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プロヴァンスワインの魅力

日時 2005年4月25日
場所 シーボニア メンズクラブ
講師 パリクラブ常任理事 三浦一雄氏
参加者 72人

0425-provence-1 フランスワインと言えば、ボルドー、ブルゴーニュを思い浮かべることでしょう。ところがフランスワインとして最も歴史が古いのは、プロヴァンスであることを ご存じでしょうか。しかもお値段が手頃であることも、魅力の一つです。それではお味の方はどうでしょうか。それを知る絶好の機会が訪れたのです。

講師の三浦氏は自ら、ルベロンを始めとし、プロヴァンス各地の美味しいワインを探し求めて来られた方です。氏はその中から選び抜かれたワインを日本に輸入し、着実に愛好者を増やして来られました。そうした豊富なご経験と、プロヴァンスワインに対する深い愛情により、大変に楽しいレクチャーが実現致し ました。

今回は白ワイン2種類、ロゼ-1種類、赤ワイン3種類が選ばれ、デグユスタシオン(聞き酒)が行われました。 プロヴァンスの地図を背景に、三浦氏 のご説明が始まりますと、いずれもワインに一家言を持つ多くの参加者達、熱心に三浦氏のお話に耳を傾けました。そしてお話が進むにつれ、皆さん思わず唾を ごくりと飲み、ウズウズした気分になりました。百聞は一見に如かず、待望のデグユスタシオンが始まるや、参加者達は堰を切ったように、白ワインとロゼの試 飲テーブルに押し掛けました。秋山、蘆野両理事は黒のヴェストと黒エプロンに身を固め、俄かギャルソン、否、ソムリエに扮し、甲斐甲斐しくサービスに努め ました。悲しや素人の冷や水?汗だくのテンテコ舞いでした。

ここで特別参加のクルワン氏が三浦講師によって紹介されました。フランス食品振興会日本代表を務める同氏は、ご自身がサント・ヴィクトワール山近く のご出身だけに、プロヴァンスワインに対する愛情には並々ならぬものを感じました。氏はマルセーユ訛り?の流暢な日本語で、今やロゼの人気はフランスを始 め世界的に急上昇してます。皆さん大いにロゼを飲みましょう!この嫌味のないコマーシャルに、拍手喝采が送られました。

0425-provence-2次に今夕の真打ちとも言うべき、赤ワインの試飲会が始まりました。参加者は怒濤のごとく赤ワインテーブルに押し寄せました。俄かギャルソンの苦戦を見かね、畔柳、小野里両理事も助っ人となり、どうやら無事に試飲会を終えることが出来ました。

Astrosは味もしっかり、ドライで旨い!Luberonってイケルじゃないですか!Chateau de Pibarnonはなかなか深みがありますねー、と楽しい会話の花が一気に咲き乱れました。パリクラブ特有のRendez-vous Franco-Japonaisの和やかな雰囲気に、一同時間の経つのも忘れておりました。

お店の支配人高中さんから、お時間は気になさらぬように、とのご親切なお言葉を頂戴し、ホット胸を撫で下ろしました。何とも楽しい夕べでした。何時 ものように会の運営を支えて戴いたフランス商工会議所の吉田さん、それに特別参加で手助け戴いた三浦講師のご令嬢、有難うございました。

ドニーズ・フルザ教授を囲むディネ・コロク

フルザ教授の講演、ディスカッションは、著書の淡々とした書きぶりからは想像がつかないAgressive 且つ熱のこもったものであり、時の移りを感じさせませんでした。あらゆる意味でレヴェルの高い優れた会合でした。質疑も講壇に立って述べられるのではな く、参加者一同の真ん中に席を占められて応対されると云う、あたかもゼミのような和やかな雰囲気でした。新年度から社会経済委員会管掌副会長を依嘱され、 今回司会を務められた久米五郎太氏の解説紹介記事を下記掲載します。

日時 2005年4月20日
講師 ドニーズ・フルザ教授

【ディネ・デバ日本経済「永続」再生論 / 著者ドニーズ・フルザ教授を囲んで】

4月20日、バンク・ド・フランス金融研究財団代表(前通貨評議委員会メンバー)のドニーズ・フルザ教授をお招きし、日本経済についてのディネ・デバを開 催しました。教授は、フランス外務省の派遣員として今般来日、翌日には日仏会館で「ヨーロッパの視点:日本経済「永続」再生論」という題で講演される多忙 なスケジュールのなかで、貴重な時間を割いていただきました。

