日仏会館・日仏協会、日仏経済交流会(パリクラブ)、在日フランス商工会議所 共催
パリクラブは、日仏会館、日仏協会、在日フランス商工会議所との共催で、山梨日仏協会との交歓のため「晩秋の甲斐路散歩」ツアーを去る11月11日(土)に開催しました。
当日は、33名の参加者が、午前10時15分に中央線石和温泉駅に集合し、貸切バスでツアースタート。
最初の訪問先は、昨年10月にオープンしたばかりの山梨県立博物館(笛吹市)。地方財政厳しい折から建設費を極力抑えたという建物は、ゆったりとして明るいエントランスに続き、各展示室は最新の展示手法を駆使して判り易いように工夫されていました。山梨の歴史や文化を紹介する常設展示に加え、開館1 周年記念特別展の「祈りのかたちー甲斐の信仰」を、同館企画交流課長の出月さんのガイドで見学。特に特別展では多くの立派な仏像の立並ぶ姿に圧倒されました。
次いで昼食場所の「ぶどうの丘」(甲州市勝沼町)へ。バスでの移動時間には当クラブ常任理事でメルシャン(株)の小阪田嘉昭さんから、日本のワインの発祥の地である勝沼のぶどう造り・ワイン造りの歴史やエピソードの話を伺い、また窓外の広大なぶどう畑を眺めて、日本一のぶどうの生産地にいることを実 感しました。 「ぶどうの丘」での昼食はバーベキュー。5~6人毎に分かれた各テーブルでは、フランス人の参加者も箸で肉や野菜を鉄板に乗せて突っつきあって、それぞれ 和気藹々と楽しんでいました。山梨のワインを沢山取り揃えたショップでは、東京では手に入らない銘柄を買った人も。
食事の後は、再びバスに乗って山梨屈指の名刹恵林寺(甲州市塩山)へ。このお寺は、1330年夢窓国師によって開かれ武田信玄の菩提寺となっている禅寺で、 荘重な雰囲気の境内に広々した本堂、信玄と二十四将それに柳沢吉保の墓、夢窓国師の設計による庭園などが立並び、僧侶の案内で興味深く参観しました。これ に併設されている信玄公宝物館も、折しも来年のNHK大河ドラマが「風林火山」ということもあって、館長の案内にも熱心に耳を傾けていました。出掛けに、 快川和尚が「心頭滅却すれば火も自ずから涼し」と唱えて火中に身を投じたというその遺偈(ゆいげ)が掲げられた三門の前で記念撮影をしました。
締めくくりは、このツアーの目的である山梨日仏協会との交流会。同協会の今井裕久会長の経営するサドヤ醸造所のレストラン“Pavillon de Sadoya”でのパーティは、今井会長の歓迎のご挨拶と山梨側参加者のご紹介に始まりました。次いで訪問者四団体を代表して日仏会館の鈴木康司常務理 事がご挨拶し、次に来賓としてフランス大使館クリストフ・プノ公使よりご挨拶を頂き、さらに日仏会館フランス学長フランソワーズ・サバン女史のご発声で乾 杯をしてセレモニーを終えました。
続く懇親会は、今井会長の肝いりの山梨の主なワイン3銘柄と料理を楽しみながら歓談に華を咲かせ、地域との交流の成果を十分に上げて、楽しくも有意 義な1日を終えました。 この日は、朝から生憎の雨で、好天ならば望める甲斐の山々は姿を見せず、今盛りの紅葉も華やかさは影を潜めていましたが、見学の時には雨は止み、恵林寺で はかえってその佇まいは重みを増し、感動を深めました。
(小野里 輝夫 記)