イベントレポート「フランス料理と震災復興支援シンポジウム」~フランスの牡蠣が日本の牡蠣を救う~

懇親会ではさまざまな分野の人が情報交換

その後は、会場を移してワインと軽食とともに懇親会を開催。参加者の方々にお話を伺いました。

田中裕人さん

田中裕人さん

東松島市の浜市番屋やかき小屋唐桑番屋などで子どもたち向けにワークショップを行っている「一時画伯」事務局の田中裕人さん。「震災後、若手のクリエイターたちが何か自分たちにできることはないかと模索している中、一度現地を見てみようということで、みんなでキャラバンを組んで現地を訪れました。そうしたら、立派な番屋がすでに建てられている。それを見てとても感動しました。ぜひこの場所で子どもたちに向けたワークショップを開催しようということで、『一時画伯』の活動が始まりました。現在も東北3県の子どもたちを対象にアーティストたちによるさまざまなワークショップを行っています。私たちはどこにでも行きますし、機会があればパリクラブの方々と何か一緒にできればと思っています」

槇鈴子さん

槇鈴子さん

実家でフランスの自然派ワインを輸入する業務に携わっているという槇 鈴子さん。
「今回のお話はとても興味深かったです。とくに福田総料理長がお話しされた食の安全・安心、そして自然環境をどのように守っていけばよいのかという点について改めて考えされられました。ヴェルディエさんもとても情熱のある方とお見受けしました。牡蠣再生プロジェクトの支援は、とてもありがたいことですね。私自身もワイン輸入に携わるものとして食文化の未来を視野に入れながら、自分にできることを発信していかなくてはと思いました。パリクラブのイベント参加ははじめてですが、今後も食に関連する企画があればぜひ参加したいですね」。

重田京子さん

重田京子さん

「市民の絆フランス」でボランティア活動をしていたという重田京子さん。「牧さんの紹介で今回参加しました。50年前に日本からフランスに牡蠣が贈られたことは全く知らなかったので、とても感動しました。それが震災後に牡蠣の恩返しとしてつながるなんて素敵ですよね。パリにワーキングホリデーで滞在したこともあるので、フランスにはとても関心があります。私自身何か少しでも日本とフランスの架け橋になれるようなことができればと思っています。パリクラブのイベントにも関心のあるテーマの時にはぜひ参加したいと思います」

いつものイベントよりもましてさまざまなジャンルの方にご参加いただきました

いつものイベントよりもましてさまざまなジャンルの方にご参加いただきました

懇親会場には竹内先生が日仏共同で進めるプロジェクト「海と人をつなぐ漁業体験施設」の完成予想図のパネルを展示。「ぜひ成功させたいので、皆様のご協力を」と竹内先生。

懇親会場には竹内先生が日仏共同で進めるプロジェクト「海と人をつなぐ漁業体験施設」の完成予想図のパネルを展示。「ぜひ成功させたいので、皆様のご協力を」と竹内先生。

今回のイベントで、日仏間の深いパートナーシップを改めて実感された方も多かったことでしょう。竹内先生によれば、三陸牡蠣の生産量は震災前のまだ半分程度しか復興していないとのですが、フランス式養殖法を導入した新たなプロジェクトも進められているそうです。フランスの漁師さんたちの想いが早く結実するよう、さらなる復興を願うとともに日仏共同プロジェクト「海と人をつなぐ漁業体験施設」成功に向けて、パリクラブとしても協力していきたいと思います。