【レポート】講演会『フランス料理の視点での日仏間の経済的緊密化とその発展』

講演会『フランス料理の視点での日仏間の経済的緊密化とその発展』

日本では戦後の高度経済成長期に、リュックス産業として高級フランス料理レストランが本格的に登場。ポール・ボキューズなど多数のフランス人シェフが来日するようになる。さらにバブル期には高級ワインやボジョレワインがブームとなる。それ以降、日本の景気動向、消費の変化とともに、産業のすそ野が広がるように、パティスリー、ブーランジュリーの発展となり、近年ではブラッスリー、ビストロ、ショコラ専門店等、多様な形態が登場している。現在では、ワイン、チーズをはじめフランス食材はスーパーマーケットでも購入できるような一般的食材となっている。これらは、フランス同等のクオリティーを持つ日本の食文化・食産業の今後の進むべき道筋の善き一例ともなるであろう。

世界的なコミュニケーション力が高く、文化発信力と影響力のあるフランス。
ものづくりのクオリティーとオーガニゼーション力が高く、優れた技術力を持つ日本。
多彩で自由でオリジナリティを感じさせる想像力と行動に特性があるフランス。
組織力が持ち味でもあり、完璧主義的な要素を持ち器用さを兼ね備えた日本。
美意識が高く、ブランド力により、文化的価値を持ち、それを創り上げることができるフランス。
料理(製品)の完成度が高く、コンパクトミニマリズム、総合的コストパフォーマンスに優れる日本。

日本とフランスは、文化やスタイルは異なるが、食の視点でとらえても、クオリティーの高い両国が、お互いのなきものを補い、お互いを尊重していることで、「共存・共同(国際貢献)」に関わり、これからも、善き関係を発展することができるであろう。
<それぞれの長所と特性、相互優位性を尊重し、交換し合い、認め合い、分かち合い、ともに活用し協業を進め、お互いがよりよく、新しい世界の価値を、地球のために>講演の最後、久保氏から未来への希望のメッセージとして伝えられたことは、日仏の関わりによる、未来の地球への提言として、大変意味深いものであった。

講演会『フランス料理の視点での日仏間の経済的緊密化とその発展』

当日、50名定員の会議室にさらに椅子を並べて対応したほど多くの方にご参加いただいた。
限られた時間であったが質問にもお答えいただき、終了後の懇親会でも話題は尽きなかった。
久保氏には第二弾を期待したい。