高齢化の進展に伴って、認知症ケアが世界的な課題となっている昨今、体育学の教師だったイヴ・ジネスト氏とロゼット・マレスコッティ氏が作り上げた認知症ケア技法「Humanitudeユマニチュード(人間らしくある状況)」が注目されています。
ユマニチュードは、人間尊重の「哲学」と人間の心身のメカニズムや知覚・感情・言語に基づいたケア技法であり、誰もが習得できるように教育システムとして体系化され、36年の実績があります。4年ほど前に総合内科医の本田美和子先生が日本に紹介され、その普及が本格化しようとしています。
ユマニチュードの技術により、うつ状態や暴力的症状の人も心穏やかに明るくなることから「魔法のよう」とテレビや新聞などで紹介され、講演会はいつも盛況、著書はベストセラーになりました。最近ではNHK「クローズアップ現代」や「あさイチ」でも紹介されたためご存じの方もおられると思います。もちろんユマニチュードは奇跡や魔法ではなく、具体的な技術とエビデンスに裏付けられた科学的なケア技法です。
今回、そのユマニチュードの考案者、イヴ・ジネスト氏が日本の介護現場の研修指導のため来日することになり、研修の合間を縫って、なんとパリクラブのために講演してくださることになりました。 日本に「ユマニチュード」を導入した内科医の本田美和子先生、「ユマニチュード」の有効性を科学的・情報学的に評価する研究に取り組んでいる静岡大学教授の竹林洋一先生と共に、「ユマニチュード」の素晴らしさを学びたいと思います。
奮ってご参加いただきたく、ご案内申し上げます。
講演会後は簡単な懇親会を予定しております。
開催日時 |
2016年7月4日(月) (受付:18:00) 講演会 18:30~20:00 懇親会 20:00~20:30 |
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開催場所 | 日仏会館 2F ギャラリー 東京都渋谷区恵比寿3−9−25 |
主催 | 日仏経済交流会(パリクラブ) |
共催 | 在日フランス商工会議所 |
定員 | 先着60名 |
言語 | フランス語、日本語 (通訳付) |
参加費 |
パリクラブ、在日フランス商工会議所、日仏会館会員 2000円 一般 3000円 |
申込締切 | 7月1日(金)締切日以降のキャンセルにはキャンセル料が発生します。 |
登壇者プロフィール紹介
イヴ・ジネスト Yves Gineste
体育学の教師としてロゼット・マレスコッティ氏と共に1979年、フランス文部省の要請で病院職員の腰痛対策に取り組み、医療および介護の現場で小児から高齢者まで幅広い対象者へのケアを実践し、その経験からケア技法「ユマニチュード」を創出した。
人間愛の哲学に基づく実践的ケア技法は、欧州のみならず日本、カナダ、米国で普及が進んでいる。2014年から静岡大学客員教授
本田 美和子(ほんだ みわこ)
国立病院機構東京医療センター 総合内科医長
1993年筑波大学医学専門学群卒業後、国立病院機構東京医療センター、亀田総合病院等を経て、米国でトマス・ジェファソン大学内科、コーネル大学病院老年医学科でトレーニングを受ける。その後、国立国際医療研究センター・エイズ治療研究センターを経て2011年より現職。日本にユマニチュードを紹介し、様々な機関と連携しながらユマニチュード普及を推進している。
竹林 洋一(たけばやし よういち)
静岡大学大学院総合科学研究科教授
1980年東北大学大学院博士課程修了(工学博士)。東芝総合研究所研究員、マサチューセッツ工科大学メディア研究所客員研究員、東芝研究開発センター技監などを歴任し、2002年静岡大学教授、デジタルセンセーション株式会社会長を兼務。音響信号処理、音声対話システム、人工知能の研究に従事。現在、情報処理学会高齢社会デザイン研究会主査、人工知能学会近未来チャレンジ「認知症の人の情動理解基盤技術とコミュニケーション支援への応用」チャレンジャー、2012年より「認知症情報学」の研究に取り組んでいる。