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【レポート】輝く会 第6回「フランス人を魅了する京町家再生プロジェクト」

京都の伝統的な建物が生まれ変わる「京町家モナムール」を手がけた建築デザイナー金子文子さんが語る夕べ

第6回輝く会「フランス人を魅了する京町家再生プロジェクト」

第6回の輝く会のテーマは「京町家再生」。京町家とは、1950年以前に伝統的木造軸組構法で建てられた木造家屋と定義されています。京都に残る町家造りの建物で、京都には二万軒もの町家が残っていると言われています。しかし、世代交代が進む中で空き家のままに放置される町家も増えている現状の中、建築デザイナー金子文子さんは、この京町家を再生するプロジェクトに取り組んでいます。

そのプロジェクト名は「京町家モナムール」。京都の町で時代に取り残されたままに放置してある京町家は、伝統的な建築デザインを残しつつも物件によっては、現代のライフスタイルに合わない設計でもあるのが現状です。そんな古い建築物が金子さんのアイデアと創意工夫によって和とモダン、そして詩と音楽が融合した新しい空間に生まれ変わります。

今回のセミナーでは金子さんが手がけた京都モナムールシリーズの改築事例を写真や図面などを見ながら詳しく紹介していただきました。

近い距離で金子さんのお話を聞けるチャンス。会場には多くの方が集まりました。

近い距離で金子さんのお話を聞けるチャンス。会場には多くの方が集まりました。

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【開催済】第6回輝く会「フランス人を魅了する京町家再生プロジェクト」

<京町家モナムール> by Fumiko Kaneko

第6回輝く会「フランス人を魅了する京町家再生プロジェクト」

東京を拠点にCiel Rouge Creation代表として<グットデザイン賞>や<世界の最も美しい100のホテル>に選ばれたShu Uemuraの海洋深層水を使用した世界初のタラソテラピセンターホテルなど 数多くの話題作を手掛けてきた建築デザイナー金子文子さんは3・11東北大震災後、直感的に新たな可能性を感じて京都に居を移し,以来、京町家の再生の革新的プロジェクトに取り組まれています。

戦後、利便性を求めて新建材で改築された中途半端な町家や、路地奥に残る築年不詳の土台も傾き、廃墟寸前の空き家町家など行政にとって頭の痛い大きな問題となっています。そんな町家が金子さんの手によって、『和』と『モダン』の融合する新しい建築空間へと生まれ変っています。

もともとフランスと縁が深かった金子さんは、千年の古都、京都の伝統文化に圧倒されながらも、単なる建築設計やデザインを超えた、深い精神性と哲学的思考を原点に、非物質性、精神性を表現する人間空間ととらえています。月光、緑、光の陰影にフランスの哲学者レオタールの非物質性を、古都の住居に、オーギュスタン・ベルク氏『時代、世紀とともに変容する社会と住居』<人類の起源、住まい歴史>の数々の思索の実践を体感しながら。

そしてその自宅『萌文庵+見晴亭:空中茶室・浮遊する見立ての森』はフランス人を中心に世界中から文化人が集い、文化交流の国際的なサロンとして機能しています。金子さんは意欲的にこの<京町家モナムール>シリーズを手掛け、現在5部作目清水五条<詩宝箱>に挑戦しています。
今回の輝く会では金子さんに「京町家モナムール」でのご自身の取り組みについて紹介していただき、その建築空間に秘められた日本人とフランス人共通のエスプリ・精神性についても語っていただきます。 suite »