フルザ教授は1977年の学会で初めて日本を訪問したとき以来、日本経済に興味を持ち、その後も来日、日本企業を多数訪問し、ソルボンヌ大学では日 本経済、アジア経済について教えていらっしゃいます。2002年には“Japon, eternelle renaissance”を著し(PUFYORI.この時点でいち早く日本経済の再生を予測)、2003年末に発刊した第2版は愛知万博の機会に来日した シラク大統領にも献呈されています。なお、日本語版は、パリクラブ会員の瀬藤澄彦氏(ジェトロ・リヨン事務所長)が監訳し、『日本経済「永続」再生論』の タイトルで本年1月彩流社から刊行されています。

0420-furuza-2デバでの教授の論点は、日本経済は90年代からの長期不振を脱し、その構造が変化し、その結果は03-04年の回復に現れ、再生(renaissance) の途上にあるというものです。1960年代以来の日本型発展モデルの有効性が90年代以降問われており、日本は今後どのようなシナリオのもとで発展してい くかを明らかにする時期にきていると論じています。その際に採用すべきシナリオは、スイス型幸福(自国のみの繁栄をめざす)ではなく、社会を冷静に変革 (revolution)していくシナリオであるべきであり、既にそうした動きがすすんでいると教授は述べます。日本企業はリストラの一方でイノベーショ ン投資を進め、海外投資を受け入れ、中国への生産拠点の移転なども行っている。金融機関の不良債権処理や再編も進み、政府は円高を抑え、金融や貿易投資の 面でアジア地域との連携を深めているなど、日本経済の変革を可能にする条件は備わってきている。そのなかで日本でも資本市場の役割が増し、雇用形態が変化 してきているが、日本がめざす経済社会はアメリカとは異なった形であろうと教授はいいます。そして、教授は興味深い主張をしています。すなわち、日本は鎖 国を含む長い歴史のなかで、「集団の文化」「調和の重視」「プラグマティズム」といった特性を培ってきたので、静かに深いところで、時間をかけて変革をす すめていくことができるのだと。 

こうした教授の見方に対しては、多くの企業でリストラが進んだものの競争戦略が充分に展開できていないことを知り、財政赤字拡大と少子高齢化が進む なかで、国民の不安感も強く、長期的に成長率が低いとの予測がでており(日本21世紀ヴィジョンでは1-2%台)、また最近では中韓との関係がギクシャク しているのに直面している日本側の出席者にとっては、おおいに勇気を与えてくれるものであり、日本の将来をもっと楽観してもよいという気持ちを与えてくれ ました(ただし、筆者は少し買いかぶられているような居心地の悪さも感じました)。教授は質問に答えて、日本は少子高齢化に対しては技術進歩を加速するこ とで対応すべきであり、今後潜在成長力を引き上げるべきであるとのコメントで、その点には大いに同感いたしました。

この他、日中台の関係、5月29日のEU憲法国民投票で若しnonが多かったら、バンクドゥフランスの人員削減といった、アクチュアルな問題についても話題が及び、アットホームな雰囲気の中で、論理的でかつずいぶんと踏み込んだ教授のコメントをきくことができました。

4月にはパリクラブ主催のデバが2件続き、沢田さんがフランス経済を論じ、フルゾさんが日本経済を論じました。議論では日仏相互の見方や関心が交差 し、相互に学ぶapprendre l‘un a l’autreというパリクラブのひとつの狙いが果たせたように思われました。

(文責 久米五郎太)

デバ・スペシャル「日本経成長への選択肢 – フレンチ・パラドックス?」

日仏経済交流会(パリクラブ) 主催
在日フランス商工会議所(CCIFJ) 共催

フレンチパラドックスは、受付期限終了に併せて直ちに締切にする盛況でした。新年度から社会経済委員会管掌副会長を依嘱され、司会を務められたた久米五郎太氏の報告とデバのレジュメを下記に掲載します。

日時 2005年4月11日
場所 京橋 メルシャンサロン
発表者 沢田義博氏 (富士投信投信顧問 常任監査役、元富士銀行 パリ支店長、元JETRO パリ/DREE(仏経済財政産業省) シニア・アドバイザー)
特別参加 在日フランス商工会議所会頭 ユベール・ドメスティエ氏

