イベントレポート 安倍首相アフリカ訪問に関する報告会・討論会開催

オールジャパンで日本のプレゼンスをアピール

本題第一部では、安倍首相のアフリカ訪問に同行した外務省アフリカ部の岡村善文部長にアフリカ訪問時のさまざまなエピソードをお話し頂きました。
今回の訪問は、昨年6月の第五回アフリカ開発会議(TICAD V)で安倍首相が早期のアフリカ訪問を約束したことに加え、アフリカ各国の首脳はTICADのために5年ごとに来日しているのに、日本の首脳は8年間もアフリカを訪問しておらず、バランスを欠いているという懸念も背景にあったそうです。また、安倍首相の進める「地球儀を俯瞰する外交」の一環でもあり、アフリカにおける日本のプレゼンスを示すためにも極めて重要であったと話します。訪問国は、西アフリカのフランス語圏の中で経済都市として力強い潜在性を持つコートジボワール、天然ガスや石炭、鉱物などの豊富な資源を有し日本による大型農業開発が進むモザンビーク、アフリカ連合(AU)の本部を擁する「アフリカ政治の首都」であるエチオピアの3カ国に決定。各国で大歓迎を受けたそうです。
コートジボワールでは、首相訪問に合わせて周辺10カ国の首脳が集結、11名の首脳とインフラや人材育成などについて議論を重ねました。ちなみに西アフリカの首脳たちは、安倍首相が退席した後も深夜まで西アフリカ地域の発展について討議を続けていたそうです。
このアフリカ訪問はビジネスミッションとしての使命も大きく、日本の一流企業の会長・社長などトップクラスも同行、オールジャパンでアフリカへの投資、開発、支援協力などについてアピール。発展を続ける街の様子を目の当たりにしたことで、企業のトップクラスの方たちのアフリカへのイメージも一新、これまでの援助対象であったアフリカからビジネスパートナーとしてのアフリカへと認識が変化したと話します。

「一人、ひとり」を大切にする日本の企業文化を発信

「安倍総理訪問に合わせて西アフリカ10か国の首脳が集結しました。それほど日本への期待感が高く、同時にTICADの成果も感じられました」と外務省アフリカ部の岡村善文部長。

「安倍総理訪問に合わせて西アフリカ10か国の首脳が集結しました。それほど日本への期待感が高く、同時にTICADの成果も感じられました」と外務省アフリカ部の岡村善文部長。

エチオピアのAU本部で安倍首相が行ったアフリカ政策スピーチでは、他国とは異なる日本ならではの貢献について説明。日本企業の伝統は、「一人、ひとり」の創意と工夫を重んじ、「一人、ひとり」の自主性を最も貴重な資源と考えること。その代表的な例が「カイゼン」という思想。実はこの「カイゼン」はアフリカで今、大変人気が高く、各国で推進されているそうです。アフリカでいち早くカイゼンの思想に目をとめたのが、エチオピアの故メレス首相でした。カイゼンは、上からのトップダウンではなく、現場で働く「一人ひとり」に対する信頼の証でもあると安倍首相は話され、日本の企業は必ずアフリカの人材育成に貢献することを約束。さらに若者と女性が輝くアフリカへの最大限の協力をすることを表明、日本を力強く発信したとのことでした。
エチオピアの最後の夜の晩さん会では、安倍首相自らが立ち上がりエチオピアンダンスの輪の中に入って踊られたとのことで.これからもぜひ多くのアフリカの人々と一緒に踊っていただきたいと話し、岡村部長の講話は終了しました。