酒蔵を訪ねる会

毎年この季節に行われる恒例の酒蔵訪問ですが、このところ埼玉県久喜にある名門寒梅酒蔵の訪問が続いております。今回も2月5日(土)の午後、日仏の有志12名がここを訪れました。

日時 2005年2月5日(土)
場所 埼玉県久喜 寒梅酒蔵

1821年創業の寒梅酒蔵、昨年秋の関東信越地区鑑評会では、同社の自信作「飛翔天」が見事に最優秀賞を獲得しております。そんな結構なお酒を是非 賞味したいとの期待もありました。 いや、それ以上に毎回鈴木社長、星野杜氏が直々に酒造りについて説明をされ、その上蔵の中を隈なく見学させて下さるこ とが大変な魅力、つい寒梅酒蔵さんに足が向いてしまうのでした。

初めて参加された方の素朴な疑問に対し、お二人はニコヤカニ説明をして下さいました。「お米の60%も削って勿体ない」「何故寒梅を社名に、椿では 駄目」「冷たい水なのに素手で磨がねばならぬのか」「ミキサーを使えば」「何故蔵の中は女人禁制だったのか」「タイ米では駄目か」等々。

ワインも同じでしょうが、酒造りは愛情をもって接しなければならないのです。幼児が風邪を引かぬよう絶えず気を配り、はだけた布団をかけてやったり、汗をかいていれば薄いタオルに変えてやったり、それと同じことですよ、と星野さんは目を細めて説明されました。

何時の間にか日もとっぷりと暮れました。一同は近くの和食レストラン「おかの中央店」に場所を変え、楽しみにしていた品評会に臨みました。注目の 「飛翔天」を始め6種類の銘柄が持込まれました。一本一本鈴木社長のご説明を受けながら、一同は神妙にチビリチビリ味わい始めました。

成る程「飛翔天」は澄み切った大空に舞い上がる心地、空きっ腹も手伝ってか、五臓六腑に染み渡りました。次々と味合う美酒に、いつしかホロ酔い加減 となった一同、時の経つのも忘れて話の花を咲かせました。星野杜氏は酒蔵に帰るべく席を立たれました。母親が留守居の赤児を気遣うよう、早足で立ち去られ た後ろ姿が印象的でした。

造る人がおれば、飲む人あり。暖かいお座敷で美味しいお酒が飲めるなんて、何と幸せなことでしょう。まだ参加した事のない皆さん、是非次回はご一緒しましょう。

文責 蘆野