【レポート】講演会『2016年の世界経済予測と展望』

フィリップ・ルフルニエ氏が2016年の世界経済を語る

中国経済の減速、ギリシャ危機を引きずる欧州経済、ゼロ金利政策を続けるアメリカ経済、そしてアベノミクスによる経済改革の途にある日本経済。行き先の見えにくい世界経済の今後をフランスの高級経済月刊誌レクスパンシオンの研究所長であるフィリップ・ルフルニエ氏が、2016年の世界経済の予想図を描く今回のセミナー。笹川日仏交流財団のご支援もいただき、開催場所は日本財団ビル1階バウルームとなりました。会場には、商社で活躍されている方や大学教授、パリクラブの名誉会長を交えて様々な方にお集まりいただき、フィリップ・ルフルニエ氏の語る世界経済の展望に耳を傾けていました。

世界経済を表すのはこの一枚の絵画。

世界経済を表すのはこの一枚の絵画。

ルフルニエ氏が最初に出したのは、一枚の絵画。ルーブル美術館で「未来の短い歴史」というタイトルの展覧会で最初に掲げられている作品。それは目の不自由な人が同じく目の不自由な人の手引きをしている絵(Peter Breughel:La Parabole des aveugles:ピーテル・ブリューゲル:盲人の寓話)。導かれた先には穴があり、落ちてしまうという寓話を元にした作品です。この絵を最初に示した意図は「経済の分析と展望に対して謙虚であること」なのだそう。傲慢になると見えなくなることが多くなるのでしょう。そんなフィリップ氏の想いから今回のセミナーは始まりました。