【レポート】セミナー「ラベルから見るフランスと日本のワイン」

フランスで運用されているルールと比べても問題点はある

蛯原先生は、この新しい日本ワインのラベル表記に関する詳しい解説を加えながらもその問題点も指摘しました。ぶどうの生産地と醸造所が離れている場合などでフランスでも隣接していないと産地表示できない厳しいボルドーと、100キロ近く距離があった場所で醸造しても許しているブルゴーニュなど地域によるルールはあるそうです。塩尻のワインは、新しいルールが適用されると、塩尻市または隣接する市町村で醸造しないと、塩尻の産地表示ができなくなる可能性もあるそうです。

一方で、地理的表示「山梨」の基準も紹介。日本で「GI山梨」を実現するための厳しい条件について解説しました。ここで、講義は試飲タイムをはさみます。座学が続いた中で、ふくよかでフルーティなワインの香りが会場を包みます。

厳選したワインを楽しみながらの懇親会。ワイン談義で盛り上がります。

厳選したワインを楽しみながらの懇親会。ワイン談義で盛り上がります。

そして、講義はさらに詳しいフランスやEU諸国のワインラベル基準へと話が進んでいきます。そこで運用している義務的記載事項や任意的記載事項の違い。ビンの形状にもルールがあるということ。そして、法的保護(違反すれば罰則規定がある)など、長年ワインという文化と産業を続けてきたからこそできてきたルールについて深く解説していただきました。

大変、内容の濃い、盛りだくさんなテーマを扱ったセミナーとなりましたが、講義のあとは食事とワインの時間へと移ります。ラベルについての深い知識を得たあとに味わうワインはどうだったのでしょう。

ワインに合う料理が好評でした。

ワインに合う料理が好評でした。