【レポート】輝く会 第2回「輝く女性とショコラ」

カカオとヘーゼルナッツというシンプルな材料で引き出す最高の味

「輝く会」は才村さんのショコラを作るうえでの苦労やこだわりのお話を加藤さんが引き出しながら進んでいきます。お話の中心となったのは、サロンデュショコラパリで「LES AWARDS ÉTRANGERS : AWARD DU COUP DE CŒUR 外国人部門賞のアワード」を受賞した「MADE IN ITALY」という4粒のボンボンショコラ。一つ一つのショコラには、才村さんのこだわりが詰まっています。

世界一のショコラがどのように生まれたかを語る才村さん。飾らない語り口に思わず引き込まれる。

世界一のショコラがどのように生まれたかを語る才村さん。飾らない語り口に思わず引き込まれる。

例えば、「ピエモンテのサフラン」というショコラで使われているサフランは、ピエモンテ州産のもの。その昔、イタリアでもサフランは栽培されていたのですが、気候変動によって生産地が他に移っていってしまったそうです。その話を聞いた現地の農家がイタリア産のサフランを復活させるべくピエモンテ州で栽培された貴重なものを1グラムだけ分けていただいたものなのだとか。「アチェートバルサミコ熟成18年と野いちごのゼリー」という作品は、バルサミコの熟成具合を何パターンも試して18年物に落ち着いたのたとか。創意工夫と試作、そして失敗を繰り返しながら最高のバランスと食材のマリアージュを見つけ出す才村さんの才能に会場からは驚嘆の声が漏れていました。
イタリアの食材を集めた宝石のようなボンボンショコラですが、現地のイタリア人からは、日本人なのだから和の食材を使ってみたらどうか?という声もあったそうです。しかし、イタリアの食文化を紹介したいという強い想いを持ってイタリアに渡ったのだから、ショコラにもその想いを込めたかったのだそう。