【レポート】講演会『2016年の世界経済予測と展望』

来場者からは人口動態、バブル経済などをテーマにした質問が次々と

講義の後は会場からの質疑応答の時間へ。来場者の中にはフランス語でルフルニエ氏に質問する人も多く見られました。講義を踏まえた上で、現在の景気レベルは正常でありルフルニエ氏の述べた2008年はバブル経済ではなかったのかという指摘がありました。さらに、高齢化する日本は人口動態の立場から経済成長ができなのではないか? という質問。そして、世界経済におけるインド経済の影響力や役割に関する質問が上がりました。

それに対してルフルニエ氏は、バブル経済への銀行の対応などを解説。その行き過ぎを抑えるための政策が必要だと答えました。人口動態に関しては、富の本質は人にあり、本質的な問題であると言います。日本に関して言えば、人口は減っているものの経済は堅牢な状態にある。中国は一人っ子政策で人口が抑制される中、新常態を目指す必要がある。一方、インドについては人口が増えていることもあり、注目度は高いがインフラ投資を抑制してきたことや複雑な税制制度のために世界経済を牽引するのは難しいと答えました。

さらにバブル経済の回答の補足として、中国が世界の工場としてセグメント化されることで貿易量が増え経済成長したが、今後はそういったセグメント分けの時代が終わって、世界中に生産拠点が散らばる中で非セグメントの時代がやってきて、日本やドイツなどに投資が集まるのではないかと述べました。

さらに、リーマンショック後の高い流動性やユーロの将来についての質問が。EUなどの先進国の過剰な流動性はいつ吸収できるのかという質問。

これに対しての答えは、財政緊縮政策がもっとも有効であるとルフルニエ氏は答えました。スペインではユーロ統合の恩恵を受けることでバブルが発生したが財政緊縮政策によって乗り越えることができたと言及。ユーロの市場・通統合については経済的に偉大な挑戦であり歴史的成功であるという認識を示しつつも、50年後もユーロは生き残っていると述べました。

会場からは次々と質問が。それぞれ専門性の高い深い質問ばかりでした。

会場からは次々と質問が。それぞれ専門性の高い深い質問ばかりでした。

会場からの質問はまだまだ尽きないようでしたが、時間がきてしまい質疑応答も終了。みなさんルフルニエ氏の高い見識と分析を持って帰っていただけたのではないかと思います。