも触れ、障害を持つ人々は時として「社会の負担」と見なされることがあり残念に思うと述べられました。
「日本人は悲観的で、グラスにはもう半分しか残っていないと考えている」が「私たちひとりひとりは補い合う義務をもって生まれたと思う」と彼女は続け、単に「自分ができる得意なことを活かして」いけばよいのであり、「自分が出来ないことに対して誰かに助けてもらうことは恥ずかしいことではない」という見解を示されました。

家庭内野党

次いで安倍昭恵夫人は夫の安倍首相が最初の任期(2006年〜2007年)に健康上の理由から辞任した苦しかった経験について語り、この間、彼女は謙虚に「良い妻に徹するのが最善」、「夫の邪魔をしない」ことを徹底したそうです。安倍晋三氏は辞任後は辛酸をなめる状態であったが、2009年に選挙区で再選を果たし、2012年に自民党の総裁に就任されました。昭恵夫人ご自身が変わったのは、夫の2回目の首相就任(2012年12月)以前のこと。彼女は大学で再び学ぶ道を選び、2011年3月に立教大学大学院社会デザイン研究科にてマスターを取得しました。それによって彼女は自分自身のアイデアを発展させる方法を体現できるようになりました。夫から「家庭内野党」というニックネームをつけられましたが、彼女は今、自分の役割が「国民に語りかけ、安倍首相に国民の不満を伝える」ことであることを感じているそうです。
日本のファーストレディーは、首相である夫と政府の方針が本当に国民にとってよいものであるか、自分なりに考える姿勢を繰り返し取り続けることによって自らの精神を印象付けています。
未だ保守的な日本の社会において女性とマイノリティを擁護し彼らの存在意義を高める声を上げ続けているのです。

最後に参加者の多くが聞きたかったことを察してくださり、フランスの新大統領 エマニュエル・マクロン夫人、ブリジットさんの印象をお話しくださいました。G7でお会いする機会のあったフランスのファーストレディーのブリジット夫人は大変魅力的で引率力がある方。同じ車に乗り合わせていたところ、「歩道に出て皆さんに挨拶しましょう」というブリジット夫人の呼びかけで予定されていなかった行動に出たが、何の問題もなく多くの人たちから大歓迎されたのがとても印象的だったとのこと。 昭恵夫人とブリジット夫人はお互いに好印象であったようで、私たちとしてもこれからのファーストレディー外交に大いに期待したいものです。