【レポート】輝く会 第4回「輝く女性とトランクいっぱいのパリ」

どんなテーマでも旅が楽しくなるコツ

続いては、どんなテーマで旅をしても、これをちょっとやってみると、旅が楽しくなるというコツについて。堤さんが実践されていることを3つご紹介頂きました。どれもそう難しいことではないので、みなさんも参考にされてはいかがでしょうか。

その1「ありがとうを配ろう」

堤さんが携帯している「ありがとうグッズ」

堤さんが携帯している「ありがとうグッズ」

旅行前に鶴をいくつか折り、小さいポチ袋を用意します。さらに前回の旅で余ったコインなども、2~3ユーロ位を小分けにしていくつか作っておきます。この小銭はパリで全部プレゼントするためのもの。路上にホームレスが座っていたり、教会に寄付のボックスがあったり、地下鉄でストリートミュージシャンがバイオリンの演奏をしていたり――。ホームレスはちょっと気が引けて……と思われるかもしれませんが、あるとき堤さんの知り合いが、こんなふうにアドバイスしてくれたそうです。「そんなことを気にせず、その国に入ったら1日何回かプレゼントすると、それだけでその国の神様は見てくれているよ」と。実際、プレゼントを始めてから、不思議とラッキーな出来事が続いているのだとか。

折り鶴のほうは、出会った人とのコミュニケーションツールとして重宝します。ポチ袋に入れてお渡しすると、それはもう立派なプレゼント。あるとき、わんわん泣いている赤ちゃんが目に入り、そこで折り鶴を渡すと赤ちゃんがふっと泣き止んで、お母さんに物凄く感謝されたことも。このように活用すると、大変喜ばれるだけではなく会話もはずみ、近所の素敵な文房具屋さん情報を教えてもらえたりするそうです。

その2「一期一会のサインをもらおう」

旅先で出会った人に声をかけ、サイン帳にひとこと書いてもらいます。相手は誰でもかまいません。堤さんはクリスマスの時期に行くことが多いので、「メリークリスマスって書いてください」とお願いするそうです。みなさんとても丁寧に書いてくれ、さらには書いてくれた人に記念撮影もお願いしたり……。サインだけでは顔を思い出せないことも多そうですから、写真もあると思い出が鮮明になりますね。カフェ、クレープ屋さん、パン屋さん、キヨスクなどでサインを集め、一期一会の出会いを楽しんでいるそうですが、ときにはサインをしてくれた人と次の年にまた会うことも。フランスの神様が引き合わせてくれた偶然なのでしょうか。なんだかドラマチックでいいですね。

その3「旅のあれこれをシステム手帳に記録して整理整頓」

「黄色」が堤さんのメイン手帳

「黄色」が堤さんのメイン手帳

続いてはシステム手帳の活用法。堤さんはメインの手帳と、去年の夏に発売されたルフトのトリコロールカラーの3色の手帳を持って行きます。まずメインの黄色の手帳には、ノートだけでなく、ジッパーのついた透明のファイルがついており、ここに先ほどのお話にあった折り鶴やユーロの小銭、パリの回数券や切手、ショップカードなど、現地で使うものを全て入れます。さらに、A4のコピー用紙を半分に折り曲げ、穴を開けるとノートにピタッと入るので、1日に1ポケットを作ります。そこにはコンサートの半券、行ったレストランのショップカードやコースター、搭乗券、その日行った所でもらったありとあらゆる紙片を入れていきます。あとは行動記録などを記したメモも。そして、端にインデックスをつけておけば、帰る時には「旅日記」の出来上がり。半券などの整理に困っている人には、とても役立つアイデアですね。
旅の最中に活躍するのが青いノートです。これは一期一会のサイン帳も兼ねています。そのときに撮った写真を日本に帰ったあとに現像して、それに穴を開けて同じページに綴じます。穴をあける道具も付いており、何でもパチンとファイリングできる優れものです。
そして、赤い手帳は旅に行く前に作る手帳です。行きたいお店のコピーや以前に行ったお店のショップカードなど、行きたい場所に関するものをここにファイリングします。行きたい所に行ったら、この赤いファイルからはずして、メインの手帳のポケットに入れていきます。赤いファイルから無くなれば、行きたい所に全部行ったことになり、帰りには、この中に「旅日記」が完成しているのです。あと、一応もう1冊用意しておくのは、何でも使えるように、白いページだけを入れた予備のノート。これが堤さんのフルセットになります。
システム手帳のメリットは、どんどん中身を入れ替えられる点。旅が終わったら、今回の旅の分を外して、他のファイルに入れて取っておくことができます。大きなカタログなどは入らないので、それは別の大きな袋に入れ、セットにして日時や場所などを書いておくと、ここでも自分だけの「旅の記録」が完成します。
この便利なシステム手帳は、堤さんの著書などと一緒に会場内で展示され、多くの方が興味津々の様子で手に取っていました。