イベントレポート 『「香りのプロダクト・バリエーションと日本マーケットについて』

香りのマーケットをきっかけに交流を深めたい

講演会を企画したパリクラブ理事の遠藤純也さん。

講演会を企画したパリクラブ理事の遠藤純也さん。

東京・表参道にある、株式会社フィッツコーポレーション プレスルームにて講演会「香りのプロダクト・バリエーションと日本マーケットについて」を開催いたしました。

今回のイベントは、日仏経済交流会の理事であり、フィッツコーポレーション 製造・ロジスティック部部長でもある遠藤純也さんが「フランスと関連が深く身近な製品である香水をきっかけとして、30~40代の中堅の会員や一般の方々との交流の機会を広げたい」と企画したものです。フィッツコーポレーションは、香水や化粧品の輸入、製造、企画、販売事業を行っており、フランスの各有名ブランドともエージェント契約を結び日仏間で幅広く事業展開しています。この講演会の実施に際しては、ゲスト講師の方や場所の提供、当日の運営スタッフまで全面的協力を頂きました。

当日の参加人数は約60名。これまでのイベントとは異なり、パリクラブ以外の方々や若い女性の方々に多くご参加頂きました。

ゲストスピーカー、フィッツコーポレーション国際部部長・竹内俊夫氏はパワーポイントを使って講演。参加者も熱心に聞き入っていました。

ゲストスピーカー、フィッツコーポレーション国際部部長・竹内俊夫氏はパワーポイントを使って講演。参加者も熱心に聞き入っていました。

講演会は、最初に、フィッツコーポレーション・須藤岳史執行役員が会社概要はじめ企業理念「豊かさが香るものづくり」や事業内容、社風などについて紹介。その後、国際部部長・竹内俊夫氏による本講演がスタートしました。竹内氏は、13年前にフレグランス業界に転身し、これまで120にも及ぶヨーロッパ各国のブランドと取引経験をお持ちとのこと。ヨーロッパの香水メーカーの間では超有名人で、まさに「person of fragrance」、香りのすべてを知っていらっしゃる方です。

講演では、まず「フレグランスの基礎知識」として、オーデコロン、オードトワレといった名称の違いや、トップノート、ミドルノート、ベースノートという揮発度の違いによる分類、天然香料と人工香料の種類と違いなどを解説。

続いて古代エジプト時代から現代にいたるまで、香りの歴史について世紀を追ってお話し頂きました。古代文明の人々の間で神への捧げものや装飾品、嗜好品として愛された香りの風習は、十字軍の遠征によってヨーロッパへ伝来、エチルアルコールの抽出方法の発見によって、14世紀には「ハンガリーの水」と呼ばれたオードトワレの原型が誕生したそうです。

そしてルネサンス期、王侯貴族文化が花開くと、フランスの宮廷貴族の間では香りが大流行。16世紀になると、フランスのアンリ2世のもとに嫁いだカトリーヌ・ド・メディチによって南フランスのグラースが香料生産地のメッカとして注目されます。

18世紀になると、ケルンで生まれたオーデコロン「ケルンの水」の普及や無類の香料好きで知られるナポレオンによって、宮廷貴族の間だけでなくより広くフランス大衆に香り文化が広がることに。

19世紀になると化学の発展に伴い合成香料が誕生、香料産業も興隆を極め、ウビガン、ゲランなどの現代に続く香水メーカーが誕生。

20世紀になると、女性の社会進出や地位向上など女性を取り巻く社会的状況や時代の変化に即した香水が数々生み出されてきたとのことでした。