日時 | 2003年9月21日(日) |
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場所 | 国立大劇場 |
9月21日(日)国立大劇場において、藤間流2年に1度の藤彩会が華やかに開催されました。 午前中から午後にかけ、若いお弟子さん達の初々しい舞踊が披露 されました。 プログラムは段々と進み、舞台は円熟味を増して行きました。 そして17時30分、待ちに待った古木睦美さんこと、藤間藤藍さんが自ら野心的挑戦、と表現した長唄「鏡獅子」の幕が開きました。 正面壇上に21名の楽士が整然と並び、思わず襟を正しました。 一瞬の静寂を破り太鼓の音が会場に 鳴り響きました。
古木さんは当クラブの理事。 ご職業は弁護士で知的財産権のご専門。 超多忙なお仕事のかたわら、2年間にわたりこの難しい演目に備え、お稽古積ん で来られたのでした。 ご本人は謙遜され、前シテの弥生はともかく、後シテの獅子の精はあまり期待しないで下さい、と言われておりました。
重い衣装を身に付け、躍動する獅子の動きを舞台中ところ狭しと演じました。 その激しい動きに圧倒されました。 日頃にこやかな古木さんの何処にこの様なバ イタリテイーが潜んでいたのでしょうか。 50分の舞台に幕が降り始めるや、満員の客席から大きな拍手が沸き起こりました。
我々は興奮さめやらず、夢遊病者のような足取りで楽屋に向いました。 多くの友人達に囲まれた古木さんの姿がありました。 激しい舞台の直後、古木 さんは大きな息づかいをしながらも、大作を演じ切った満足感が前身に漲っておりました。 獅子のメークを通し、日頃のにこやかな古木さんがありました。 思わずエライヤッチャー、と口ざすんでしまいました。