講演会「『女性的価値』は企業経営を刷新するか?」 「フランス経済はなぜ危機によく持ちこたえているのか?」

日仏経済交流会 (パリクラブ) 主催
在日フランス商工会議所 (CCIFJ)・ ESSEC・笹川日仏財団 共催

日時 2009年11月19日(木) 18:30~20:00
講演会 1.「女性的価値」は企業経営を刷新するか?(50分)
講師:アニエス・アルシエ女史(フランス国際技術協力庁長官)
講演内容:アルシエ女史は近著『女性指数が経営を変える』(NTT出版)で、「『女性的価値』は今や時代の流れであり、その活用が企業経営へインパクトを もたらす」と説いています。これはいわゆる女性特有なマネジメントスタイルを意味するものではありません。同女史が説く、この「女性的価値」が経済的危機 のダメージから脱しようともがいている日本企業にもたらすものは果たして何か?

2.フランス経済はなぜ危機によく持ちこたえているのか?(20分)
講師:瀬藤澄彦氏(ジェトロ・パリ・センター特別顧問)
講演内容:昨日までグローバル競争優位に立脚できない、コーポラテイズムの蔓延する資本主義と揶揄されてきたフランス経済がなぜこの危機に耐えているの か。この「フ レンチ・パラドックス」を、フランス式内需主導経済のメカニズムから説明する など、長年フランス経済を身近に見つめてきた瀬藤氏が解読します。
場所 日本財団ビル 2階
港区赤坂1-2-2
Tel:(03)6229-5111
アクセス (日本語)
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
(English)
http://www.nippon-foundation.or.jp/eng/who/to_contact.html
最寄り駅 【地下鉄銀座線】虎ノ門駅 3番出口より徒歩5分
【地下鉄銀座線・南北線】溜池山王駅 9番出口より徒歩5分
【地下鉄丸ノ内線・千代田線】国会議事堂前駅 3番出口より徒歩6分
使用言語 フランス語、日本語(同時通訳付)
 

■ご報告

日仏経済交流会(パリクラブ)、在日フランス商工会議所(CCIFJ)、ESSECおよび笹川日仏財団共催の講演会が、2009年11月19日18時30分より虎ノ門の日本財団ビル会議室で開催され、60名ほどの聴衆が参加しました。

「『女性的価値』は企業経営を刷新するか」をご講演されたフランス国際技術協力庁長官のアニエス・アルシエ女史は、人の耳に意見を傾けたり、些細なサイン を見逃さない、あるいは情報を共有する、チームワークを発揮するなどの「女性的価値」は、性別によらず誰しもが持っている資質であること、そしてこれらを うまく組織に取り入れる能力を「女性指数」と定義。NECの関本忠弘氏、資生堂の福原義春氏あるいは那須秀康といった経営人の言葉を引き、日本の大企業は 女性的価値を理解し、かつ備えていて「女性指数」が高いのではないか、と語りました。

前ジェトロ・リヨン事務所長の瀬藤氏は、「フランス経済はなぜ危機によく持ちこたえているのか」において、これをアメリカなどではフレンチ・パラドックス と呼んでいるが、実はパラドックスなどではなく、きちんとした裏付けがあると分析、その理由として、国民負担率の高さ、高い出生率、独特な農業生産輸出構 造、低い家計債務、ユニバーサル・バンキングの存在を挙げ、それぞれについて簡潔にかつ明瞭に説明されました。

講演会最後には、パリクラブ久米会長よりアルシエ長官に対し、今回の講演のお礼として有田焼のお皿が贈呈されました。その後会場を移し懇親会が催され、 ESSECから差し入れられたボジョレー・ヌーボーを片手に、参加者と講師、あるいは参加者同士の間で、盛んな交歓が行われました。

(文責:伊藤)