イベントレポート モナコの夕べ『世界の中のモナコ:伝統と先端の間に』

広く世界に開かれた都市国家、モナコ

メドサン大使は、モナコ公国の基礎データや建国から現在までの歴史を紹介(別表参照)。建国以来、スペインやイタリア、ドイツなど周辺諸国とさまざまな関係下のもと歴史を刻んできたモナコ公国は、長くフランスの保護下に置かれるなどとくにフランスとの関係が深いことが改めて感じられました。また特異な国土の立地条件ゆえに独自の政策によって発展した経緯も紹介。例えば19世紀後半、シャルル3世は小高い山の一角を開発してそれまで禁止されたていたカジノを建設、「モンテカルロ(イタリア語でシャルル3世の山)」と命名。それが世界有数のラグジュアリ・リゾートとして発展する礎となりました。また、レーニエ3世時代には国土拡張計画を実施。国土の1/6に当たる埋立地の建設や、港湾の整備、鉄道や駅の地下化など狭い土地の有効活用政策を推進しました。

モナコ公国の特徴や魅力について話すメドサン駐日大使。

モナコ公国の特徴や魅力について話すメドサン駐日大使。

外交面では1993年に国際連盟に加盟、2004年には欧州評議会に加盟したほか、世界保健機関、ユネスコなどの多くの国際機関に加盟。海外27カ国に在外公館を持ち、諸外国とも良好な友好関係を保っています。現在の元首であるアルベール2世は、「アルベール2世基金」を創設し環境問題に積極的に取り組み、2010年には名古屋で開催された生物多様性条約10回締約国会議(COP10)に出席なさいました。そのほか、国際協力や人道支援などにも尽力されています。

モナコ公国の人口は約37000人。しかし労働人口は約5万人で、そのうち約35000人がイタリアやフランスから通勤しているそうです。また人々の国籍は120以上もあり、約1万人がフランス人、次いでイタリア人が約6600人。日本人は約100人とのことで、開かれた国際都市であるモナコの一端を窺い知ることができます。