【レポート】「ブラッセルから見た欧州連合の内幕~その組織的実態と展望」開催

欧州連合の組織と法整備の実態を欧州連合フランス代表部担当官が語る

ギリシャの金融危機や東ヨーロッパ諸国の加盟問題など、ニュースではよく耳にする「欧州連合」。加盟諸国との関係性や、統治ガバナンスはどうなっているのか、なんとなくわかっているようで、実はよく知られていません。
日本人にとってはなじみの薄い、けれど日本との政治経済の関係はたいへん深い、欧州連合の実態が語られるセミナーが、4月9日、東京・恵比寿の日仏会館にて行われました。
また、講演会後に行われた懇親会では、フランスワインを片手に歓談される声で会場が包まれました。

ご存知の方も多いと思いますが、欧州連合は、統一通貨ユーロの発行や、単一市場の結成などをすすめ、さらに政治面でも欧州連邦型の統合を目指した組織であり、加盟国からの選出で大統領や欧州議会、官僚組織もあり、欧州連合加盟国代表として日欧双方が代表部を設置する独自の政治形態をとっています。
しかし、実際に欧州連合内でどのような政治運営が行われているか。日本では報道のボリュームも少なく、その実態を知る人は日本でもあまり多くはありません。
そこでパリクラブは、瀬藤氏が1997年から3年間出向していたパリのフランス経済財政省時代からの友人で、ちょうど休暇で来日中だった、欧州連合フランス代表部担当官のイバン・バサール氏をお招きし、欧州連合の政治・行政の実態について講演していただくことができました。バサール氏は、前フランス経済財政産業省対外経済関係局(DREE)の日本担当でもあり、日本の屋久島や自然を愛するという親日派でもあります。
日本をよく知るバサール氏が、欧州連合と加盟各国との関係性、運営の実態、法律面、そして日本の経済界でも関心が高く、現在大枠を定める作業が進められている日EU経済連携協定(EPA)など様々な面から欧州連合について語っていただきました。

当日の参加者は45名。欧州連合についての解説がテーマでしたが、比較的硬派なテーマにもかかわらず、来場者数も多く、仕事柄ヨーロッパ企業との付き合いがあり、EPAについて知りたいという企業関係の若い女性の方や欧州連合官僚の生の声を聞きたいと、初めて参加された方など、この機会をとらえて情報を得ようという方が数多く来場されました。

まず、パリクラブの瀬藤会長から開会のあいさつをいただきました。
「現在、欧州連合のフランス政府代表部で活動され、前フランス経済財政産業省の対外経済関係局(DREE)の日本担当でもあったバサール氏にご講演をいただきます。質問の時間も設けてあります。なかなかお会いできない方ですので、どうか積極的に質問なさってください」と参加者へ積極的な参加をアピール。会場は和やかでありながら真剣な雰囲気に包まれ、講演会が始まりました。

講演するイバン・バサール氏(写真手前)のプロフィールの紹介を兼ねた開会の挨拶をする瀬藤会長。

講演するイバン・バサール氏(写真手前)のプロフィールの紹介を兼ねた開会の挨拶をする瀬藤会長。