牡蠣のお恩返し

報告 瀬藤澄彦

日仏間にまた新たな友好の絆が生まれようとしている。鶴の恩返しならぬ牡蠣の恩返しである。

11月28日、恵比寿日仏会館1階ホールで東北震災牡蠣日仏協力シンポジウムは出席者が70名を超えた。内容的にも大変、質の高い講演、意見の開陳がなされて盛況のうちに終えることができた。これも11月下旬以降、数回にわたる大手町の経済同友会での岡田さんの呼びかけ、市民の絆の日本代表の牧さんとそのグループの方々の応援、そしてそれをパリクラブに橋渡しいただいた高橋さん、また最後まで参加者人数の増加を見ての素早い会場の変更などをてきぱきと判断し行動に移す足立さん、など連携プレーが大きく功を奏した。フランスのTV放送France24の取材も入り多くの関心をよんだ。

2当日は5時半ころに会場にゲストスピーカーの福田順彦さんが会社の方とご一緒にご到着。司会を入れて6人のパネリスト全員で議事進行の事前打合せを行った。これが非常によい結果を生んだと思う。すでに第2弾をどうするかの話が持ち上がっています。

 

3福田総料理長の話は淀みなく尽きることがない。フランス料理にとっては異端の食材、牡蠣。1993年以来のフランス食文化との深い係わり。農薬の誘惑。牡蠣の味覚の原点は山の養分が海に流れ込む森林や川を循環する自然の摂理。放牧牛のよさも同じ哲学。本物を目指した食材の追求は、「料理は節度のある行い」という福田氏の言葉にある。竹内教授は体験を語った。震災後、「海と人を繋ぐ漁業体験施設」という番屋プロジェクトはフェーズ2の「地域愛の再生」を経てNGO「市民の絆」(Secours Populaire Francais)の子供センター構想を持って世界の仲間と連結した。ヴェルディエ・プラネットファイナンス理事長は、survival,revivalを経たsustainableがフェーズ3とした。 牧代表は作家ロマン・ロラン他数名で始めた100万人を越える慈善団体に発展したと力説。 場内から3つの質問、終了後のギャラリーでの懇親会は用意したワインがあっという間になくなる嬉しい盛況の夕べとなった。