イベントレポート モナコの夕べ『世界の中のモナコ:伝統と先端の間に』

観光客や海外投資家にとって数多くの魅力を秘めた国

ぜひモナコに関心を深めてと司会進行を務めた瀬藤会長。

ぜひモナコに関心を深めてと司会進行を務めた瀬藤会長。

大公宮殿や博物館、美術館といった観光資源も豊富で、中でも故レーニエ3世が故グレース・ケリー妃を偲んで造園されたという日本庭園は人気のスポット。文化芸術活動も盛んで、年間700以上もの文化・スポーツイベントが開催されています。F1グランプリ、モンテカルロ・マスターズ、ヘラクレス国際陸上大会などの国際スポーツ大会からモンテカルロ管弦楽団、トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団などさまざまな音楽芸術まで楽しむことができます。治安の良さも観光客にとって魅力の一つであり、450人の警察官と街じゅうに設置された監視カメラが観光客や住民の安全を見守っているといいます。

 

メドサン大使は医療や教育の質の高さについても説明。医療面では世界的にも最高水準の心臓病の専門病院があります。教育面では高校まで義務教育でフランスの教育システムを導入。教育の質も高く、第二外国語の習得やエイズやドラッグなどの予防教育にも力を注いでいるそうです。

 さらにモナコの税制についても言及。モナコでは一部のフランス国籍の人を除いて原則として所得税や不動産税など個人への直接税がなく、相続税も直系親族間や夫婦間の場合はかからないシステム。これは19世紀後半、シャルル3世がカジノで得た資財を住民に還元したいという意向から始まり、現在でも継承されているとのこと。付加価値税についてはフランスとの兼ね合いもありフランスと同率ですが、2014年からは若干変更される予定とか。企業税は、モナコ外での年商が総額年商の25%を超える場合33.3%課税する制度となっています。こうした付加価値税と企業税がモナコ政府の収入源ですが、安定した国の運営のためにモナコ政府では、「0・0・2」と呼ばれる政策を採用。これは外国に対する債務ゼロ、財政赤字ゼロ、2年間の運営準備基金維持という政策で、こうした安定した政府運営も海外からの投資の誘因となっているそうです。

共通点の多い日本と、共に更なる発展を

講演会の最後には在モナコ日本人女性のメッセージビデオを上映。

講演会の最後には在モナコ日本人女性のメッセージビデオを上映。

メドサン大使は、モナコ公国と日本との間には、長い歴史や伝統、民主的な憲法、近代的国家、技術革新の進展といった多くの共通点や同じ価値観があると話します。日本の皇室とも親密な関係を保っており、2010年にモナコで開催された日本展「京都・東京:サムライからマンガまで」の際も、日本の皇室と交流を深められたそうです。今後も日本とさらに幅広く交流を深めていきたいとお話され、最後に日本人へのメッセージとして、モナコに暮らす日本人女性のインタビュー映像『5’ INSIDE モナコ』を上映して、講演会は終了しました。