【レポート】第63回Rendez-vous Franco-Japonais

音楽と言葉の関係は深い

今回の演奏会をプロデュースしていただいた金子さんは、本職は京都在住の建築デザイナーですが、京都市とパリ市が開催している一大文化イベント、ニュイ・ブランシュにプーレ氏と一緒に参画していることからふたりの親交は深く、今回のコンサートが実現しました。そんな彼女から見たプーレ氏の音楽は、実は言葉が深く関わっていると言います。

「フランスの音楽を紐解くと言葉の持つ風景を音楽に置き換えています。例えばクロード・ドビュッシーがインスピレーションを受けていたのは、マラルメやボードレールなどの印象派詩人達との交流。2014年には、プーレ氏とドビュッシーと象徴派詩人達をテーマにしたコンサートを企画しました。今日も彼の演奏も素晴らしかったのに加えて、ドヴォルザークのような難しい曲でも、彼がハンガリーの山々や民族音楽の話を私とすることで、聞く方により深いイメージを与えることができたのではないかしら。彼とのやり取りはいつもアドリブなんだけど、とてもエキサイティングで楽しいの。今日は彼もすごく乗っていて素晴らしい夕べでした」

音楽と言葉との関わりを語っていただきました。コンサートの合間にやりとりされる会話はすべてアドリブというから驚き。

音楽と言葉との関わりを語っていただきました。コンサートの合間にやりとりされる会話はすべてアドリブというから驚き。

そして、最後はプーレ氏とデュオで演奏した清水さん。レセプションでは緊張も解けてとてもリラックスしている様子。今日の演奏はいかがでしたか?

「偉大な演奏者のプーレ氏と一緒に演奏するということでものすごく緊張しました。でも、演奏を通じて先生が私にいろいろなことを話しかけてくるんです。私はバイオリンを通じて発せられる言葉に操られるように先生の世界に没頭していくことができました。アンサンブルの面白さ、そして一段違う世界を垣間見られてすごく幸せでした」

プーレ氏に導かれるがままに演奏したという清水さん。とても素晴らしい体験ができたと振り返っていただきました。

プーレ氏に導かれるがままに演奏したという清水さん。とても素晴らしい体験ができたと振り返っていただきました。

今日のコンサートはいろいろな人を幸せな気分にしてくれたようです。音楽の偉大な力に包まれたイベントとなりました。