イベントレポート 安倍首相アフリカ訪問に関する報告会・討論会開催

すでに数多くの日本企業が進出

「アフリカから学ばなくてはいけないことはたくさんあります」と話す慶應大学の岡田教授。

「アフリカから学ばなくてはいけないことはたくさんあります」と話す慶應大学の岡田教授。

慶應大学の岡田教授は、すでにアフリカ進出している企業について紹介。三菱商事や豊田通商などの商社に加えて、味の素、いすゞ自動車、ヤマハ発動機、日本通運、東芝、住友化学、カネカ、関西ペイント、ホンダなどの企業名が挙げられました。岡田教授は、企業のアフリカ進出には、政府への支援やJICAとJETROの連携なども必要であると指摘されました。

フロアの参加者も交えて討論会

最後に、「今後も日本企業進出のために協力していきたい」と主催のアフリカ協会・松浦会長がご挨拶し、会は終了しました。

最後に、「今後も日本企業進出のために協力していきたい」と主催のアフリカ協会・松浦会長がご挨拶し、会は終了しました。

その後、フロアの参加者も交えて、質疑応答や意見交換がなされました。参加者からは、南スーダンへの援助、日本企業のアフリカでの人材育成、地域や面での開発援助などについてさまざまな意見が出ました。JICAの乾さんは、アフリカ開発支援にはインフラ整備と平和構築が最重要であり、南スーダンでは周辺国の努力によって少しずつ戻りつつあると話されました。また、アフリカでの人材育成について、乾さんからはケニアで展開しているトヨタアカデミーやアフリカ10カ国でのカイゼン推進の紹介、堂道さんからは人材に厚みを持たせることが重要ではあるものの、事業があってこそ人材を生かせるもの、そのためには事業展開と人材育成の両輪で進めることが大事との指摘がありました。また、岡田教授はアフリカのビジネススクールと慶應大学との提携で人材育成を図るプロジェクトも進んでいるとも話されました。
今後はアフリカを単なる国単位で捉えるのではなく、地域で見ることが重要であり、より大きな市場として統合していくことも必要との意見も聞かれました。また、ニジェール出身の参加者からは、日本とニジェールの関係について質問があがりました。乾さんによれば、かつては多くの青年海外協力隊を派遣していたそうですが、現在は治安上協力隊は撤退しているものの、技術協力体制は継続しているとの回答がありました。

今回の討論会報告会は、会場が満席となり椅子を追加するほどの大盛況で、アフリカ市場への関心が高いことが伺われました。今後、日本国内の官民学の連携によって、アフリカの真のパートナーとしてどのような役割を果たしていくか、大きな期待がかかります。