0411-debat-12005年4月11日、京橋のメルシャンサロンを会場に開催されたパリクラブのデバ・スペシャル「日本経成長への選択肢 – フレンチ・パラドックス?」に57名が参加した。発表者に、富士投信投資顧問 常任監査役、元富士銀行パリ支店長、元JETRO パリ/DREE(仏経済財政産業省)シニア・アドバイザーの沢田義博氏をお招きした。沢田氏の発表に引き続き、特別参加者の在日フランス商工会議所会頭ユ ベール ド・メスティエ氏にコメントをいただいた後、質疑応答を行った。

日本人はフランス人よりはるかに長く働き、国としての投資比率や研究開発額などもフランスを上回っているのに、何故経済成長率では年平均で1%も低 いのだろうか。講師の沢田義博氏(パリクラブ)は、フランスが対外直接投資と外国人観光客の受け入れで日本を大きく引き離していることにその要因があると 注目した。

コメンテーターの在日フランス商工会議所会頭ユベール ド・メスティエ氏は、日本は近年成長率が低かったが、そのなかで省エネルギー化が大きく進 み、海外投資による海外生産比率が高まっていると指摘。また、直接投資受け入れでは外国企業にとって日本のパートナーが必要な市場であり、観光客は地理的 な位置から今後アジアに多く依存していくのではないかとコメント。

フランスのマクロ経済については、アストリ財務公使より、成長率は米・英より低く、労働市場の硬直性やイノベーションへの投資の遅れが問題であり、 人口の高齢化、財政赤字の拡大、公的部門の改革などの課題は日本とも共通しており、今後改革を進めざるをえない状況にあるとの説明があった。会場からは、 移民労働力の活用、民営化の進展、中国向け投資などについての質問もでて、仏日両国経済のトピックスに話題が及んだ。

司会として聞いていて以下のようなことを結論として思った。フランス人はワインをあれだけ飲んでいるが、長生きなのがパラドックスだといわれる。海外投資受け入れでも、国際投資家は立地先としてのフランスは英独に比べの魅力が少ないと評価しているが、実行される投資額は英国に並んでいる。この調査を したERNST&YOUNG社はレポートをフランス・パラドックスと題している。日本の将来を考えると、少子高齢化が進みフランスより潜在成長力が低いと 見られている。その中で日本としても構造改革やイノベーション投資などを着実に進めることが必須である。それと同時に、もっと外に国を開き、直接投資や観 光客、さらには海外の労働力を多く受け入れることで活力を高めるべきであろう。フランスの政策に学ぶところは多い。

(パリクラブ理事:久米五郎太氏)

 

【沢田義博氏スピーチの要旨】

フランスに滞在した日本人の多くは「夏には約1か月の休暇を取り、週35時間労働で、何故この国の経済は回っているのか?」と感じるのではないだろうか? 事実フランス製造業の年間労働時間は約1,500時間で、日本に比べ約400時間少ない。失業率は日本の2倍以上の9.9%。ストも多い。それにも拘ら ず、過去10年間の平均経済成長率は2.1%と日本より約1%高いのである。何故か?バブルの後遺症などに長期間悩まされた日本に原因があるのは間違いない。又、日本の労働生産性はG7では最下位である。

0411-debat-2しかし、それだけだろうか?そこで日仏の経済指標などを比較すると、対内直接投資及び外国人観光客数についての大きな差に気がつく。

まず対内直接投資だが、フランスの対GDP比率は累積残高ベースで 22.2%である。日本は1.3%に過ぎない。フランスは投資対象国としての魅 力を向上させる為、30年近く前から歴代政府が音頭をとり、対投資庁を中心に外国企業誘致に向け不断の努力をしている。外国企業の意見にも積極的に耳を傾け、問題点の解決に努めている。

外国人観光客については、フランスを訪れる観光客は世界一で、年間約7,600万人。その消費額は約4兆5千億円に達する。GDPの2.3%であ る。一方日本の数字は約6百万人、約9千億円に過ぎない。フランスではパリ観光局を始め、各地方が頻繁にキャンペーンを催し、文化省は文化遺産の保護に余念がない。

更に、シラク大統領の強力なリーダーシップの下、各省庁は国益をしっかり見据えた戦略を立案、実行している。この辺りにも原因がありそうだ。日本も 小泉首相の指示により、遅ればせながら対日直接投資額及び外国人観光客数の倍増を図るべくキャンペーンを開始した。どうやらワインのフレンチ・パラドック スとは異なり、これは政府の戦略の問題と言えそうだ。