【レポート】輝く会 第4回「輝く女性とトランクいっぱいのパリ」

郵便局のオリジナル切手で思い出づくり

1つめは「ル・カレ・ダンクル」。フランスの郵便局が経営している文具・雑貨店で、東京駅前にある「KITTE」をスケールアップしたようなイメージの場所といえばいいでしょうか。郵便局のオリジナルグッズだけでなく、パリらしいキュートな雑貨がたくさん置かれており、しかもパリのお土産はほとんど調達できるとのこと。また、ここでの楽しみは買い物だけではありません。自分の写真を撮り、プリクラのような要領で、オンリーワンの切手をその場で簡単に作ることができるのです。この切手マシーン、言葉を入れる機能もあり、堤さんは「ジュ・ポンサ・トワ(あなたのことを思っています)」とのフランス語を添え、完成品を貼って日本へ送っているそうです。
記念切手のコーナーも充実しており、その数は実に6万点以上。このほか、使用済みの切手や切手帳など、切手にまつわるさまざまなグッズも売られています。堤さんのオススメは、毎年、暮れになるとよく発行される、シャネルやサンローラン、ディオールなど、フランスの高級メゾンが交代で出している美しい記念切手。こんな切手で日本に手紙を出したら喜ばれるでしょうね。ちなみにこの「ル・カレ・ダンクル」というお店の名前ですが、ダンクルはインク、カレは場所なので、「インクを売っている場所」。つまり、「文具まわりのお店」という意味なのだそうです。

2つめは、パリの中でもひときわパリらしい高級ブランドを思わせる店構えの文具店「べネトン・グラヴアー」。オペラ座から2駅ほどの1880年にできた老舗中の老舗の高級店です。19世紀パリにブルジョワジーが出現した頃、パーティーを開くときに招待状を作ったり、美しい紙で名刺を作ったり、そんなセレブたちのオリジナルステーショナリーを一手に引き受けていたのが、この「べネトン・グラヴアー」でした。お店の名前は、オリジナルのステーショナリーを作るベネトン彫金師の店という意味です。
堤さんのお気に入りは、美しい箱に入っているカレンダー。色のついたエンボスの型押しが12ヵ月分つけられています。ベネトンだけで100種類の柄があり、毎年、12柄ずつ新しい柄が出されるということですが、その中で人気の柄が箱入りのカレンダーとなるわけです。

「ベネトン・グラヴアー」の魅力を語る堤さん

「ベネトン・グラヴアー」の魅力を語る堤さん

世界中に5000人ものセレブ顧客を持っている「べネトン・グラヴアー」。個人的なカードだけでなく、ルイヴィトン、エルメス、シャネルがファッションショーの招待状やスペシャルオーダーをしたゲストへのサンキューカードなども受注していました。また、バックヤードには天井から床まで数百もの引き出しが並んでおり、そこに入っているのは世界中の顧客の原版。追加オーダーがあった場合は、ここから版を取り出し、職人さんが1枚1枚丁寧に手づくりしています。「ここで名入りのカードを作るのが私の夢」と目を輝かせながら話す堤さんの表情が印象的でした。

3つめは「カフェ・ド・フロール」。パリ好きの人なら誰でも知っている有名なカフェですよね。人気店とあって、1階はいつも行列ができています。そんなお店を堤さんがなぜ紹介したかというと、2階席はほとんど観光客が座っていない穴場だから。2階の窓際のソファー席はとても気持ちが良く、手紙を書くのにぴったりの席。「ここで手紙を書くと素敵そう」という観点でカフェを選んでいる堤さんは、いつも「2階席にあげてください」と言い、この「指定席」に陣取るそうです。
「カフェ・ド・フロール」では、可愛いコースターと、素敵な紙製のランチョンマットとの出会いも楽しみのひとつ。「これをいただけますか?」と聞けば大抵はくれるので、堤さんは、ランチョンマットやコースターの裏に手紙を書いて出すこともあるそうです。ただ、その際はギャルソンにチップを渡すのをお忘れなく。
(時期やタイミングで2階に上がれない時もありますのでご確認を)